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【金利上昇で再注目】債券で運用する投資信託を使えば、NISAで債券投資ができる!【投資妙味は?】

Finasee / 2024年7月22日 19時0分

【金利上昇で再注目】債券で運用する投資信託を使えば、NISAで債券投資ができる!【投資妙味は?】<br />

Finasee(フィナシー)

債券とは、満期が決まっており定期的に利子を受け取れる有価証券

債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金調達を目的に、投資家からお金を借り入れる際に発行する有価証券の一種です。国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する社債などがあり、日本国内で円建てにより発行される国内債券、海外で外貨建てにより発行される外国債券に分類できます。

発行者からすると資金調達の一手段ですが、投資家からすると債券は投資対象の1つです。定期的に利子を受け取ることができ、満期日を迎えると償還金として投資元本が戻ってくるからです。運用中や償還時に発行体が破綻すると利子や投資元本は支払われませんが、財政基盤が盤石な発行体を選ぶことでリスクを抑えられることから、債券は根強い支持を誇る投資対象です。

【債券のメリット】預貯金より利息が高く、収益額が事前にわかる

債券の金利は発行時にあらかじめ決められており、満期日まで保有するとどれだけ収益を得られるか、事前に把握することができます。安定性の高い投資がしやすいといえるでしょう。

また、個人向け国債を例に説明すると、「固定金利型3年満期」は0.38%、「固定金利型5年満期」は0.61%、「変動金利型10年満期」は0.72%(すべて税引前、2024年7月中旬時点)と債券の金利は預貯金より高く、受け取る利息も多くなります。あらかじめ金利が定められている点では預貯金と同じでも、リターンは大きく変わるのです。

管理が容易なのもメリットです。株式は日々の価格変動をチェックしないといけませんが、債券は満期日まで保有するだけ。発行体が破綻しない限り、定められた利息と額面金額を受け取れます。

なお、満期日を迎えるまでに、その時の市場価格で売買することも可能です。金融情勢や需給により債券価格は上昇・下落するので、売却益を得られるケースもあります。

【債券のデメリット】信用リスクや価格変動リスクが伴う

債券の発行体が破綻(破産)するなど債務不履行状態に陥ると、利子や元本の支払いが遅れたり、不能になったりすることがあります。企業のみならず国や地方公共団体も破綻する恐れがあり、こういった「信用リスク」はもっとも注意すべき点です。戦争や災害、国や地域の政治・経済・社会情勢が債券価格や発行体の信用リスクに大きな影響も与えます。このような地政学リスクにも目を配らないといけません。

また、債券を途中換金する場合は、その時の市場価格が適用されます。購入時より債券価格が下落していると売却損となります。加えて、流動性や市場性に乏しい債券は売却自体が困難となり、不利な価格で売却せざるを得ない可能性があります。

国内債券と同じように、海外債券も発行体が債務不履行にならない限り、満期日まで持ち続けると設定されたリターンを受け取ることができます。ただし、外貨建て債券には為替変動リスクがあり、利子や売却代金、償還金を受け取る時点のレートにより、円換算した時の金額も変動し、損失が生じることがあります。

こういったメリットやデメリットを踏まえ、債券を選ぶときは発行体の経営・財務状況の健全性をチェックすることが必要です。発行体は元利金の支払い能力を第三者機関により格付けされており、判断の目安になります。債券の利回りは発行体のリスクと比例関係にあり、リターンのみに目を奪われると危険だということです。為替変動リスクが生じるため、円建てなのか外貨建てなのかは必ず事前にチェックしましょう。

【新NISAで債券投資をするには?】債券で運用する投資信託を購入

通常、国債は証券会社や銀行といった金融機関や郵便局、社債や外国債券は証券会社を通じて購入します。この点は投資信託とあまり変わりませんが、新NISAでは債券(個人向け国債を含む)に直接投資することはできません。新NISAの「成長投資枠」の対象は上場株式と投資信託等、「つみたて投資枠」の対象は「長期・分散・積立」に適するとされた一部の投資信託に限られるからです。債券はこれらに含まれていません。

しかしながら、債券で運用する投資信託を購入すれば、新NISAで間接的に債券に投資をすることはできます。例えば次のような投資信託があります。

【国内債券型】投資信託の例(新NISA成長投資枠)

・日本物価連動国債ファンド(日本の物価連動型国債に投資する商品)
・ダイワ日本国債ファンド(日本の国債に投資する商品)
・損保ジャパン日本債券ファンド(日本の公社債に投資する商品)

【外国債券型】投資信託の例(新NISA成長投資枠)
・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス(日本を除く世界主要国の公社債に投資する商品)
・フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし)(米ドル建て高利回り事業債を主要投資対象とする商品)
・iFree 新興国債券インデックス(新興国通貨建ての債券に投資する商品)

なお、ここで挙げた商品はすべて成長投資枠で購入できる投資信託です。つみたて投資枠では債券のみに投資する投資信託は対象外ですが、「株式+債券」など複数の資産に投資する投資信託ならあります。よって、新NISAで債券に投資する投資信託で運用したい場合、現時点では主に成長投資枠を使うことになるでしょう。ただし、新NISAではすべての投資信託が購入できるわけではなく対象商品が決まっています。気になる商品があったとしても必ず新NISAで投資できるとは限りません。

通常の債券は株式に比べると取引量が少なく、販売期間も定められていることがほとんど。対して債券で運用する投資信託はいつでも売買ができます。また、投資信託なら複数の債券に分散投資をしているので、1つの商品を持つことでリスクヘッジにもなります。

新NISAで投資すれば利益に税金がかからない

何より、新NISAで投資すると利益が非課税扱いになるのは、見逃せない点です。株式よりリスクを抑えた債券で資産を運用したいと考えるなら、まずは新NISAで取引できる、債券に投資する投資信託を探すことから始めましょう。対象外の投資信託や債券に直接投資したいなら課税口座で取引するといった流れで進めるのがよさそうです。

大正谷 成晴/編集者/ライター

2001年5月よりフリーライターとして活動を開始。資産運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

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