「オルカン」「S&P500」「米国成長株」の3トップに食い込むファンドがついに登場! 6月のTOP20
Finasee / 2024年7月12日 7時0分
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Finasee(フィナシー)
三菱アセット・ブレインズがまとめる2024年6月の公募投信(ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信除く)の資金流入額ランキングのトップ3は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(流入額:1962億円)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(同:1682億円)、「アライアンスB・米国成長株投信 D」(同:1299億円)で、前月と同じだった。
この3銘柄にのみ月間で1000億円を超える資金流入が続いている。また、第4位に「HSBCインド・インフラ株式オープン」がランクアップした他、前月の20位から8位にジャンプアップした「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」、28位から20位になった「新光ピュア・インド株式ファンド」など、インド株ファンドがランキングを大きく上げた。
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そして、「野村世界業種別投資(世界半導体株投資)」も前月の14位から5位へと順位を大きく上げ、「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」や「次世代米国代表株ファンド」もランキング圏外からジャンプアップしてトップ20に入った。一方、「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」が前月の5位から6位、「フィデリティ・世界割安成長株投信 B(為替ヘッジなし)」が7位から9位、「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2024-04」が9位から11位など、順位を落とした。
◆「オルカン」「S&P500」をリターンで上回る「インド・インフラ株」インド株ファンドへの注目度の高まりは、その圧倒的なパフォーマンスの高さが根拠になっている。資金流入ランキング4位でインド株ファンドの代表格になっている「HSBCインド・インフラ株式オープン」は、6月末時点の過去1年のトータルリターンが76.0%になっている。これは、「eMAXI Slim全世界株式(オール・カントリー)」の同34.4%や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の同40.3%を大幅に上回っている。
今回、流入額ランキングで順位を上げた「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」は同44.6%、「新光ピュア・インド株式ファンド」は同39.9%であり、S&P500を大きく引き離すような成績ではなかったが、「HSBCインド・インフラ株式オープン」の高パフォーマンスが今後に期待をつながせているのだろう。
◆「世界半導体株投信」は1年で103%リターンと他を圧倒このようなパフォーマンスが起点となって人気化しているのは、個別のファンドでも同じだ。「野村世界業種別投資(世界半導体株投資)」は過去1年間のトータルリターンが103.1%とずば抜けて高い。「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式) 」は5月16日に設定されたばかりのファンドだが、6月末時点で過去1カ月のトータルリターンが12.0%と、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の同7.7%を上回っていることなどが、今後への期待になっているのだろう。また、「次世代米国代表株ファンド」は、過去1年間のパフォーマンスこそ36.5%とS&P500を下回っているものの、30銘柄に厳選して投資する姿勢等が先行きの期待につながっているものと考えられる。
一方、ランキングで順位を落としているファンドでは、「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」の過去1年間のトータルリターンが31.3%、「フィデリティ・世界割安成長株投信 B(為替ヘッジなし)」が同28.1%など、S&P500や全世界株式(オール・カントリー)のパフォーマンスを下回る成績になっている。依然として、資金流入ランキングでトップ20に残っているようなファンドは、過去のパフォーマンスを評価されているため、1カ月程度の結果によって信頼が大きく崩れることはないだろうが、やはり、足元のパフォーマンスが優れないと資金流入の勢いが鈍ると考えられる。
このようなパフォーマンスによってファンドが選ばれるという要素が強くなると、国内株ファンドは評価が劣後してしまうことになる。国内株式はTOPIX(東証株価指数)で過去1年間では22.8%、日経平均株価が19.3%と年間で30%にも届かないという結果であるためだ。今回のトップ20には、国内株式をメインの投資対象として運用するファンドは1本も入ってこなかった。7月になって、TOPIXが34年半ぶりに1989年12月の高値を抜いて史上最高値を更新するなど、国内株式が復調してきている。来月のランキングで国内株ファンドがトップ20に戻ってくるのか注目されるところだ。
◆6月新設でインデックスファンドに新シリーズ 「成長」「高配当」意識なお、6月に新規設定されたファンドは13本で、設定額は合計約270億円だった。前月と比較して設定本数(前月は16本)、設定額(同約560億円)ともに減少し、直近1年間で最も低い水準になった。新規設定額で最も大きかったのは「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」(三井住友DS)(設定額:約120億円)だった。次いで、「いちよし・グローバル好配当戦略ファンド(年6回)」(東京海上)(約60億円)となった。また、新たなインデックスファンドシリーズとして「アムンディ・インデックスシリーズ」(アムンディ)がスタートした。ノーロードで低コストのインデックスファンドながら、「オールカントリー・大型成長株」「オールカントリー・高配当株」など、従来の時価総額加重平均方式のインデックスに「成長株」や「高配当」などの付加価値をつけている点がユニークだ。
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執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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