リサーチが全ての核、「パイオニア精神と慎重さ」を両立するDNAが息づく ロベコ
Finasee / 2024年7月3日 14時0分
Finasee(フィナシー)
オランダ・ロッテルダムから世界へ、ロベコとはどんな会社?
「ロベコ(Robeco)はオランダのロッテルダムに本拠を置くグローバルな資産運用会社で、サステナブル投資の第一人者です。1990年代からESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点で企業分析を運用プロセスに取り込み、株式から債券まで幅広いアクティブ運用を通じて世界中のお客さまに優れたソリューションを幅広く提案しています」とロベコ・ジャパン営業部長の根尾真砂理さんは語ります。
環境問題への意識が高まる中、金融や投資のあり方が変化しています。気候変動の深刻化などの環境問題は将来的な投資上のリスクであり、経済におよぼす悪影響は計り知れません。ロベコはESG投資の一歩先を行く、独自のインパクト投資(財務的な収益を追求しつつ、社会・環境へのインパクト創出を目指す投資手法)を発展させ、その普及に努めています。
サステナビリティへの長期的なコミットメントは、名だたる外部機関からの高評価にもつながっています。例えば、シェアアクション(ShareAction、英国を拠点とする調査機関)が世界の資産運用会社77社を対象に、サステナブル投資の広範なテーマについて2023年に行った調査においてロベコは2回連続で第1位を獲得しました。
ウォール街大暴落の直後に創設、危機から学び、礎を築く1929年ウォール街大暴落のわずか数週間後、ロッテルダムの有力実業家7人が集まり資金を一元管理するための組織「ロッテルダム投資集団(Rotterdamsch Beleggings Consortium)」を創設したのが起源となり、後に略して「ロベコ(Robeco)」と改称されました。その後、大恐慌で資産の半分を失うという辛い経験を耐え抜き、現在のロベコの礎が築き上げられました。
創業者の「リサーチの価値こそが重要」という考えのもと、絶えず投資に対する科学的なアプローチを進展。世界有数の大学や調査機関との協力関係を構築するなどリサーチ力へのゆるぎない注力が、やがてクオンツ運用やサステナブル投資のパイオニアとしての実績につながっていきます。
また当初よりグローバル展開も重要視しており、1930年代にいち早く南米への株式投資を開始したのを皮切りに、その後も積極的に海外展開を加速してきました。創立直後の大恐慌で資産半減という歴史から学んだ教訓を基に危機時の方針が策定され、後に起こった数々の市場大暴落時の混乱を克服し、現在の世界的な運用会社への軌跡へとつなげてきました。今日では、ロベコは日本のオリックス株式会社の子会社であるオリックス・ヨーロッパの傘下にあります。
「全ての運用戦略はリサーチ主導であるべき」という哲学ロベコではリサーチが全ての活動の核をなし、「パイオニア精神と慎重さ」を両立させるアプローチは、1929年にオランダ・ロッテルダムで設立されて以来ずっとDNAに息づいてきました。ロベコは「全ての運用戦略はリサーチ主導であるべき」という運用哲学のもと、リサーチに基づく革新を推進すれば、顧客により大きな価値をもたらすことができると考え、挑んでいます。
ロベコのミッションは、「卓越した投資リターンとソリューションの提供を通じて、お客様の資産運用やサステナビリティの目標達成に貢献すること」であり、「富とウェルビーイング(幸福、健康)双方の創造」というビジョンをもってミッションの実現を目指します。
ミッションを支えているのが、「常にお客様を優先し、革新的で、全ての活動において繋がりを築き、かつ、サステナブルである」というロベコのコアバリュー(信条)です。ロベコは自ら、そして社会のために責任をもって行動しています。
このようにロベコの企業価値は、革新とリサーチがその出発点となっています。顧客中心主義を貫くための確固とした枠組みとなっているゆえんです。
企業価値の評価はサステナビリティへのコミットロべコの特徴を一言でいうならば、「サステナビリティ」に力を入れている点が挙げられます。欧州はサステナブル投資に世界でも先駆けて取り組んでいる地域ですが、特にロべコの本社があるオランダは、多くの国民が海抜0メートル以下の土地に住んでいるため、気候変動への意識が高いと言われています。
加えて1995年に設立されたサステナブル投資のパイオニアである運用会社SAMを買収したことを契機に「サステナビリティ」と「運用」を融合する組織体制の構築を進めています。気候変動や生物多様性等の専門家、サステナビリティを定量化するためのデータ・サイエンティスト等、金融の分野とは異なるプロフェッショナルも在籍しており、運用戦略に反映させています。
「『儲かっている』等の側面だけで企業の価値が評価される時代は終わりました。ESG、サステナビリティにコミットメントしている企業が結果として長期的に企業価値が評価される世の中に変化してきています」と根尾さんは強調します。
「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」投資家部門で唯一、5年連続受賞ロベコは、2005年に東京オフィス(支店)を開設し、投資助言・代理業者として日本の運用機関向けにロベコおよびグループ会社の運用戦略の提供を開始しました。その後、ロベコ・ジャパン株式会社の設立、投資運用業の登録を機に、ロベコおよびグループ会社が世界各国で積み上げてきた信頼と実績を基に、長きにわたり培ってきた運用手法の数々を日本の機関投資家を中心に提案し続けています。
また、サステナビリティやスチュワードシップにおいては、ロベコ・グループの強みを生かし、積極的な情報提供に努めています。2024年2月には、環境省が選定する第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、投資家部門(アセットマネジャー部門)銀賞(環境大臣賞)を受賞。銀賞を受賞するのは、同アワード創設初年度以来2回目となり、銅賞受賞も含め投資家部門で唯一、アワード創設以来5年連続受賞を果たしています。
サステナブル、クオンツ、クレジット、テーマ型、新興国市場の分野を加速「ロベコはサステナブル投資における世界的リーダーとしての地位を確立する過程で、運用資産を増やし、収益を拡大してきました。お客さまが当社のすべての活動の中心であり、ロベコが存在感を示す国、地域、市場セグメントにおいて現在の成長軌道を今後も維持するために、サステナブルのみならず、クオンツ、クレジット、テーマ型、新興国市場といったロベコの強みである分野の成長を加速させることを目指していきます」と根尾さん。
こうした戦略的枠組みの下で、ロベコでは「サステナブル投資のリーダーとしての地位を一層強固にし、企業収益の成長を実現するとともに、勤務先として選ばれる企業となる」ことを2025年までの戦略的アンビションとしています。
多様性・公平性・包括性を企業理念に地域社会のウェルビーイングにも配慮
ロベコはDE&I(Diversity, Equity & Inclusion;ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)という、多様性・公平性・包括性を企業理念に取り入れ、世界各国で積極的に促進しています。DE&Iを事業戦略、業務、採用プロセス、企業文化の中核になる価値観と考えているのです。
また、サステナブル投資の分野においても、特に気候変動、生物多様性、人権、SDGsの4分野を戦略的優先分野と位置づけて注力。中でも生物多様性においては、世界自然保護基金オランダ支部(WWFオランダ)との提携の下、生物多様性喪失対応のロードマップを策定・公表しました。
商品開発においては、ネットゼロ2050気候株式戦略、グローバルSDGエンゲージメント株式戦略、生物多様性株式戦略など、優先分野におけるインパクト創出を目指す運用戦略を積極的に立ち上げたほか、運用業界全体の質の向上を目指す試みとして、サステナブル投資の知的財産を公開する取り組みも開始しています。
なお、ロベコでは事業を展開する地域社会のウェルビーイングにも配慮しています。「ロベコ財団」といったイニシアティブ等を通じて、貧困等恵まれない人々の機会均等や児童への教育支援を促進。世界各拠点でのボランティア活動等を通じて、環境を尊重し保護に努めています。
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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