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オルタナティブデータが個人投資家の銘柄分析に「相性抜群」と言えるワケ

Finasee / 2024年7月24日 7時0分

オルタナティブデータが個人投資家の銘柄分析に「相性抜群」と言えるワケ

Finasee(フィナシー)

 hands代表取締役 塩谷 航平氏 

――ユーザーに対してどのようにオルタナティブデータを提供しているのですか。

個人・機関投資家どちらに対しても、「PERAGARU」というWebサービスを通じてデータ提供しています。銘柄ごとに各種データを表示する「個別銘柄カテゴリープラン」や、全銘柄の従業員数データを閲覧できる「従業員数パッケージプラン」、全銘柄のデータ閲覧権限を提供する「エンタープライズプラン」などを用意しており、ユーザーのニーズに応じて選べるようになっています。

データ提供可能な銘柄数は現時点で約350銘柄です。またユーザーからの要望に応じてカバレッジを拡大中で、毎月5~6銘柄ずつ増やしています。

――サービスの手ごたえをお聞かせください。

日本のオルタナティブデータ市場のパイオニアとして、一定の知名度が得られたと感じています。機関投資家に関しては、海外を中心に口コミベースで取引先が増加中です。また個人投資家についても、新NISAを契機として個別株やアクティブ運用に関心が高まる中、当社への問い合わせが増えました。

――今後の課題はありますか。

国内市場の開拓はオルタナティブデータ業界全体の課題でしょう。

そもそも国内では機関投資家の間でも十分に使われているとは言えません。オルタナティブデータはまだまだ「新しいもの」と認識されており、運用への導入に抵抗感があるのでしょう。こうした印象を拭い去るためには、経済指標や財務指標といった「伝統的データ」にオルタナティブデータを寄せていく工夫が必要だと考えています。

また個人への普及も欠かせないテーマです。新NISAなどをきっかけに当社への問い合わせが増えているとは言っても、情報感度の高い個人投資家がほとんどです。より多くの人に知ってもらえるようなアイデアが必要でしょう。

――先述の課題解決に向けた、足元での御社の取り組みを教えてください。

オルタナティブデータをこれまで以上に使ってもらえるようなさまざまな施策を打ち出しています。5月にはPERAGARUをリニューアルし、これまで機関投資家のみに提供していた各種銘柄のオルタナティブデータを個人投資家でも閲覧できるようにしました。これによりhandsが保有する約350銘柄すべての情報に、個人投資家がアクセスできるようになりました。

また運用経験者などで構成するチームを設け、オルタナティブデータや伝統的データを用いた個別銘柄の分析リポートも公開しています。リポートを通じてオルタナティブデータを身近に感じてもらい、データの解釈や投資への活用方法などのヒントにもしていただければと考えています。

その他、各種メディアでの露出も増やしているところです。最近では動画投稿サイトYouTubeで活動する「投資インフルエンサー」とのタイアップも行いました。

――最後に、読者である個人投資家にメッセージをお願いします。

日本の個人投資家は世界的に見てもレベルが高いと言われています。個別株はもちろん、FXや仮想通貨などあらゆる投資先にアンテナを高く張っていますし、関心のある分野には特に深い知見も持ち合わせています。

オルタナティブデータは、まさに「銘柄を深く知るためのサポートツール」ですので、銘柄分析にこだわる個人投資家にとって非常に相性のいい指標になるでしょう。まずはオルタナティブデータの存在を頭の片隅に置いていただき、投資先を吟味する際に思い出してもらえれば幸いです。

オルイン編集部

「オルイン」は、株式・債券といった伝統資産はもちろん、ヘッジファンドやプライベートエクイティ、不動産といったオルタナティブもカバーする、国内随一の機関投資家向け「運用情報誌」。2006年の創刊以来、日本の年金基金や金融法人、公益法人といった機関投資家の運用プロフェッショナルに対し、その時々のタイムリーな話題を客観的かつ独自の視点でわかりやすくお伝えしています。

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