NISAで「投資信託」を購入すると、どこの、どんなものに投資することになるのでしょうか?
Finasee / 2024年7月17日 18時0分
![NISAで「投資信託」を購入すると、どこの、どんなものに投資することになるのでしょうか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/finasee/finasee_13865_0-small.jpg)
Finasee(フィナシー)
ニュースなどでは「NISAでは投資信託を非課税で運用できる」とよく解説されます。この「投資信託」は、投資家から集めたお金を運用の専門家がさまざまな「地域」の株式や債券といった「資産」に投資する金融商品です。
つまり投資信託の特性(投資対象)は銘柄ごとに大きく異なるわけですから、「結局、投資信託ってなにに投資できるの?」と疑問に思う人は多いでしょう。
そこで今回は、NISAで購入できる投資信託はどこの、どのような資産に投資できるのか、簡単に紹介します。
投資信託の主な投資対象「資産」は5種類 NISAは全てに対応まずは、NISA対象のファンド(投資信託)で投資できる「資産」を確認しましょう。
金融庁に認定されている自主規制機関である投資信託協会は、投資信託を主な投資対象資産で5つに分類しています。「株式」「債券」「不動産投信(リート)」と、これら3つに区分されない「その他資産」、そしてこれら4つの資産に複合的に投資する「複合資産(バランス型)」です(参考:投資信託協会 運用対象での分類)。
そしてNISAでは、その全てのカテゴリに投資できます。
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります(2つの枠は併用可能)。つみたて投資枠の対象の投資信託には「株式」と「複合資産(バランス型)」しかありません。しかし成長投資枠なら上記5分類の全てに投資できます。
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/7/3/800m/img_736103b76f16c6f6247eccfbfad5d7a513315.png)
ちなみに「その他資産」の投資対象は、金や原油などのコモディティ(※)、株式と債券の両方の特性を持つハイブリッド証券や転換社債などが代表的です。
※コモディティ:商品の意。原油やガソリンなどのエネルギー資産、金やプラチナといった金属、大豆やトウモロコシといった穀物など。
■例:「その他資産」に類するNISA対象ファンドの投資対象資産※
・「三菱UFJ純金ファンド」:金
・「DIAMコモディティパッシブ・ファンド」:コモディティ全般
・「パインブリッジ・キャピタル証券ファンド(為替ヘッジなし)」:ハイブリッド証券
・「JPMワールド・CB・オープン」:転換社債
・「ドルマネーファンド」:短期金融資産
※いずれも成長投資枠対象の投資信託
出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリー
投資信託は1本でさまざまな国・地域に投資できる! 1つの国や地域に集中投資する銘柄も次に、NISA対象ファンドで投資できる「地域」をおさえましょう。
NISAでは複数の国や地域に投資するインデックスファンドが人気なようです。例えば、純資産総額が3兆円を突破した“オルカン”こと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は米国を中心に全世界の株式に分散投資するインデックスファンドです。これらは投資する地域で先進国型や新興国型、全世界型などに分けられます(オルカンは全世界型)。
インデックスファンドはさまざまな「指数」に連動することを目指す投資信託ですが、主な株価指数を例に具体的な投資地域を見ると、先進国型や全世界型はアメリカの比重が大きく、次いで日本や欧州の国の割合が高い傾向にあります。一方で、新興国型は東アジアの国や地域が多くを占めているようです。
■主要な株価指数※の投資上位5地域(2024年6月末時点)
・先進国(MSCI World Index):米国、日本、英国、カナダ、フランス
・日本を除く先進国(MSCI Kokusai Index):米国、英国、カナダ、フランス、スイス
・新興国(MSCI Emerging Markets Index):中国、台湾、インド、韓国、ブラジル
・全世界(MSCI ACWI Index):米国、日本、英国、カナダ、中国
※()内は参照した指数の名称。出所:MSCI fact sheet
またNISAでは1つの国や地域に投資するファンドも選べます。
■例:主に1つの国・地域に投資するNISA対象ファンド(株式型)
・「ニッセイ日経225インデックスファンド」:日本
・「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」:米国
・「iTrustインド株式」:インド
・「東京海上・ベトナム株式ファンド(年1回決算型)」:ベトナム
・「深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型)」:中国
・「HSBCブラジルオープン」:ブラジル
・「スイス・グローバル・リーダー・ファンド」:スイス
※ニッセイ日経225インデックスファンド、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)、iTrustインド株式はつみたて投資枠と成長投資枠の対象。その他はいずれも成長投資枠のみ対象。
出所:投資信託協会 投信総合検索ライブラリー
NISAでも投資する資産や地域は自由に選べる 「目論見書」を要チェックNISAで買える投資信託は限られています。しかし選択肢が少ないわけではありません。つみたて投資枠なら285本、成長投資枠も含めると1931本から選べます(2024年7月5日時点。ETF除く)。
つまりNISAでもさまざまな投資信託を購入することができ、その投資信託を通じて世界中の国や地域の多様な資産に投資できる、ということです。
投資信託の投資対象は目論見書(もくろみしょ)に記載があります。購入前に目を通し、投資したい資産が組み入れられている銘柄かどうか、確認すると良いでしょう。
若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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