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個人投資家にも広がるオルタナティブデータ 銘柄選択や業績分析に活用進む

Finasee / 2024年7月22日 7時0分

個人投資家にも広がるオルタナティブデータ 銘柄選択や業績分析に活用進む

Finasee(フィナシー)

 

hands代表取締役 塩谷 航平氏 

――御社のビジネスモデルをお聞かせください。

当社はオルタナティブデータのプロバイダーです。購買データ連係サービスなどを展開する東芝データやTV番組・CMデータ調査会社のエムデータといったデータホルダー6社から素材となる元データを仕入れ、自社で株式運用等に役立つ指標として加工し、Webサービス「PERAGARU」を通じて機関投資家や個人投資家に販売しています。

――扱っているオルタナティブデータにはどのような種類がありますか。

①ウェブスクレイピング(ウェブサイトから情報を自動的に抽出する技術)による各種データ、②TV番組やCMの情報、③拠点滞在時間(位置情報)、④レシート販売金額、⑤トレーディングカード販売量、⑥従業員数、⑦賃金データと大きく分けて7種類のデータを扱っています。

例えば①は、宿泊施設の予約状況や店舗やECサイトの販売状況といった投資判断に役立つと思われる情報をウェブスクレイピングで収集しています。また②はTV番組やCMの放映回数や放映秒数などをもとに、上場企業の広告宣伝費用の予測データを導き出すことで、投資判断に寄与しています。

直近では位置情報のデータホルダーと連携を始め、③拠点滞在時間に基づくオルタナティブデータの提供が実現しました。月間450億件にのぼる人流位置情報をもとに、小売店やホテル、工場の稼働率を把握・分析し、投資指標としています。

――オルタナティブデータを投資判断に生かした事例を教えてください。

レシートから集めた販売データに基づいた株価・業績予測はその一例です。最近、食品などあらゆる商品の値上げが相次いでいますが、商品の値上げ後に販売数量が落ちていなければ、その企業の粗利率が改善していると想定でき、株価にとってプラス要因になると考えられます。

また企業の求人数のデータを企業の銘柄・業績分析に役立てることも可能です。ある医師向け求人サービス企業の業績見通しを見てみると、今期は減収が予想されており、あまり魅力的な銘柄ではないように感じられます。しかし医師のバイト求人数の推移を示したオルタナティブデータに着目すると、コロナ禍における医療従事者ニーズの高まりで近年売り上げが爆発的に上がっていただけであり、直近の業績も減収見込みとはいえ決して悪くないことが分かります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後編では、オルタナティブデータ市場の現状や、個人投資家との相性について取り上げる。

オルイン編集部

「オルイン」は、株式・債券といった伝統資産はもちろん、ヘッジファンドやプライベートエクイティ、不動産といったオルタナティブもカバーする、国内随一の機関投資家向け「運用情報誌」。2006年の創刊以来、日本の年金基金や金融法人、公益法人といった機関投資家の運用プロフェッショナルに対し、その時々のタイムリーな話題を客観的かつ独自の視点でわかりやすくお伝えしています。

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