「なんで私が悪者なの?」他責志向でお金にだらしない妹…大迷惑を被った姉が突き付けた「1枚の紙」
Finasee / 2024年8月9日 11時0分
Finasee(フィナシー)
「家族間でも契約書は作った方がいい」。法学部出身であるなどして法律を学び、かつ、金銭の貸し借りについて現実的に考えている人ほどこう考えるだろう。だが、そこからさらに一歩進んで考え、契約書を公正証書にしておくべきだと考えている人はそう多くない。
実際に読者諸兄の中にも、公正証書にまでする必要があるのか? と疑問に思う方も多いだろう。しかし、その考えに一石を筆者は投じたい。そこで、家族間のお金の貸し借りについて宮内姉妹の話をしよう。
性格が正反対の姉妹、芳香さんと紗矢さん今回の主人公は宮内姉妹のうちの姉・芳香さんだ。
芳香さんは学生時代からまじめで文武両道。大学を卒業後は大手企業で働き、残業も休日出勤もいとわない仕事人間だった。まじめな性格も健在で、実家にある程度のお金を入れつつも毎月何万円も貯金をしていた。年2回のボーナスも家族サービスに使いながら、その大部分を貯金に回しているほどだった。
それに対して妹の紗矢さんは自由奔放。学生時代は学校を休みがちで学業も不振。高校をなんとか卒業するものの定職に就くことができずフリーターの道へ。
とはいえ本人もフリーターは不本意であったようで情報商材やネットワークビジネスなどさまざまなことに手を出すがことごとく失敗。気づけば消費者金融に始まり親せきに至るまで方々からお金を借り、借金の総額は200万円に到達していた。
「私だって好きでこうなってるわけじゃない!」
「なんで私が悪者なの?」
彼女の口癖はどうも他責志向なものが多かった。
しかし、そんな紗矢さんも20代後半に至り人生について真剣に考えだした。ある日「人生はいつでもやり直せる」と父親から説得を受けて一大決心。「将来を明るくしたいから」と家族の前で真剣に話をし、大学進学への希望を打ち明けた。
見かねた芳香さんが140万円を支援とはいえ、20代後半から勉強を開始して200万円の借金を返しながらの大学進学というのはそう簡単なことではない。
さらに、彼女の希望する大学は姉である芳香さんと同じ難関私立大学だ。年齢を考えて2年以内に進学というのが彼女の目標だが中学レベルの基礎さえ怪しい彼女にとってはとても高い壁である。
それを見かねた芳香さん。実は芳香さんは持病の治療中でそこまで金銭的余裕があったわけではなかったが、紗矢さんが勉強に集中できるようにと、借金全額の肩代わりと受験費用の援助を申し出た。
「きちんと卒業していい会社に就職して、お金を返してね」
そう言って支援の一環として140万円のお金を妹である紗矢さんへ貸すこととなったのだ。
それから7年後あれから7年、紗矢さんは無事志望校に合格し今は卒業。就職先は準大手の有名企業に就職。姉の芳香さんほどではないがキャリアを重ね安定した収入を得るまでになった。
堅実に生活していれば多少なりとも貯金がたまっているころだろう。しかし、一向に芳香さんから借りた140万円のお金を返す気配はない。
芳香さんは「紗矢もいろいろ頑張ってたし……」と返済の遅れを大目に見てきたが、7年もたてば流石に我慢の限界が近づいていた。そしてとうとう、妹の紗矢さんに「そろそろお金を返してほしいんだけど」と話を切り出した。
そこで「はいそうですか」と首を縦に振らないのが紗矢さん。むしろ「私お金ないから返せないよ」。そう開き直って笑って見せた。
これには芳香さんも堪忍袋の緒が切れた。
「契約書があるんだし差し押さえするからね⁉」
そう言って、事前に用意していた契約書を紗矢さんに突き付けた。
●法学部出身の芳香さんはトラブルを避けるために事前に契約書を作成していました。契約書を突き付けられた紗矢さんは、すんなりお金を返したのでしょうか? 後編【いくら家族でも“してはいけない”ことがある―温厚な姉がズボラな妹との絶縁を決めた「決定的な出来事」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
※登場人物はすべて仮名です。
柘植 輝/行政書士・FP
行政書士とFPをメインに企業の経営改善など幅広く活動を行う。得意分野は相続や契約といった民亊法務関連。20歳で行政書士に合格し、若干30代の若さながら10年以上のキャリアがあり、若い感性と十分な経験からくるアドバイスは多方面から支持を集めている。
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