「2024年度DCエクセレントカンパニー」表彰~優れた企業型確定拠出年金を運営する9社の取り組みとは
Finasee / 2024年7月24日 19時0分
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Finasee(フィナシー)
栄えある「2024年度DCエクセレントカンパニー」9社が決定
DCエクセレントカンパニーとは、企業型DCの制度運営において熱心に取り組んでいる事業主を表彰する制度で2010年から開始されている。社内外に広くその取り組みの良さを発信する役割を担う、注目の表彰制度だ。後援は厚生労働省。
2024年度の選考は、自薦・他薦を問わず応募のあったエントリー企業から加入者目線の制度運営を実践、効果・実績が秀でている企業を9社を選出した。
表彰式の会場では多くの来場者が見守る中、「2024年度DCエクセレントカンパニー」を受賞した各社の担当者に、厚生労働省年金局企業年金・個人年金課の海老敬子課長から記念の盾が授与された。
![](https://finasee.ismcdn.jp/mwimgs/5/b/800m/img_5bf8b0b0f1a8cc4324c3cd16aecfc76e123436.png)
DCエクセレントカンパニーは継続教育部門とガバナンス部門の2部門で表彰。2024年度の継続教育部門は従業員への投資継続教育に成果を挙げた企業5社(うち1社は特別賞)、ガバナンス部門はDC制度運営に優れた企業4社にそれぞれ授与された。
継続教育部門の受賞企業は伊藤園、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、日本メドトロニック、富士フイルム、登利平(特別賞)、ガバナンス部門の受賞企業はアズビル、伊藤忠商事、沖電気工業、オムロン。
DCエクセレントカンパニー継続教育部門受賞5社の取り組み各社の受賞理由と取組内容を紹介する。
伊藤園(本社/東京都、業種/食料品)「全員が自身のDCを運用できる環境づくり」に向け、加入者専用サイトへのアクセス率向上を図る。パスワード関連の課題をメール登録で解消。加入者同士で資産配分について対話するWEBセミナーなど関心と理解を深めた。結果、加入者サイトアクセス率とマッチング拠出利用率が倍増した。
コカ・コーラ ボトラーズジャパン(本社/東京都、業種/食料品)ファイナンシャル・ウェルビーイングの実践・実感という観点から、DCにとどまらない幅広い情報をセミナー、メール、郵送物、社内SNSなどで提供、社員の興味関心を喚起。全社員の業務用端末内のDC管理アプリでDC残高確認や運用指図しやすい環境を整備。元本確保型商品のみの選択者が減少し、加入者サイトへのアクセス率も増加した。
日本メドトロニック(本社/東京都、業種/医療機器)グローバルグループ全体で従業員の退職後の経済安定の促進を重視。DC導入以降毎年、セミナーや個別相談を継続実施。勤務形態により教育手段が限られる中、工夫して受講率等を向上させている。これにより社員本人が積み増しするメリットが浸透、マッチング拠出とiDeCo同時加入を合わせた利用率が向上。
富士フイルム(本社/東京都、業種/化学)課題である加入者の運用状況の二極化に対処、商品見直しと継続教育の履修率向上を図る。経営がコミットし、グループ各社の教育体制を整備、2021年以降のDC加入者全員履修のe-ラーニングを実現。加入者のDCへの理解・関心が高まり、加入者のWEBアクセス率向上、元本確保型商品のみの運用者が減少。
登利平(本社/群馬県、業種/食料品小売業)情報や知識不足で従業員がDC制度を活用できないことがないよう管理職向け情報ツールなどでDC制度・加入者の運用状況等を周知、管理職を通じて従業員に情報が届くよう工夫。取り組みの結果、加入者サイトアクセス率が過去4年で倍増した。
アズビル(本社/東京都、業種/化学)副社長を筆頭にグループ企業型年金制度運営委員会を設置。DC導入グループ各社の人事・財務・組合の責任者がDC制度運営について確認。委員会議事録を人事部HPで公開、経営会議を通じ上層部、労働組合を通じ組合員に報告、情報を共有。幅広く情報収集し、商品をラインナップ。加入者に最適か否かを厳密にモニタリングしている。
伊藤忠商事(本社/東京都、業種/商社)DC制度運営について担当役員含む人事部門で四半期ごとにDC制度モニタリング会議を実施。加入者の運用環境整備にフォーカスし、行動経済学の知見に基づき商品ラインナップの選考基準を策定、見直し。同一カテゴリー内の重複商品の減少等、 商品特性が分かりやすくなり教育効果も相まって元本確保商品の選択割合が減少、加入者の利回りも上昇。
沖電気工業 (本社/東京都、業種/電気機器)グループでDC制度運営モニタリングを実行できる体制整備として、DB(確定給付企業年金)の資産運用委員会にDCパートを追加設置。商品ラインナップのポリシーと具体的な商品評価基準を策定し、評価、報告、見直しを実施。運営管理機関の評価・対話も毎年実行している。
オムロン(本社/京都府、業種/電気機器)最高人事責任者(CHRO)をトップとする経営と労働組合の責任者にDC制度運営上の重点項目について年2回報告を行う体制を整備。同規約参加のグループ企業統括人事部長とグループ労組連合会の執行部が参加するDC労使専門委員会を年2回開催、報告と改善議論を実施。 運営管理機関の業務評価も毎年実施、パートナーとして目的・目標を共有、対話。
DCエクセレントカンパニーとは、企業型DC導入企業の従業員である加入者本位の健全な制度の発展に寄与することを目的に、優れた事業主を毎年表彰している。DCエクセレントカンパニー表彰制度は厚生労働省の後援を受けており、受賞企業はすなわち「社員目線の制度運営をしている」、ひいては「人への投資」を熱心に行っている企業だということが証明される。これからの人材採用、育成に1つのアドバンテージとなる表彰制度といえよう。
来年のDCエクセレントカンパニーは2025年1月末から募集予定だ。
<第13回日本DCフォーラム概要>
日時:2024年7月19日
主催:特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会
後援:厚生労働省、企業年金連合会、株式会社東京証券取引所(株式会社日本取引所グループ)、一般社団法人 投資信託協会
協賛:ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社、ラッセル・インベストメント株式会社、キャピタル・インターナショナル株式会社、三菱UFJアセットマネジメント株式会社、一般社団法人 不動産証券化協会、ブラックロック・ジャパン株式会社
<2024年度DCエクセレントカンパニー受賞企業>
継続教育部門:伊藤園、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、日本メドトロニック、富士フイルム、登利平(特別賞)
ガバナンス部門:アズビル、伊藤忠商事、沖電気工業、オムロン
Finasee編集部
「インベストメント・チェーンの高度化を促し、Financial Well-Beingの実現に貢献」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAやiDeCo、企業型DCといった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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