「企業を見る力は武器になる」大学生投資家が投資を“就活の最強ツール”と語る「納得の理由」
Finasee / 2024年7月9日 12時0分
Finasee(フィナシー)
大学3年生からのインターンシップが活発化し、就職活動は早期化の一途をたどっています。しかし、学生の視線は依然として総合商社、金融、BtoC企業に集中し、BtoB企業の存在感は影を潜めたままです。
そんな状況下で、学生が未知なる優良企業を発掘するにはどうすれば良いのでしょうか。実はその強力なツールになりうるのが「投資」です。今回は4つのポイントに絞って、投資を通じて養った「企業を見る力」を就職活動で活かす方法を紹介します。
1. 財務分析で隠れた優良企業を発掘する投資活動では、決算短信や貸借対照表といった財務諸表を分析し、企業の成長性、収益性、そして将来性を評価します。この財務状況を詳細に分析するスキルを就職活動に転用すれば、BtoB企業のように一般消費者になじみの薄い企業であっても、その潜在的な価値を見抜くことが可能です。
例えば、売上高や営業利益の推移、自己資本比率、キャッシュフローなどを確認すれば、企業の財務状況を多角的に評価できます。また、同業他社との比較分析を行うと、企業の競争優位性や市場におけるポジションも把握しやすくなります。
このように、投資を通じて財務分析のスキルを身に付けると、企業の真価を見抜き、自身のキャリアを飛躍させる企業と出会うことができるのです。
2.株主視点で企業研究を深掘りする投資活動では、企業の業績だけでなく、業界動向、競合他社の状況、経営陣のビジョンなど、多角的な視点から企業を見ます。この分析は、就職活動の企業研究でも大いに役立ちます。
また、就職活動で株主の視点を持つことで、企業の利益構造や成長戦略、企業が社会に提供する価値への理解も深められます。実際に従業員として企業に入社して会社の求める人材になれば、株主への利益還元につながるだけでなく、最終的に自身の資産形成にもつながっていきます。イメージとしては以下の図式です。
従業員:給料+キャリア形成
株主兼従業員:給料+キャリア形成+株主への利益還元
さらに、株主として株主総会に参加して経営陣に直接質問をすれば、企業の経営理念やビジョンについて、ホームページや求人票だけでは読み取れなかった情報を得られ、より深く企業を理解することができます。
このように、株主の視点を通じて企業研究を深めることで、面接での企業分析や志望動機を語る際に、自身の体験を元にした説得力のあるアピールへとつながるのです。
3.多様な業界・企業に触れてキャリア選択の幅を広げる投資を通じて多種多様な業界・企業に触れていると、自身の興味関心や適性を再発見することがあります。これは、就職活動におけるキャリア選択の幅を大きく広げてくれます。
例えば、「商社」と一口に言っても、各社が注力する業界や事業内容は千差万別です。「総合商社」では天然ガスの権益を持つ「三菱商事」、繊維ブランドを持つ「伊藤忠商事」、鉄鉱石や原油権益がダントツの「三井物産」などと得意な分野が異なります。「専門商社」でも、自動車や繊維、鉄鋼など、さまざまな業界があります。また、子会社を通じて新規事業を展開している商社もあり、「将来的には吸収合併される可能性もあるかもしれない」などという予測もできるでしょう。
投資を通じて、このような企業の多様性や将来性に関する知識を得ることで、自分に最適なキャリアパスを選択することが可能になります。
4. 株主総会では企業トップと直接対話の機会も「株主総会」と聞くと学生にとっては縁遠い存在に感じるかもしれません。まして、株主総会へ参加するにはその企業の普通株式を1単元(100株)以上持っていることが必須なため、それなりのコストがかかります。しかし、株主総会を就職活動のツールの1つと考えれば、その参加費用(株式購入代金)以上のメリットが得られるはずです。
例えばNTTのような超大企業の株主総会には若者を含む大勢が参加しますが、意外にも、時価総額が1000億円規模の大企業では、参加者自体が少ないケースもあります。特に、BtoB企業ともなれば、参加者は100人を割り込む場合もあり、そのほとんどが中年・高齢者層です。
そんな中で若者が参加すれば、いやが応でも注目を集めるでしょう。企業によっては、代表取締役から直接声をかけられることもあり、企業トップの人柄に触れる貴重な機会となります。
また、株主からの質問として、今後の成長戦略である人材採用の方針や給与水準に関する話を聞くことができれば、企業の将来性を見極める絶好の機会となるでしょう。
***投資を通じて培った「企業を見る力」は、隠れた優良企業の発掘、企業研究の深化、キャリア選択の幅を広げるだけでなく、株主総会というユニークな場を活用することで、就職活動を有利に進める上で非常に強力な武器となります。
就職活動の早期化が進む中、学生は「投資」というツールを駆使することで、他者とは一線を画す視点で企業を評価し、自らのキャリアを主体的に切り拓くことができるでしょう。
学生投資連合USIC
全国33大学1100人以上で構成される日本最大の金融系学生団体。2008年の創設以来、「日本を学生から金融大国に」というビジョンのもと、学生の金融リテラシー向上に取り組んでいる。主な活動内容は、国内外の金融関係企業と合同で開催する勉強会・セミナーの運営、学生向け金融・投資のフリーペーパー「SPOCK」(累計発行部数24万部)の発行、全国の上場企業・大学生を巻き込んで行う「IRプレゼンコンテスト」の主催。近年は、メディアでの発信に注力するほか、制度面への働きかけを通じて、若年層の投資のしやすい環境づくりにも取り組んでいる。2024年現在、全国 33大学のサークル・約1100 名が加盟し、北は北海道、南は九州までのネットワークを有する、日本最大規模の金融系学生団体となっている。Xアカウントは@usic_spock。
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