人間ドックで大病発覚…治療で老後資金が不足した60歳男性が年金繰上げを考えて分かった「意外な事実」
Finasee / 2024年8月22日 12時0分
Finasee(フィナシー)
周囲の勧めでしぶしぶ人間ドックを受診した結果…
60歳になり、短時間勤務で仕事を続けている慶太郎さん。今から4年前の56歳の時のこと。「一度は人間ドックとか、もっと詳しい健康診断を受けたほうがいいんじゃない?」と、1歳上の妻・陽子さんから言われました。
大学卒業後の入社以来、慶太郎さんは会社の健康診断を毎年受けていてずっと「異常なし」と出ていましたし、「仕事も忙しい中、人間ドックは長時間拘束されそうだし、何より検査のための準備が面倒臭そうだな」と、気が進みませんでした。しかし、同僚や友人など他の人からも強く勧められて、一度人間ドックを受診することになりました。
検査の結果、なんと大腸がんが発覚。その時受けた人間ドックには、会社の健康診断に含まれていなかった大腸内視鏡検査も含まれており、異常を見つけられたのでした。
慶太郎さんは「健康診断で今まで問題なかったから、自分がまさかがんだなんて思わなかった」とショックを隠せません。
この病状について、病院では「今、手術をすれば助かります」と医師から説明を受けました。しかし、「ただ、人工肛門になりますね……」と言われます。
人間ドックから2カ月後、慶太郎さんは手術を受け、無事成功したものの、人工肛門を造設することになりました。
障害年金の受け取りは“等級”の問題で断念人工肛門造設により、慶太郎さんは今までと生活が一変し、働くことでも、日常生活を送ることでも制約が生じ、障害者手帳の交付を受けました。障害者手帳の等級は4級です。
そんな中、友人から「手帳があるのなら障害年金も受けられるんじゃないか?」と助言されました。
しかし、インターネットで調べてみると、「障害厚生年金は障害等級1級から3級が対象」「障害基礎年金は障害等級1級から2級が対象」という情報が出てきました。それを見た慶太郎さんは、「障害厚生年金でも3級以上の障害じゃないとダメみたいだ。自分は4級の障害だし無理か……」と受給を諦めました。
繰上げ受給の相談に行って分かった「うれしい誤算」それから、慶太郎さんは60歳の今に至るまで、4年間通院を続け、がんの再発も転移もなく過ごしています。また、就労時間に制約を受けながらなんとか仕事も続けています。
しかし、老後の生活を考えると、これまでの病院でかかった医療費の支出や収入減少により家計が少し苦しくなると感じました。そのため、「自分の老齢年金は65歳からみたいだけど、60歳になれば繰上げで受け取ることもできるようだし、老齢年金を繰上げよう」と考え、年金事務所に行きました。
すぐにでも繰上げをするつもりでいた慶太郎さん。その手続きについて職員に尋ねる際に、「4年前に大腸がんの手術をして人工肛門で障害者手帳も取っています。それで収入も少ないので繰上げしたいんですよ」と伝えます。
すると、職員は表情を変え、「大腸がんの初診日はいつになりますか」「初診はどちらの病院になりますか」「それから、人工肛門を入れたのはいつになりますか」と次々に質問をしてきます。
慶太郎さんは何故このようなことを聞いてくるのだろうと不思議に思いましたが、職員から「障害年金の対象になりえますので、老齢年金の繰上げ請求はせず、障害年金としての請求を早めにしていただいたほうがよろしいかと思います」と説明を受けました。
かつて調べた情報で「障害年金は受けられない」と断念して、この日も老齢年金の繰上げの相談をしに来たのに、障害年金が受けられるというまさかの回答。一体どういうことでしょうか?
●慶太郎さんは過去に調べた情報で、障害年金は受けられないと諦めていました。それにもかかわらず、障害年金を請求できるようになったのはなぜなのでしょうか。後編【「5年過ぎてたらマズかった」大腸がんを克服した男性が60歳で “年100万円超”の年金を受け取れた驚きの理由】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
五十嵐 義典/ファイナンシャルプランナー
よこはまライフプランニング代表取締役、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、特定社会保険労務士、日本年金学会会員、服部年金企画講師。専門分野は公的年金で、これまで5500件を超える年金相談業務を経験。また、年金事務担当者・社労士・FP向けの教育研修や、ウェブメディア・専門誌での記事執筆を行い、新聞、雑誌への取材協力も多数ある。横浜市を中心に首都圏で活動中。※2024年7月までは井内義典(いのうち よしのり)名義で活動。
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