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単独ローンで借りる? ペアローンで借りる?

Finasee / 2024年7月23日 11時30分

単独ローンで借りる? ペアローンで借りる?

Finasee(フィナシー)

前回は、令和の住宅ローンの利用形態について確認しました。今回は、借入金額について取り上げます。

借入金額を確認するにあたって、まず単独ローン(住宅ローンの借入に際して、1人で借入れを行うケース)とペアローン(夫婦やパートナーと2人で借入れを行うケース)それぞれの割合を確認したところ、全年代では単独ローンの利用割合が68.3%と多数を占め、ペアローンの利用割合は10.8%にとどまりました【図表1】。しかし年代別に確認してみると20代のペアローン利用率は16.5%、30代では18.6%と全年代のおよそ1.5倍の水準でした。不動産価格の高騰や共働き世帯の増加を背景に、若年世代を中心にペアローンの利用が高まっていることが窺える結果となりました。

【図表1】単独ローンとペアローンの利用比率

*回答者:住宅ローン利用経験者
*表内年代は、アンケート回答時の年齢
(出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2024年)をもとにミライ研が作成

では、単独ローン、ペアローンそれぞれの借入金額について確認してみます。
まず、単独ローンの場合、全年代では最も多いのが2,000万円以上〜3,000万円未満の34.5%、次いで1,000万円以上〜2,000万円未満の28.7%で、借入金額の中央値はおよそ2,373万円でした【図表2】。

年代別に見ると、住宅の一次取得者が最も多い30代※では、最も多いのは全年代同様2,000万円以上〜3,000万円未満の30.9%である一方、2番目に多いのは3,000万円以上〜4,000万円未満の30.4%で、中央値も2,858万円と全年代よりもおよそ500万円多いことがわかりました。
※国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」より

【図表2】住宅ローン借入額(単独ローンの場合)

*回答者:住宅ローン利用経験者
*表内年代、アンケート調査回答時の年齢
*5.0%未満はグラフ内の表記省略
*中央値は、50%部分が含まれる選択肢から概算値を算出。なお、解答は各選択肢内で均等に分布していることを前提とした。万円未満四捨五入。

次に、ペアローンについて確認してみます。全年代で最も多いのは2,000万円以上〜3,000万円未満の31.5%、次いで3,000万円以上〜4,000万円未満の23.4%で、借入金額の中央値はおよそ2,833万円でした【図表3】。

先ほどと同様に30代をみると、最も多いのが3,000万円以上〜4,000万円未満の26.6%、2番目に多いのは同率で、2,000万円以上〜3,000万円未満と3,000万円以上〜4,000万円未満の18.8%で、中央値も3,412万円でした。

【図表3】住宅ローン借入額(ペアローンの場合)

*回答者:住宅ローン利用経験者
*表内年代、アンケート調査回答時の年齢
*5.0%未満はグラフ内の表記省略
*中央値は、50%部分が含まれる選択肢から概算値を算出。なお、解答は各選択肢内で均等に分布していることを前提とした。万円未満四捨五入。

住宅ローンの借入形態によって、住宅ローンの当初借入金額に差が出るかについて確認をしたところ、いずれの年代においてもペアローンの方が単独ローンよりも当初借入金額が高額化していることが分かりました【図表4】。新築分譲マンションの価格も継続的に上昇しているなど(【図表5】)不動産価格は高騰しており、“世帯として理想とする住まいを手に入れるために、夫婦・パートナー双方が力を合わせて借入れをする”といった取り組みも増えてきているものと思われます。

ペアローンは、
●借入額が大きくできることで物件の選択肢が広がる
● 住宅ローン控除の要件を満たした場合、それぞれが住宅ローン控除の適用を受けることができる
などのメリットが期待できる一方、
●「子育て」、「介護」、「転職」といったライフイベントによって、いずれかの収入が大きく減少した場合であっても、返済を継続できるか
という点を、長期の目線で十分に検討しておくことが望まれます。

【図表4】住宅ローン借入額(中央値)比較

*回答者:住宅ローン利用経験者
*表内年代、アンケート調査回答時の年齢
*5.0%未満はグラフ内の表記省略
*中央値は、50%部分が含まれる選択肢から概算値を算出。なお、解答は各選択肢内で均等に分布していることを前提とした。万円未満四捨五入。

【図表5】マンション価格推移(2014年~2023年)

(出所)株式会社不動産経済研究所「全国 新築分譲マンション市場動向 2023年」より三井住友トラスト・資産のミライ研究所作成


 

三井住友トラスト・資産のミライ研究所

人生100年時代において、一人ひとりが将来を安心して過ごすための資産形成・資産活用のあり方を中立的な立場で調査・研究し発信することを目的として、2019年 三井住友信託銀行に設置された組織。

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