直近5年で100%増! NISAでインド株なら「投資信託」一択! 株価の見通しやおすすめ銘柄は?
Finasee / 2024年7月16日 19時0分
Finasee(フィナシー)
14億の人口を抱え現役世代が多いことから高い経済成長が期待
2023年の名目GDP(IMF統計)はアメリカ(約27兆ドル)、中国(約17兆ドル)、ドイツ(約4.4兆ドル)、日本(約4.2兆ドル)、インド(約3.5兆ドル)の順ですが、IMFは2027年にはドイツを抜いて世界3位の経済大国になると予測しています。なお、2023年度のインドのGDP成長率は前年度を1.2ポイント上回る実質8.2%増を記録し、2024年1~3月の実質GDPの伸び率も前年同期比7.8%プラスを記録しました。
こういった力強い経済成長を背景に注目されているのが、インド株への投資です。それを示すかのように、インドの代表的な株価指数「SENSEX株価指数」は過去5年間で2倍近く上昇し、2024年7月初旬時点で8万ポイントに迫ろうとしています。
【インド株投資のメリット】経済成長に伴う株価上昇や分散効果経済発展に伴い企業への投資需要も高まることから、インド株の株価上昇が期待できます。市場全体が拡大し時価総額が増していくと、世界の年金基金をはじめとする機関投資家もインド株を有望な投資先とみなし、さらなる資金の流入が考えられます。また、投資の基本はリスクヘッジのための分散投資ですが、アメリカや欧州などに加えインドも加えることで、分散効果がさらに高まります。
【インド株のリスク】突発的な出来事で株価急落の可能性も…インドは新興国の1つに数えられ、今は順調に経済を拡大していますが、今後もそうとは限りません。政治や経済情勢が不安定になったり、周辺国との関係が悪化する可能性はゼロでなく、株式市場にネガティブに影響する可能性があります。
例えば、これまでインド経済をけん引してきたナレンドラ・モディ首相ですが、2024年6月4日に開票が行われたインド下院総選挙では事前の予想に反することに。首相率いる与党・インド人民党は大きく議席数を減らし、単独過半数割れになりました。同政党を主軸とする与党連合の勝利に終わりモディ政権は3期目に入りましたが連立政権となったことから、これまでのようなリーダーシップが発揮できなくなる恐れがあります。
また、インドは伝統的なバランス外交を維持していますが、中国とは国境付近で紛争も起きています。地政学リスクは低いとはいえず、大きなトラブルが勃発すると自国経済や株式市場に大打撃を与えかねません。こういったリスクがあることから、インド株への集中投資は避けるべき。あくまでも分散投資先の1つだと捉えましょう。
【インド株に投資するには?】投資信託やETF、ADR(米国預託証券)を活用する日本からインドの個別株式を直接買うことはできません。次の方法を通じてなら可能です。
方法①:インド株を投資対象とする投資信託・ETFに投資する
インドの株価指数SENSEXに連動する運用成果を目指すインデックスファンドや、中小型株やインフラ関連など特定の銘柄を集めて運用するアクティブファンドなど、インド株を投資対象とする投資信託・ETF(上場投資信託)はたくさんあります。
「eMAXIインド株インデックス」「iFreeNEXTインド株インデックス」「HSBCインド・インフラ株式オープン」など幅広い選択肢があり、投資先に困ることはないでしょう。ただし、アメリカなど先進国が対象の投資信託に比べるとインド株投信は信託報酬の水準が高いこともあり、必ず事前にチェックすることがポイントです。
株式と同じように取引したいなら、ETFが候補に挙がります。インドのナショナル証券取引所の代表的な株価指数「Nifty50指数」に連動する運用成績を目指す「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty50連動型上場投信」「iシェアーズ Nifty50インド株ETF」などに投資することが可能です。海外ETFでは「ウィズダムツリーインド株収益ファンド」などもあります。
方法②:ADR(米国預託証券)を活用する
「ADR」は「American Depositary Receipt」の略で、日本語では「米国預託証券」と呼びます。ADRは米国市場で売買することができる外国企業の証券のことを指し、一部のインド株はADRを通じて取引ができます。
ADRで取引できるインド株の代表例
・インフォシス(ソフトウェア開発の世界的企業)
・HDFC銀行(金融サービス複合企業)
・ウィプロ(IT大手)
・ドクターレディーズ・ラボラトリーズ(製薬メーカー)
新NISAでインド株に投資することは可能です。基本的には投資信託を使うことになり、そのほとんどが成長投資枠向けになっています。つみたて投資枠で購入できる投資信託はほぼありません。インド株が対象のADRや国内・海外ETFも、成長投資枠を通じて取引することになります。新NISAは利益が非課税扱いになるので、インド株に投資したい人は新NISAの活用を検討しましょう。
ただし、新NISAには年間360万円(成長投資枠240万円、積立投資枠120万円)の年間投資上限が設けられており、頻繁に売買するとあっという間に限度額に達してしまいます。短期売買ではなく中長期で保有することを前提に投資することをおすすめします。
大正谷 成晴/編集者/ライター
2001年5月よりフリーライターとして活動を開始。資産運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)
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