ストレスを感じても、「相談相手はSNS」という世界でも珍しい日本の事情
Finasee / 2024年8月9日 18時0分
Finasee(フィナシー)
世界と逆行 インフレにストレスを感じる日本人が急増
そもそも私たちは何にストレスを感じているのでしょうか。グローバルで投資業務を行うフィデリティ・インターナショナルが世界23の国・地域の20歳~75歳のそれぞれ1000人(日本、米国、中国は2000人)に行ったウェルビーイングや金融行動に関する調査の中には、ストレスを感じる項目を選択してもらう質問も。
図表1 あなたは上記の項目についてどの程度ストレスを感じていますか?
出典:フィデリティ・インターナショナル 「フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ2023」結果、日本、世界全体ともに「生活費の上昇/インフレ」にストレス(ある程度のストレス+大きなストレス)を感じると回答する人が最多でした。最近はインフレによる消費低迷もささやかれていますが、やはりみなさん、インフレに最もストレスを感じているみたいですね。
興味深いのは2022年の前回調査からの変化で、世界ではインフレにストレスを感じる人が6%減少したのに対して、日本は逆に5%も増加していること。もともと先にインフレになったのは米国など海外で、コロナ禍で低迷した経済が活動を再開した2021年春頃から。その後、為替レートの上昇などを通じて日本でも2022年秋頃からインフレが顕著に。日本と世界でインフレに時間差があることが原因かもしれません。
インフレの影響もあってか、日本は「老後資金の不足」にストレスを感じる人も前回から6%増加し、2位に急浮上。逆に前回調査で1位と3位だった「新型コロナウイルス」と「国際政治情勢」はトップ3圏外になるなど、今回、日本のストレスランキングは大きく入れ替わっています。
相談相手は友人/家族や専門家が多い中、日本はなんとSNSが上位ストレス解消法の1つは信頼できる相手に悩みを打ち明けること。インフレに苦しむ日本や世界の人たちは家計について誰かに相談しているのでしょうか。調査では、日本を含む世界の多くの国で「友人/家族」を挙げる人が最多という結果に。やはり一番身近な存在であり、予想どおりといったところ。
図表2 過去6カ月間で、ファイナンシャル・アドバイスを求めましたか?
出典:フィデリティ・インターナショナル 「フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ2023」一方で、米国がファイナンシャル・アドバイザー(FA)、香港やシンガポールが銀行など、相談相手に専門家を挙げる人が最多の国も。ファイナンシャル・アドバイザーとは資産運用について相談に乗ってくれる専門家で、家計やライフプランについて相談に乗ってくれるファイナンシャル・プランナーと似ていますが、より資産運用に特化しています。専門家ならば、第三者の立場から客観的かつ豊富な経験に基づく有益なアドバイスが得られそうですね。
調査対象国の大半で友人/家族や専門家が相談相手の上位を占める中、日本の相談相手の2位はなんとソーシャルメディア(SNS)。日本以外だとUAE(アラブ首長国連邦)にしか見られない、世界でもかなり珍しいケースです。日本やUAEのSNS使用率が世界に比べて特段に高いわけでもなさそうですし、意外な結果ですよね。
しかし当然ながら、コメントをくれる他人と自分とでは生活スタイルや考え方が違いますし、偏った意見を受けることもあるかもしれません。またカウンセリングではないので、一方的なやりとりで終わってしまうこともあるなど、そのまま参考にするのは考え物。今後、日本でも専門家に相談する習慣が広まればストレス軽減につながるかもしれません。
調査概要
調査名:フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ2023
調査主体:フィデリティ・インターナショナル
調査時期:2023年7月~10月
調査方法:インターネットで実施
調査対象:世界23の国・地域(英国、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、アイルランド、デンマーク、スイス、スウェーデン、サウジアラビア、UAE、米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、日本、香港、インド、中国、オーストラリア、シンガポール、韓国)でそれぞれ1,000人(米国、日本、中国は2,000人)の20歳~75歳までの合計26,000人
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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