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「仕事に不満」な日本人が辞めようとしない本当のワケ

Finasee / 2024年8月9日 16時0分

「仕事に不満」な日本人が辞めようとしない本当のワケ

Finasee(フィナシー)

「仕事に満足」な人はなんと日本が最少 最多は意外な国

日本人は今の仕事にどの程度満足しているのでしょうか。世界と比較することで日本の特徴がより明確になるかもしれません。グローバルで投資業務を行うフィデリティ・インターナショナルが世界23の国・地域の20歳~75歳のそれぞれ1000人(日本、米国、中国は2000人)にウェルビーイングや金融行動を調査した結果から、仕事に関する項目についてみていきましょう。

「今の仕事にどの程度満足しているか」という質問について、「満足している」と回答した人は、日本が20%と世界全体の48%を大きく下回り、なんと調査国中、最少の結果となりました。英国が35%、米国が64%、最多はインドで76%に達しました。

逆に「満足していない」と回答した人は、日本が33%と世界全体の16%を大きく上回り、やはり調査国中で最多の結果となりました。英国が20%、米国が10%、最少はインドでわずか5%でした。

仕事に不満を持つ日本人の多さが世界でも際立っていますが、逆になぜインドで仕事に満足している人がこれほど多いのかも気になりますよね。

図表1 今の仕事にどの程度満足していますか?/今後6か月以内に今の組織を離れる可能性は?

出典:フィデリティ・インターナショナル 「フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ2023」昨今の「すぐ辞める」イメージは幻想だった

こんなに満足度が低いなら、すぐにでも仕事を辞めて転職しそうなもの。実際、厚生労働省の統計によれば、2020年の新規大卒就職者の就職後3年以内の離職率は32.3%。最近は若手を中心に「すぐ辞める」イメージがありますが、世界と比較してどうなのでしょうか。調査では、今後6カ月以内に今の組織を離れる可能性を質問。

結果、「可能性が高い」と回答した人は、日本がわずか13%で、世界全体の23%を大きく下回り、なんと調査国中で最少。対して転職が多いイメージのある米国は25%。最多はインドで米国を2倍以上も上回る54%に達しました。

逆に「可能性が低い」と回答した人は、日本が60%で、世界全体の59%と同程度。米国も61%と意外に日本と近く、最少はまたもやインドでわずか32%でした。

このように世界全体と比較すると日本の転職はまだまだ一般的ではなく、世界ではむしろ少ない部類。それにしても前問の仕事の満足度といい、インドは日本とは対照的な結果。日本が今の状況を改善するうえで参考になるかもしれません。

後ろ向きの理由では行動に結びつかない?

仕事に不満なのに意外と転職には至らないギャップの背景には、もちろん転職市場の違いもあるでしょうが、何か考え方の違いがあるのかもしれません。調査では、現在の仕事を辞める可能性が高い理由も質問しています。

結果、世界全体、日本ともに「報酬が低い」を挙げる人が最多。予想どおりの結果ですが、世界全体と比べると日本が高めなのが気になります。最近は少しずつ賃上げも進んでいますが、今後改善されるのでしょうか。

また、世界全体では「キャリア形成機会の欠如」を挙げる人が2位。キャリアとは仕事の経歴のこと。自分の市場価値を上げるため、よりよいキャリアを求めて転職するモチベーションが高いようです。

それに対し日本では「仕事にやりがいがない」「仕事のワークロード(仕事量)」を挙げる人が2位、3位に入るなど後ろ向きの理由が多く、キャリア形成など前向きな理由は上位に見当たりません。

後ろ向きの理由だけでは、よほど仕事にやりがいがなかったり、激務だったりしない限り、転職活動の原動力になりづらいのかもしれません。

図表2 現在の仕事を辞める可能性が高い理由は何ですか?

出典:フィデリティ・インターナショナル 「フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ2023」

調査概要
調査名:フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ2023
調査主体:フィデリティ・インターナショナル
調査時期:2023年7月~10月
調査方法:インターネットで実施
調査対象:世界23の国・地域(英国、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、アイルランド、デンマーク、スイス、スウェーデン、サウジアラビア、UAE、米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、日本、香港、インド、中国、オーストラリア、シンガポール、韓国)でそれぞれ1,000人(米国、日本、中国は2,000人)の20歳~75歳までの合計26,000人

 

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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