いつから始める?「これからNISA組」の切実な本音に見えた新NISAの始め方とは?
Finasee / 2024年8月1日 17時0分
Finasee(フィナシー)
7割の人が「まだ始めてない」、伸び代が大きい新NISA
新NISAは、条件を満たせば投資から得られた利益に税金がかからないお得な制度。ニュースでも度々取り上げられてきたため、大分世の中に普及した感じがしますが、実際の利用状況はどうなのでしょうか。
調査はNTTドコモが18歳~69歳の1万人に新旧NISAの利用状況を質問。結果は未利用者が73.8%とまだまだ拡大の余地が大きいようです。
まだ始めていない人は新NISAに全く興味がないのでしょうか。調査ではNISA未利用者に新NISAへの興味を質問。結果は「とても興味がある」、もしくは「やや興味がある」と回答した人が27.3%となり、冒頭の「これからNISA組」が一定数いることが明らかになりました。
図表1 あなたは、2024年1月から始まった新NISAに興味がありますか
出典:株式会社NTTドコモ 「新NISAの実態に関する調査」「これからNISA組」の始動は意外と二極化制度開始から半年。「これからNISA組」もそろそろ動き出すのでしょうか。調査ではNISA未利用者のうち「興味がある」「やや興味がある」と回答した人(=これからNISA組)に新NISAの希望開始時期を質問。結果は「1年以内に始めたい」と回答した人が40.5%。一方で「わからない」と回答した人も44.2%と同じくらいいました。
新NISAが始まった2024年は、日米の株価が史上最高値を一時更新するなど年初から絶好調でしたが、一方で7月下旬には急反落も。調査は6月中旬に行われましたが、その時点で先行きをどう見ていたかで、新NISAを始めたいと思う時期が二極化した可能性があります。
図表2 あなたが新NISAを始めるとしたら、いつ頃始めたいと思いますか
節約志向が新NISAのモチベーション
新NISA開始と同時に利用を始めた人にはもともと投資好きの人も少なくないですが、投資初心者が多いと思われる「これからNISA組」には別のモチベーションがありそうです。
調査では「生活費が不足するので、新NISAやポイ活などは必要なことだと思うか」とズバリ質問。結果は「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した人が81.8%と大多数。生活のため必要に迫られて新NISAを検討している実態が明らかに。
図表3 円安や物価高などで生活費が不足するので、新NISAやポイ活などは必要なことだと思うか
新NISAの魅力は「自由度」。2つの投資枠(成長投資枠、つみたて投資枠)、投資金額、投資商品などを組み合わせて、自分だけのNISAをカスタマイズできるからです。これからNISA組はどんな組合せを考えているのでしょうか。
調査では「新NISAでの資産形成は長期的にコツコツやっていくのがよいと思うか」とズバリ質問。結果は「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した人が87.1%と大多数。
投資初心者が相場を見ながら投資タイミングや購入金額をその都度、合理的に決めるのは至難の業。2つの投資枠では、投資金額だけ決めればあとは自動で毎月購入する仕組みのつみたて投資枠が主流になりそうです。
つみたて投資枠は年間120万円、毎月10万円まで投資できますが、これからNISA組は毎月いくら積み立てる予定なのでしょうか。
結果は「2万円以下」と回答した人が66.9%にのぼり、なかには「5千円未満」という人も。たしかに相場変動による心理的負担をやわらげる1つ方法はシンプルに投資金額を小さくすること。投資枠を使い切って節税効果を最大化するだけが全てではありません。最低投資金額は各社によって違いますが、なかには毎月100円からNISAを始められる金融機関もあります。
図表4 新NISAでの資産形成は長期的にコツコツやっていくのがよいと思う/あなたが新NISAつみたて投資枠で投資するとしたら、毎月どのくらいの金額を積み立てたいと思いますか
出典:株式会社NTTドコモ 「新NISAの実態に関する調査」NISA利用者は圧倒的な満足度! クレカ積立など新たな動きにも注目
逆に、NISAを始めている人は投資結果に満足しているのでしょうか。調査では1年以内に新旧NISA口座を開設した500人に満足度を質問。結果は「とても満足している」「やや満足している」と回答した人が93.0%と大多数に。
また、満足した理由では、「預貯金より資産が増えたと感じる」ことを挙げる人が58.9%と最多。昨年からの株高もあって、1年以内にNISAで投資を始めた人は十分な利益を上げられたことが背景にありそうです。
気になるところでは、積立をクレジットカードで行うことでポイント還元が得られる「クレカ積立」に満足した人が一定数いること。たしかに各社でもサービスを提供するところが増えており、最近だとNTTドコモとマネックス証券が、NTTドコモのクレジットカードで積立ができる「d カードのクレカ積立(dカード積立)」を今年7月5日から開始しました。節税×ポイ活の新しいサービスに今後も注目です。
図表5 あなたは実際にNISA口座での投資をやってみて、どの程度満足されていますか/NISAに満足されている理由
【調査概要】
調査名:新NISAの実態に関する調査
調査主体:株式会社NTTドコモ
調査方法:インターネット調査
調査時期:2024年6月21日~23日
調査対象:NISA口座を未開設だが興味がある1,000人、1年以内に新旧NISA口座を開設した500人
スクリーニング調査対象:全国の18〜69歳男女10,508人
パネル提供元:GMOリサーチ株式会社
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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