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「繰下げ受給はできません」年金増額で “安心老後”を夢見たおひとりさま男性が直面した「衝撃の事実」

Finasee / 2024年7月23日 17時0分

「繰下げ受給はできません」年金増額で “安心老後”を夢見たおひとりさま男性が直面した「衝撃の事実」

Finasee(フィナシー)

年金の受け取り方について気になるところですが、65歳以降も働く人も増えています。今回ご紹介する男性は、65歳以降も働く予定のため年金を繰下げ予定だったところ、65歳で年金事務所に相談に行って初めて「繰下げできない」という衝撃の事実が発覚しました。

専業主婦の妻を亡くしたおひとりさま男性

晃彦さん(仮名・64歳)は大学卒業以来ずっと会社員を続けていました。病気もせず元気に過ごし、少し給与は下がりましたが、60歳の定年後も勤務を続けています。そんな晃彦さんの妻・亜矢さん(当時56歳)は6年前に病気で亡くなりました。亜矢さん結婚前までは会社に勤め、結婚してから亡くなるまではずっと専業主婦でした。

晃彦さんは自身の老後について、「もうあれから6年たつのか、早いもんだな。夫婦で老後を楽しむつもりだったけど、1人で老後を迎えることになるな」「自分は健康だし、仕事も70歳まで続ける予定。年金はまだ受け取るつもりないし仕事を辞めてから繰下げ受給したいな」と考えていました。

毎年届く「ねんきん定期便」に年金を繰下げした場合の年金額が記載されていて、「繰下げでこんなに増えるのか。これだけ増えるのなら長生きしても安心だな」と思うようになりました。64歳が近づく頃に老齢年金についての「年金請求書」が届いていましたが、働いているため、何も手続きはしていません。

ただ、さすがに年金のことをもう少し知っておきたいと考えるようになりました。「そろそろ65歳になるけど、年金のことが気になるから聞きに行ってみるか。この際、繰下げ制度についても詳しいことを尋ねてみよう」と思い、年金事務所に行きました。

まさかの「繰下げができない」という衝撃の事実

年金事務所の窓口で、晃彦さんは担当職員に「年金について何も分かっていないので教えてください」と言います。

これに対して、職員も晃彦さんには64歳から65歳までの特別支給の老齢厚生年金(特老厚)と65歳以降の老齢基礎年金、老齢厚生年金があることを伝え、年金制度そのものについて解説を始めました。

改めて「既に届いている年金請求書は放置していたけど、64歳から65歳までの特老厚も請求できるんだな。何も知らなかったけど、年金制度はこんな仕組みなのかぁ」と思い、理解も深まりました。

続けて、晃彦さんは「妻は6年前に亡くなり年金は受け取らないままだった。自分は長生きして繰下げで受け取るつもりでいます」と職員に伝えました。

しかし、その瞬間、職員の表情が変わります。そして、「あの……、亡くなった奥さまとはずっと同居もされていて、亡くなられた当時、晃彦さんの年収は当時850万円未満でしたか?」と聞かれ、「そうですけど。当時もそんなには高収入じゃなかったなぁ」と答えます。

すると職員から「繰下げ受給はできません。65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金は65歳から受給を開始してください」と告げられました。

この突然の話に晃彦さんは驚き、「長生きに備えて繰下げしたかったのに何で?」と疑問が湧いてきます。健康に自信があり、亜矢さんの分まで長生きして、年金も繰下げで増額されるつもりで考えていたのに……。

なぜこんなことが起きてしまったのでしょうか。

●繰下げによる年金増額がかなわなかった理由とは? 後編【「長生きに備えたかったのに…」64歳男性が年金の繰下げを断られてしまった「1つの原因」】で詳説します。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

井内 義典/ファイナンシャルプランナー

よこはまライフプランニング代表取締役、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、特定社会保険労務士、日本年金学会会員。専門分野は公的年金で、3000件を超える年金相談業務を経験。さらに、年金事務担当者・FP向けの教育研修、ウェブメディアや専門誌への記事執筆も行っている。横浜市を中心に首都圏で活動中。

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