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なぜ、1杯目のビールは驚くほどうまいのか? “お金で幸せを買うこと”を考えて分かった「1つの答え」

Finasee / 2024年7月4日 17時0分

なぜ、1杯目のビールは驚くほどうまいのか? “お金で幸せを買うこと”を考えて分かった「1つの答え」

Finasee(フィナシー)

1杯目のビール、新作スイーツは幸せを感じる!

ファイナンシャル・ウェルビーイング、というと何やら難しいことのように思います。しかしお金と幸せの関係はもっとシンプルに考えてもいいのです。

例えば、仕事が終わって居酒屋に入ったとします。その日は外回りの仕事で汗もかき疲労感もたっぷり。そこにキンキンに冷えた生ビールが届きます。

この1杯の美味しさときたら!

たぶん、ビール好きならこの1杯が幸福度の高いものだと感じるでしょう。実はこれ、消費によって幸福を買っている、シンプルなファイナンシャル・ウェルビーイングの構図です。

お酒を飲まない人ならスイーツで考えてみてはどうでしょう。「ちょっとお仕事でミスをしちゃった」あるいは「仕事で達成感があった」など、何か自分にご褒美をあげたい気分になることがあります。

気まぐれでコンビニに入ってみたところ、新作スイーツが並んでいます。最近のコンビニスイーツ、ちょっと値段はお高めですが、有名ブランドとのタイアップをしていたりします。美味しそうなスイーツがあなたを誘惑します。

しばらく悩んだあとに1つ選んで帰宅の途につくと、いつもの道もなんとなく気持ちがアガります。お茶やコーヒーを用意して、食後のデザートを楽しむとき、さらにもう1段気分が盛り上がってくるはずです。

どちらのケースでも、私たちはお金を使って幸せを手に入れたということになります。これもまた「お金のウェルビーイング」です。

「初めて」の感動が幸福度のコスパを高くしていた

「お金を払って幸せを買う」というと、なんとも味気ないように思えますが、実はこれ、大なり小なり日々の生活で繰り返していることです。

しかし、毎日のスーパーマーケットの買い物で感動したり、電気代の引き落としで幸福を実感したりする人はいません。それはもう日常になってしまったからです。

だとすれば、ときどき「幸せを買う」という根源的な感覚を意識してみましょう。先ほどの例でいえば「最初のビール一杯」「新作のスイーツの一口」のようなところからなぜ幸福を感じるのか、自分なりに考えてみるのです。

理由の1つは、「初めて」の感動がいつもの消費の満足にプラスされているからです。だからこそ、いつものビールやいつもの定番おやつよりちょっと、幸福度がアップします。

これを言い換えると、毎日繰り返している消費は満足度が減っていきます。連続して5本飲んだビールは、お気に入り銘柄であったとしても、最初の1杯目の感動は得られないわけです。

経済学的には限界効用逓減の法則、なんていいますがそんな言葉は覚えなくてもかまいません。要するに「1杯目のビールのほうが、2杯目のビールよりうまく感じる」「久しぶりに食べた新作スイーツは美味しく感じられる」ということを大事にしよう! ということです。

毎日の生活の中、自分で自分の幸せを上手に買おう

幸せをもっとたくさん手に入れることはできないか、日々の買い物からでも探してみましょう。そう考えるとスーパーマーケットのお買い物も、ルーチンワークではなくなります。

お菓子売り場、ドリンク売り場、特売コーナーなど、「初めて」がないか考えながら歩いてみます。すると、「いつもの商品」以外にもたくさんの選択肢があることに気付かされます。

自分で選択をする、というのもウェルビーイング的にはプラスです。自己決定権があるほうが、私たちは幸せをたぐりよせた感じがして、幸福度がアップすることが分かっています。

最近のコンビニやスーパーは、視点を変えてみると「初めて」だらけです。お店のほうも消費者に飽きが来て売り上げが下がる頃合いをみて、次の新作を投入し続けているからです。季節商品(フルーツなど)も旬の味覚を安く楽しむことができたりします。選択肢はたくさんです。上手に活用してみてください。

「試してみたけれど、美味しくなかった!」という失敗もときにはあります。でもこれも、ポジティブに考えてみましょう。なぜなら、「いつもの商品のセレクトは正しかった!」と確認できたわけですし、「いつもいい選択をしていた自分、賢い!」と前向きに考えられるからです。それに、「新作のアレ、ちょっとイマイチだったかなあ」なんて話題にできれば元が取れますよ!

コスパとセットで考えたいのはウェルパ?

よくコスパといいます。しかし、お値段に見合っているかどうかを考えるとき「安いか、高いか」だけが判断軸と考えるのは間違いです。「お値段に見合った満足が買えているかどうか」もあわせて考えるのが本当のコスパです。

100円でも感動ゼロならそれはコスパが悪いといえますし、5000円で食べた誕生日の食事が感動的に美味しかったのであれば、それはコスパは悪くないのです。

そう考えると幸せ(ウェルビーイング)を上手に買えているかどうかが買い物のポイントということになります。ウェルビーイング・パフォーマンスの略でウェルパ、なんてどうでしょうか。毎日の買い物、コスパを意識するとき、その中に含まれているウェルパも意識してみてください。

さて、ここまでは主に日常生活の消費だってウェルビーイングとつながっているという話をしてきました。

私たちの消費は食費や日用品だけではありません。好きなミュージシャンのライブに出かけたり、観劇や映画に出かけたりすることもあります。感動や経験、貴重な時間もお金を出して買うものです。そしてもちろん、その対価としてウェルビーイングを買っているといえます。

次回は、「推し活とファイナンシャル・ウェルビーイング」の関係について考えてみましょう。あなたの「推し」への出費もウェルビーイングの視点で考えてみることができるのです。

山崎 俊輔/ファイナンシャルプランナー

1972年生まれ。フィナンシャル・ウィズダム代表。1995年中央大学法学部法律学科卒業後、企業年金研究所、FP総研を経て独立。確定拠出年金を中心とした企業年金制度と投資教育が専門。著書『普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)、『ファイナンシャル・ウェルビーイング』(青春出版社)など多数。

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