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新NISAで注目の日経平均高配当利回り株ファンド。他の高配当株ファンドと何が違う?

Finasee / 2024年8月5日 19時0分

新NISAで注目の日経平均高配当利回り株ファンド。他の高配当株ファンドと何が違う?

Finasee(フィナシー)

予想配当利回りが高い30銘柄に投資するファンド 

新NISAでは成長投資枠で高配当株を保有し、配当金を非課税で受け取りたいと考える投資家も増えています。高配当株に注目が集まることで、こういった銘柄にまとめて投資できる投資信託が気になる人も多いようです。

それぞれ個別株で購入すると資金がかさみますが、投資信託なら1本で複数の銘柄に投資できる点も有望視されています。成長投資枠・つみたて投資枠の両方で利用できる「日経平均高配当利回り株ファンド」は、その1つといえます。

同ファンドは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する商品です。2018年11月9日の設定以来、着実に支持を集め、基準価額(1万口当たり)は1万9256円に達し、純資産総額は1407億円を超えました(2024年6月28日現在)。

主として国内の株式に投資する投資信託で、日経平均株価採用銘柄の中から、予想配当利回りの上位30銘柄を選定し、流動性を勘案して銘柄ごとの組入比率を決定します。直近の組入上位10業種と組入上位10銘柄は次のとおりです。

組入上位10業種
 

出所:月次レポート (2024年 06月28日現在)

■組入上位10銘柄
 

出所:月次レポート (2024年 06月28日現在)

リターン(年率)は過去3年で31.73%、1年で30.04%とパフォーマンスは好調です。6月・12月の各15日(休業日の場合は翌営業日)の年2回の決算時には分配を行い、第11期(2024年6月17日)は280円、第10期(2023年12月15日)は270円(1万口当たり、税引前)という実績でした。

販売会社は証券会社・銀行ともに多く、特に5大ネット証券(SBI証券、楽天証券、松井証券、auカブコム証券、マネックス証券)はすべてで取り扱っています※。

※2024年8月5日時点

【日経平均高配当利回り株ファンドに投資するメリット】1本で高配当株にまとめて投資できる

日経平均高配当利回り株ファンドは、1つの投資信託で高配当30銘柄に分散投資をすることができます。仮に全組入銘柄に個別に投資しようとすると相当の資金が必要ですが、日経平均高配当利回り株ファンドは投資信託ですので、比較的少ない資金で購入できることがメリットです。

毎年6月・12月の決算時に、リバランス(組入銘柄の入れ替えと組入比率の調整)も実施します。例えば、今年6月は日産自動車、小松製作所、マツダなどを新規に買い付け、アステラス製薬、JFEホールディングス、ソフトバンクは買い増ししています。

一方、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、商船三井などは全株を売却、シチズン時計を一部売却しました。運用の専門家がプロの目線でポートフォリオを最適化するので、投資家からすると手間がかからず、かつ安心といえるでしょう。

【日経平均高配当利回り株ファンドに投資するデメリット】分散効果は30銘柄まで

同ファンドは、高い配当利回りが予想される30銘柄に分散投資するのがコンセプトです。これは長所でもありますが、分散効果は30銘柄に限られます。また、組入業種・銘柄は運用会社が決めるので、投資家の希望は反映されません。投資信託全般に共通することですが、自分自身の裁量で株式投資をしたい人にとっては万能の商品ではないということです。

ほかにも新NISAで国内高配当株に投資できるファンドはあるが…

先述のとおり、日経平均高配当利回り株ファンドは新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠の両方で購入することができます。配当や売却益が非課税となるので、長期保有を検討するならNISA口座を活用するのがよさそうです。

ただし、同様のコンセプトで運用する投資信託は他にもあり、次のような商品が新NISA(成長投資枠)に対応しています。違いは、つみたて投資枠にも対応しているのは現在のところ、日経平均高配当利回り株ファンドのみという点にあります。

・ダイワ好配当日本株投信(季節点描):予想配当利回りが高いだけではなく、成長性や割安性なども考慮して銘柄を選定(成長投資枠)

・日本好配当リバランスオープン:日経500種平均株価採用銘柄を予想配当利回りの高い順にランキング、上位約70銘柄に投資(新規購入の申込受付一時停止中※)

・One高配当利回り厳選ジャパン:配当利回りに加え長期における配当の持続性・成長性にも注目し、20~40銘柄を選定(成長投資枠)

・日本株配当オープン(愛称:四季の実り):相対的に配当利回りが高い銘柄を中心に、増配期待銘柄にも投資を行う(新規購入の申込受付停止中※)

・ニュー配当利回り株オープン(愛称:配当物語):予想配当利回りが市場平均と比較して高いと判断する銘柄を中心に投資(成長投資枠)

・新光日本インカム株式ファンド(3ヵ月決算型):高配当銘柄とREITに投資(成長投資枠)

・フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型):ポートフォリオの平均予想配当利回りが市場平均以上になることを目指し運用(成長投資枠)

・SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型):SBI日本高配当株式マザーファンドへの投資を通じて日本株に投資。2023 年 12 月 設定、SBI証券のみ取扱(成長投資枠)

※2024年8月5日時点

各商品とも高配当に着目しているのは同じですが、増配期待や成長性、配当の持続性、組入銘柄数などに違いがあり、つみたて投資枠は対象外の商品もあります。

前提として、つみたて投資枠を使うなら、日経平均高配当利回り株ファンドをはじめ、「長期・積立・分散」に適した商品を選ぶことになるでしょう。もちろん、実際に投資する場合は過去のパフォーマンスや実績なども確かめたうえで、商品を絞り込むことです。

また、同じ方針で運用する複数の投資信託を保有するのは、分散投資のセオリーに反します。日経平均高配当利回り株ファンドを始めとする高配当株を狙うファンドに投資するとしても、他の運用方針のファンドも購入するなど、リスクヘッジすることをおすすめします。

大正谷 成晴/編集者/ライター

2001年5月よりフリーライターとして活動を開始。資産運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

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