新NISAで躍動するETF投資 短期集中型の中上級者が活用を牽引！

Finasee（フィナシー）

ETF投資家：経験豊富な層が短期集中投資で運用

Global X Japan社が実施した調査では、新NISA利用者を「ETF投資グループ」と「ETF非投資グループ」に分け、その投資行動を比較された。その結果、ETF投資グループは約7割が投資経験豊富な中上級者で構成され、短期～中期的な値上がり益を重視する傾向が見られた。

出所：Global X Japan 株式会社 

彼らは新NISAの年間投資枠についても、非投資グループに比べて積極的な活用を予定しており、「成長投資枠」だけでなく「つみたて投資枠」でも高額な投資を計画していることがわかった。これは、短期的な値動きを捉えながら、積極的に資産を増やそうとする投資意欲の表れと言えるだろう。

外国株ETFに人気集中、投資初心者にはハードルも？

投資対象としては、「外国株ETF」が圧倒的な人気を誇っている。特に投資経験の豊富な上級者層では、分散投資の一環として「国内債券ETF」にも関心が集まっている点は興味深い。

一方、投資初心者層では「日本株ETF」への投資が比較的多い傾向が見られる。これは、馴染みのある国内企業への投資という安心感を求める心理が働いていると考えられる。

ETF非投資グループでは、約8割がETFを「知らない」「理解していない」と回答。そこでETF の特徴を説明した文章を読んでもらったところ、約8割が魅力を感じ、約7割が「今後投資してみたい」と答えた。このことから、ETFに対する認知度が向上すれば、投資初心者層からの投資も期待できるだろう。

出所：Global X Japan 株式会社リアルタイム取引と分散投資：ETFの利点を生かした運用を

ETF投資グループがETFを選ぶ理由として最も多かったのは、「リアルタイムで売買できる」という点だ。これは、リアルタイムで価格が変動する株式市場において、機を見て売買のタイミングを自分で決められるというETFの大きなメリットと言えるだろう。

出所：Global X Japan 株式会社

次に多かったのは「分散投資ができる」という点。ETFは、特定の指数に連動するように複数の銘柄で構成されているため、1つの銘柄に投資するよりもリスクを抑え、分散投資の効果を得やすい。

新NISA制度の導入を機に、投資の選択肢として存在感を増しつつあるETF。短期集中型の投資から長期分散投資まで、投資家のニーズやスタイルに合わせた柔軟な運用が可能である点が、従来の投資信託にはない魅力と言えるだろう。今後の動向に注目が集まる。

■調査概要 

調査方法： インターネット調査    

調査期間： 2024年7月18日〜7月20日

調査対象： 新NISAを現在利用していると答えた全国の10代〜60代男女

有効回答： 656名

　　　　　うち、新NISA でETFへ投資している人（ETF投資グループ）   328名  

　　　　　うち、新NISAでETFへ投資していない人（ETF非投資グループ）328名

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40～50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。