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「諦めなくて良かった!」60代男性の“無年金の危機”を救った「たった1つの書類」

Finasee / 2024年7月17日 12時0分

「諦めなくて良かった!」60代男性の“無年金の危機”を救った「たった1つの書類」

Finasee(フィナシー)

<前編のあらすじ>

64歳の丈也さん(仮名)は、若い頃少しだけ会社員をして、その後は自営業者として働いていました。国民年金保険料の納付義務は60歳の前月までありましたが、丈也さんは長年放置して未納のままにしていたので、「将来、年金はもらえないかもしれない」と年金受給を諦めていました。

しかし、60歳の誕生日を迎えた際、友人たちとの会話から年金への思いを新たにし、年金事務所に相談に行きました。そこで、年金を受けるには受給資格期間が10年以上必要となるものの、自身には102月しかないことを知り落胆します。

ところがその時、職員から「保険料を納めなくても64歳から年金が受け取れる可能性がある」という意外な事実を知らされます。勧められた通りに国民年金の窓口で必要な書類を提出した結果、なんと年金を受給できることになりました。

●前編:【「年金はもらえないかもしれない」手続きを放置し続けた自営業・60代男性が直面した「無年金の危機」】

丈也さんが行ったのは「国民年金保険料免除申請」の手続き

64歳の丈也さんが年金を受給できるようになったのは、4年前、60歳の誕生月の出来事がきっかけでした。

国民年金の加入義務は60歳になるまでで、自営業の丈也さんも60歳の前月まで保険料の納付義務がありました。しかし、収入の少なさや忙しさを理由に、丈也さんはこれまで国民年金保険料を払ってきませんでした。

ただ、収入が少なく、国民年金保険料が納められない場合、免除申請の書類を書いて申請をすれば免除が受けられます。そして、その国民年金保険料免除申請は過去2年1カ月前までさかのぼって行うことができるのです。

免除申請によって受給資格期間が満たされた!

この2年1カ月分(25月分)について、丈也さんの年収から保険料の全額が免除の対象になることが判明しました。この全額免除期間は、保険料を全く納めていない期間でありながら、年金の受給に必要な10年(120月)の期間に算入されます。丈也さんの期間は免除申請の書類を提出したことにより、元々あった102月の期間と合わせて合計127月になりました。

これで必要な120月以上の受給資格期間を満たし、かつ、厚生年金としては1年以上加入したことがあったため、64歳で特別支給の老齢厚生年金が支給されるようになりました。また、65歳以降についても老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けられるようにもなります。

こうした背景があり、このままだと0円だったかもしれない年金が、たとえ保険料の納付をしてなくても、いくらかは受け取れるようになったのです。

諦めずに相談に行くことが大切

丈也さんは年金事務所に相談しに行かなければ、過去にさかのぼっての免除申請を知る機会もなく、64歳の今に至っていたことでしょう。そうなると、60歳前の期間の免除申請もできず、受給資格期間が102月のままで、いまだに年金が受け取れていなかったことになります。

丈也さんは諦めずに相談にいった結果、年金を受給できるようになりました。「あの時諦めなくて良かった!」と、あの当時、さかのぼっての免除申請を教えてくれた職員には感謝しかありません。

このように、「このままだと年金が受け取れない」と思っても、諦めることなく、できるだけ早めに年金事務所へ相談に行くことが大切です。早めに行けば行くほど、採れる対策も多くなり、受けられる可能性が高まったり、受け取れる額が高くなったりするでしょう。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

井内 義典/ファイナンシャルプランナー

よこはまライフプランニング代表取締役、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、特定社会保険労務士、日本年金学会会員。専門分野は公的年金で、3000件を超える年金相談業務を経験。さらに、年金事務担当者・FP向けの教育研修、ウェブメディアや専門誌への記事執筆も行っている。横浜市を中心に首都圏で活動中。

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