「お金がないと性格が悪くなる」波乱万丈の末、63歳お嬢様が辿り着いた“結婚の条件”
Finasee / 2024年8月20日 17時0分
Finasee(フィナシー)
<前編のあらすじ>
お嬢様育ちの鈴木美智子さん(仮名)は、63歳になり再婚を考え始めました。鈴木さんは私立音楽大学の付属校を経て、大学院までピアノを学んでいました。海外留学から帰国し、本格的にピアニストとして活動を始めようと思った矢先、25歳で両親から勧められるままに御曹司と結婚します。
これまでと同じように美智子さんは芸術活動に専念し、ほしいものは何でも買ってもらえると思ったものの、旦那さんは堅実な方で生活費は最低限度しか渡してくれません。お嬢様育ちの美智子さんには耐えられない生活でした。
そこで子どもが大きくなった頃、美智子さんはピアノの先生を始めます。ところが、海外留学までして、年収は100万円にも満たないものでした。これではとても美智子さんの望む生活は送れず、高齢になった両親が実家のブランド品を一つひとつ売って、お金を工面していました。
●前編:【「納得いかない」お嬢様が御曹司との結婚を後悔…音楽では年収100万円にもならない厳しすぎる現実】
旦那さんとの死別。結婚相談所への入会美智子さんにとっては納得のできない結婚生活が続きましたが、離婚という考えはなかったそうです。でも、次第に旦那さんが経営する会社の業績が右肩下がりになり、とうとう旦那さんが病気になってしまいました。美智子さんは懸命に看病し、最期を看取ったそうです。旦那さんの「感謝している」という言葉には、妻としての誇りも感じたと言います。
でも旦那さんは借金を残していたので、美智子さんが完済しました。住んでいた家や実家を売り、借金返済に回したそうです。そのため今は、娘さんと一緒にマンション暮らしをしています。
「もう一度あのような暮らしをしたい」旦那さんが亡くなった後しばらくして、美智子さんは結婚を考えるようになりました。63歳とはいえ、人生100年時代ですからまだ先は長いです。恵まれた子ども時代を思い出し、「もう一度あのような暮らしをしたい」と思ったからと、後になって話してくれました。
今度こそわがままを言っても許される人生を送りたい美智子さんですが、実際は簡単なことではありません。相手の男性も同じことを考えるので、お互いに譲り合うことができないのです。美智子さんも「今までの結婚生活では、贅沢を我慢してきたのだからもう嫌だ!」と言います。結婚相談所の会員になられて、私たちも美智子さんのお相手を探しますが、美智子さんは首を縦に振らない状況が続きました。
お金には妥協ができない。これが本音結婚相談所には、実にたくさんの方が登録されます。それぞれ人生観がありますが、お互いに妥協ができないのはお金の面であることが多いです。もうすぐ結婚というところまで進んでも、お金の価値観の違いで破談になることもあるくらいです。
例えば女性はある程度優雅に暮らしたいですし、温泉に行ったり旅行をしたりしたいもの。それにこれまで一心不乱に働いたり家事をしたりしてきたのですから、これからは自分磨きもしたいものでしょう。エステや美容院、ネイルサロンにも行きたいという女性は少なくありません。それにスタイルの維持も欠かせません。
その背景には、同年代の女性から羨ましいと思われたい、マウントを取りたいという欲があるように思います。もちろんそのような気持ちが自分磨きのモチベーションになりますが、それを叶えてくれる男性は、基本的にもう誰かの夫になっていることが多いです。なぜなら、そのような男性を、他の女性は放っておかないですから。
また、ある程度の年齢になってからの結婚の場合は、相続で争いが起こらないように婚前契約を結ぶことも珍しくはありません。遺産の取り分を心配する子どもたちが再婚に反対するからです。結婚自体を諦めさせるために、「再婚したら、もう会わない」と迫って、結婚を諦めさせたご家族もいました。
愛とお金は天秤にかけるものではない一方で、「お金、お金」と言うことに関しては、あまり好ましくないとの意見もあります。昔からお金の話はタブーとされてきましたが、生活するにはお金が絶対に必要です。それは認める必要があるでしょう。美智子さんも「苦労が人を作るみたいなことはないですね。お金がないと性格が悪くなります。いいことなんてないですよ!」とキッパリと言いました。
子どもの頃からお金に不自由がなく、結婚した途端に窮屈な生活を強いられたからこその言葉なのでしょう。お金の大切さ、ありがたさを感じているのだと思います。私は美智子さんの考えを否定したいとは思いません。自分の経験からの信念ですから、素晴らしい考えと思います。結婚をする以上、妥協ばかりでは辛い結果になってしまうことも少なくありませんから、美智子さんのように正直に自分の思いを伝えることも結婚相手探しにはとても大切になってくるものなのです。
結婚には愛が1番大切と言われますが、実はお金の重さも考えないといけません。愛とお金を天秤にかけるのではなく、両方を手に入れることが理想の結婚の形の1つと私は考えます。お金の話は決して恥ずかしいことではなく、自分の人生を豊かにできるかどうかのカギを握っている重要な部分ではないでしょうか。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
佐竹 悦子/株式会社インフィニ 結婚相談所インフィニ・青山結婚予備校 代表
素敵な方とのご縁をつなぐ結婚相談所インフィニ青山結婚予備校を運営し、成婚率№1・顧客満足度№1を獲得。24年以上、婚活最前線で3万人とカウンセリングを行い成婚に導く。著書に『佐竹悦子先生の「結婚力」養成講座』、メディア実績に『ノンストップ!』『The Japan Times』『週刊ダイヤモンド』などがある。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「卵子だけは取っておいてと言いたい」44歳で第1子出産の元日テレ宮崎宣子アナに聞いた“妊活事情”
週刊女性PRIME / 2025年1月13日 13時0分
-
結婚相談所マリーミー、2024年は成婚カップル数が過去最高を記録 2024年に見えた傾向とこれから結婚を望む人へのアドバイスを発表
@Press / 2025年1月7日 9時30分
-
地方女子の悲哀。「留学していたから日本人と結婚できない」38歳婚期を逃した女性への「とんでもない偏見」
Finasee / 2025年1月2日 11時0分
-
地方都市からの脱出劇。結婚できなかった30代女性が、ニューヨーク在住の高収入男性と即結婚できたワケは?
Finasee / 2025年1月2日 11時0分
-
初めての刺青は「中学時代」。離婚3回、4児のシングルマザーがたどり着いた“幸せ”の境地――仰天ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月28日 15時45分
ランキング
-
1裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
2「馬上、枕上、厠上」がキャリア形成にも重要な理由 「1人になれる時間」は本来いくらでも存在する
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分
-
3なんでまだ働いているんだろう?…ブラック企業を「辞めない人」の理由【行動経済学】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 7時15分
-
4【株価はどう動く?】「トランプバブル相場」の米国、株価の上値が重い日本
財界オンライン / 2025年1月15日 7時0分
-
5新日本海フェリー「新造船」を2025年就航へ “日本最速”の現行船を置き換え
乗りものニュース / 2025年1月15日 7時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください