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投資信託やETF、国内外株式…新NISAを使った「金投資」には多くの選択肢あり 

Finasee / 2024年8月26日 19時0分

投資信託やETF、国内外株式…新NISAを使った「金投資」には多くの選択肢あり 

Finasee(フィナシー)

インフレや有事に強いとされる「金」。価格は高水準で推移        

宝飾品や工業用など幅広いニーズがあり、古くから世界中で普遍的な価値が認められている「金」。

近年は価格の上昇が止まらず、海外ドル建価格(ドル/トロイオンス)は2024年に入り2000ドルを超え、7月には史上最高値の2480ドルを記録。円建価格も同様で、金販売価格の代表的な指標の一つである田中貴金属工業の小売価格(円/グラム)も今年3月に1万円を超え、7月には最高で1万2618円に達しました。

信用度が高く、世界中のどこでも換金できることから、金は資産かつ投資の対象として扱われています。政治や経済が混乱したり災害が起きるなど、地政学リスクが高まると通貨に対する信用力が低下するので「有事の金」として保有したり、インフレ時に値上がりする傾向もあるので、物価上昇時にあえて投資する人もいるようです。

【金投資のメリット】世界中で価値が担保されている

金は世界共通の資産であり価値が担保されていることから、通貨や株式・債券のように国・地域・企業が破綻しても無価値になりにくいのがメリットです。むしろ、不況や紛争などで国に信用不安が起きると、資産の避難先として金の需要は高まると考えられます。

また、金は存在そのものに価値がある実物資産です。経年劣化や腐食にともなう価値の低下とも無縁で、取引における安全性・信頼性の高さは言うまでもありません。埋蔵量には限りがあり、希少性も維持するので、無価値になることもないとされています。

インフレに強いのもメリットです。モノの値段が上がり、貨幣の価値が下がる局面でも、希少価値の高い実物資産の金は影響を受けにくく、同じように価格は上昇する傾向にあります。

【金投資のデメリット】利息や配当は生まない

預貯金であれば利息、株式や債券にも配当金・利息、投資信託には分配金など、インカムゲインが期待できます。対して金貨や金地金、純金積立は現金と金を等価交換するだけで運用はしておらず、利息や配当を得られません。金自体の価格が上昇しないと利益は生まれないのです。

また、金を現物で購入し保管するとなると、紛失・盗難のリスクがつきまといます。銀行の貸金庫、販売事業者による預かりサービスがありますが、手数料がかかります。

【金に投資するには?】現物や有価証券など、方法はさまざま

金投資の方法はさまざまありますが、代表的な方法は次のとおりです。

方法①:金地金や金貨を現物購入

金地金とは金そのもののことで、延べ棒やインゴット、ゴールドバーとも呼ばれます。金貨も呼称そのままで、金で作られた硬貨のことを指します。貴金属メーカーや地金商、商社、宝飾店、貴金属店で取り扱っており、現物を手にすることができ、換金しやすいのはメリットでしょう。一方、紛失・盗難リスクがあり、自宅で保管するのが不安な場合は銀行の貸金庫などに預けるのが一般的です。

方法②:純金積立

純金積立とは、金を定期的に積み立てて購入する方法です。貴金属メーカーや地金商、証券会社、銀行などがサービスを提供しています。「毎月1万円分」など金額を指定する定額積立がメジャーな方法です。金価格が安い時は多く、高い時は少ない量を買い付けるので、長期にわたり続けると平均買付価格を平準化が期待できます。

一方、「毎月〇g」というように、購入量を一定に定める定量積立のサービスもあります。どちらの方法も少額から始められ、紛失や盗難のリスクとも無縁です。ただし、買い付ける金額・量によっては手数料がかかるので事前に確認しておきましょう。

方法③:金を対象とした投資信託・ETF

投資信託やETF(上場投資信託)の中には、金(ゴールド)関連の銘柄に投資したり、金の市場価格に連動するよう目指して設計された商品もあります。ファンドマネジャーが運用するので手間はかからず、少額から始められるのが特徴です。自分で金そのものを保有しなくて済むため、手軽かつ間接的に投資する手段として、広く活用されています。

方法④:金先物取引

特定の商品を定められた期日・価格で売買することを約束する「先物取引」。対象には原油などの資源、大豆やトウモロコシといった農作物など多岐にわたり、金もその1つです。レバレッジを効かせるので現物購入に比べて少資金で取引ができ、短期間で大きな利益を狙える醍醐味はありますが、大きな損失を計上することもあります。ハイリスクハイリターンな手法なので、投資の初心者にはおすすめできません。

【新NISAで金投資をするには?】投資信託・ETF・株式を活用する

金関連銘柄に投資したり、金価格に連動したりする投資成果を目指す投資信託やETFは、主に新NISAの成長投資枠で投資することができます。指数連動型の商品だと分配金は出ませんが、関連銘柄に投資するものは分配金が出ることもあります。具体的には、次のような商品があります。

■投資信託
三菱UFJ 純金ファンドファインゴールド
ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり・なし)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり・なし)
SMTゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジあり・なし)
iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)

■ETF
SPDRゴールド・シェア
iシェアーズ ゴールド・トラスト
NEXT FUNDS金価格連動型上場投信
純金上場信託(現物国内保管型)

投資信託で、「為替ヘッジあり」の商品は為替リスクを低減しますが、円安による為替差益も得にくくなります。対して「為替ヘッジなし」は円高・円安の影響を大きく受けます。海外市場に上場するドル建て金価格に連動する商品の場合、為替ヘッジの有無に注意しましょう。

他にも、成長投資枠を通じて金関連の個別株に投資する手もあります。米国株であれば「バリック・ゴールド」「アグニコ・イーグル・マインズ」「ゴールド・フィールズ」など、日本株なら「住友金属鉱山」などが該当し、これらの企業は金をはじめとする鉱山開発や貴金属の製錬・販売などを行っています。金価格が上昇するとこれら企業の業績は向上し、株価の上昇も期待できるでしょう。

底堅いニーズがあることから、今後も金価格は堅調に推移する可能性が高いと見込まれます。こういった流れに乗る金投資は魅力的であり、新NISAを活用すると利益は非課税扱いになります。ポートフォリオの1つに加えることも検討してみてはいかがでしょうか。

大正谷 成晴/編集者/ライター

2001年5月よりフリーライターとして活動を開始。資産運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

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