多様な戦略で意欲的に事業を拡大、パーパスを核に顧客と向き合う インベスコ・アセット・マネジメント
Finasee / 2024年8月15日 15時0分
Finasee(フィナシー)
ニューヨーク証券取引所に上場、S&P500構成銘柄でもあるインベスコとはどんな会社?
インベスコは2024年3月末時点で250兆円超(1.6兆米ドル、151・345円/米ドルで換算)の資産を預かり、世界20カ国以上においてグローバル市場で培った独自の運用力を結集したさまざまな投資商品・サービスを提供しています。
米国アトランタに本社を構え、ニューヨーク証券取引所に上場しており、S&P500の指数構成銘柄でもあります。世界の各拠点で働く従業員数は8000人を超え、うち運用プロフェッショナル800人とともに顧客の投資目標達成のために日々尽力している資産運用会社です。
運用資産の国・エリア別の内訳は、北米72%、アジア14%、欧州14%と、本社がある北米ビジネスのシェアが高くなっています。顧客はリテール(一般投資家)で67%を占め、機関投資家(金融機関、年金基金、年金運用コンサルティングなど)は32%。各国で銀行・証券会社・保険会社などを通じて個人投資家向けの投資信託およびサービスを提供するリテール向けの顧客割合が多くなっています。
一方で、世界有数の機関投資家や年金基金などの預かり資産を株式や債券などの伝統的な投資戦略からオルタナティブなど非伝統的な投資戦略まで幅広く運用する機関投資家ビジネスにも強みがあり、バランスのとれたビジネス基盤を保持しています。
有力企業との統合で戦略バリエーションを増やし、業容を拡大インベスコは複数の企業との統合を重ね、多様な運用会社の良い面を取り入れながら拡大してきた歴史を有します。そのルーツは1930年代の英国にあります。1929年から始まった世界大恐慌の影響が世界に広がり、その後、英国経済に回復の兆しが見え始めた1935年12月、後にインベスコと統合するH・ロテリー社(後のブリタニア・グループ)が設立されました。
一方、米国の「インベスコ」は1978年、シチズンズ・サザン銀行の運用部門が独立し、アトランタに新たな会社を設立した際に誕生した名前です。創立者チャールズ・ブレディと8人のパートナーで案を出し合い、〝Invest〞(インベスト、投資)と〝Company〞(カンパニー、会社)を組み合わせて〝インベスコ (INVESCO)〞としました。
当時の運用資産は4億米ドルでしたが、インベスコをさらに世界へ広く展開していきたいと考えていたチャールズ・ブレディが、英国ブリタニア・アロー社(ブリタニア・グループ)へインベスコ株式の45%を売却し、業務提携によって海外での事業展開を加速させていきました。
創立者チャールズ・ブレディ氏1990年代に入り、債券、不動産、バンクローン(銀行融資)などさまざまな分野で強みのある企業との統合を進め、これまで運用していなかった戦略のバリエーションも増やしながら事業を拡大していきます。
その後も、日本における全公募追加型投資信託の中で2023年(年間)の純資金流入額が第1位(QUICK資産運用研究所調べ)となった「世界のベスト」の運用拠点である、英国のパーペチュアル社と2000年に統合したほか、2006年にはETF(上場投資信託)運用会社パワーシェアーズ(NASDAQ100連動のETFであるQQQを運用)を取得するなど拡大していき、今日に至っています。
パーパス(存在意義)を業界に先駆けて導入世界の各拠点で業務に取り組むインベスコの社員にとって、共通のパーパスを持つことは大変重要です。日々の業務に何のために取り組むのか、また会社として進む方向性を明確にする道しるべとなっているのが次のパーパスです。
「素晴らしい投資体験を通じて、人々の人生をより豊かなものにしていきます」
では、このパーパスとは何でしょうか。パーパス(Purpose)という言葉は「目的」という言葉に訳されることが多いものの、同社では「存在意義」と定義しています。パーパスを掲げることで仕事へのやりがいやエンゲージメントが向上する効果もあり、定期的にワークショップなどを行いながら社内への浸透を図っています。金融機関の中でパーパスを定めている企業はあまり多くありませんが、インベスコは2015年、業界に先駆け導入しています。
組織として「何をどのようにするのか(What)」だけではなく、「なぜそれをするのか(Why)」を共通認識としてもつことが、今後の成長に不可欠だと考えたからです。「“なぜその事業を営むのか(Why)”という目的についてまで説明できる企業は限られます。こうした企業は“存在意義主導”、つまり社員の意欲が高まる核となる信念や明確な目的意識を持っており、これがパフォーマンスを発揮する基盤となっていると考えています」と同社の日本法人インベスコ・アセット・マネジメントでマーケティング本部長を務める長谷川愛さんは語ります。
世界各地で切磋琢磨し運用力に磨きカルチャーとして、運用業務への専念、思考の多様性、高い向上心という3つの特性を持つ同社。運用だけを会社の業務として考える独立系の資産運用会社であり、そのことは1人のCIO(最高情報責任者)が全世界の戦略を見るようなことはなく、思考の多様性が担保され、各運用拠点がしのぎを削りながら、それぞれの運用戦略ごとにその運用力に日々、磨きをかけていることから分かります。
また、「高い向上心を持って顧客に向き合い、そのニーズを満たすために、運用だけではなく、営業、プロダクト、マーケティング、レポーティング、その他のバック部門も含めて全体で取り組むよう日々、切磋琢磨しています」と長谷川さん。
日本に根付いて40年、伝統資産からオルタナティブ運用まで幅広く展開インベスコと日本の接点は、1960年代にまでさかのぼります。戦後復興を経て高度成長が軌道に乗り始め、投資先としての魅力を増していた日本。後にインベスコと合併する資産運用会社MIMの母体である英国のマーチャントバンク、サミュエル・モンタギューは1962年に日本市場が海外投資家へ開放されたと同時に対日投資を開始しました。
その後、1983年に外資系運用拠点に門戸が開かれてからすぐにMIMは東京に駐在員事務所を開設し、個人向けの日本株式ファンドや海外の年金資金向けの日本株式運用をスタート。2023年に日本拠点の設立から40周年を迎えました。
2024年3月末現在、日本における運用資産総額は約10兆円です。その内訳は債券・クレジット、国内外の株式運用、REIT(不動産投資信託)を含む不動産運用が主です。外資系資産運用会社でありながら、日本拠点における日本株式に投資する運用チームを持つ数少ない企業の1つであり、その運用規模は日本株式アクティブ運用で外資系として大手の一角を占めています。
昨今、オルタナティブ投資の一般化や新しいデジタル資産(暗号資産関連など)の登場など、運用業界を取り巻く環境も変化してきています。こうした中で、「日本で従前、展開しきれてこなかった運用ケイパビリティなど、まだまだ幅広い商品提供能力を持っており、今後も多様化するお客さまニーズを満たしながら業界をリードしていきたいと考えています」と長谷川さんは意欲を語ります。
多様なメンバーが集まって組織横断のネットワーク活動に取り組む同社では、「ダイバーシティ(Diversity/多様性)」「エクイティ(Equity/公平性)」「インクルージョン(Inclusion/包括性)」の3点を重視した取り組みが行われており、グローバル、ローカルに多様な社員を支える組織横断的なネットワーク活動が存在しています。
日本でも活発に活動している象徴的な例に、女性の活動をサポートするInvesco Women's Network(IWN、インベスコ・ウーマンズ・ネットワーク)やチャリティ活動、ボランティア活動を行うInvesco Cares(インベスコ・ケアーズ)があります。
ほかにも、キャリアに関するアドバイスをもらう場を提供するInvesco Women's Network iMentor Program(インベスコ・ウーマンズ・ネットワーク・iメンタープログラム)という育成プログラムや、日本独自での組織横断的なチームであるCross Functional Team(CFT、クロス・ファンクショナル・チーム)という職場環境の改善に向けた企画や、社員同士がより親睦を深められるイベント、地域社会に貢献する企画など、チームメンバーが工夫しながら企画・実施する取り組みが行われています。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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