8月の株価暴落も気がかり 半数が「年金に不安」なフリーランスの老後資金問題
Finasee / 2024年8月22日 8時0分
Finasee(フィナシー)
国民年金だけでは半月分の生活費も賄えない
私たちが普段「年金」と呼ぶのは、20歳以上60歳未満の全国民が加入対象の国民年金と、主に企業などに勤めている人が加入対象の厚生年金。いわゆる公的年金がメインです。そのうちフリーランスが加入できるのは国民年金だけなので、会社員に比べると老後資金の確保がより切実な問題かも。フリーランスのみなさんは今の国民年金についてどう考えているのでしょうか。
調査は、GMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営するフリーランスに特化した金融支援サービスのユーザーを対象に、年金に対する現在の気持ちを質問。結果、不安を感じる(=「不安を感じる」+「やや不安を感じる」)と回答した人が50.3%と半数を超えました。
具体的にどのあたりに不安を感じるのでしょうか。調査結果では、「将来支給される年金額では足りない」と回答した人が75.6%と最多。2024年4月分の国民年金の場合、満額でもらえるのは月6万8000円。政府の統計では、2024年4月~6月の単身世帯の1カ月の消費支出は15万8000円。たしかに国民年金だけでは半月も生活できません。
次いで多かったのが「年金財政が維持できるのか不安」「この先、どんな制度変更があるのかわからない」と回答した人でそれぞれ51.9%、46.3%。もともと現役世代が払う保険料を「仕送り」のような形で高齢世代の年金に充当するのが今の年金の考え方。しかし少子高齢化で、年金をもらう高齢世代が増え、保険料を支払う現役世代が減れば、将来の年金財政は悪化するでしょうし、制度を維持できたとしても将来の年金減は避けられなさそうです。実際、今年行われた政府による年金の財政検証では、この先100年にわたって年金制度を維持するには2057年度の年金額が現在の2割減となるという試算も。
出所:「FREENANCE byGMO」 「フリーランスの老後資金に関するアンケート」老後資金は株・投資信託で運用が最多も、8月には株価暴落
国民年金だけでは生活費を賄えない以上、自分で老後資金を用意するしかありません。しかし調査結果では、フリーランスで「老後資金の蓄えがある」と回答した人はわずか21%。
調査ではさらに「必要と思う老後資金を100%だとすると、現在は何%ほど蓄えられているか」と質問。結果、必要な老後資金の31~50%と回答した人が25.4%と最多。次いで多かったのが11~30%。老後資金の蓄えがあるといっても、必要額の50%以下という人が多いようです。
フリーランスのみなさんは蓄えをどうやって運用しているのでしょうか。調査結果では、新NISAの開始もあってか、「株式・投資信託等(NISAなど)」と回答した人が62.7%と最多。57.6%の「預貯金」を上回っていますが、8月の株価暴落による影響が気になるところです。
また3番目に多かったのが「確定拠出年金(iDeCoなど)」49.2%。iDeCoは毎月掛金を投資商品で積み立てて、自分で老後資金を形成する制度。積立時、運用時、受取時の3つのタイミングで節税効果を享受できるのが特徴です。
出所:「FREENANCE byGMO」 「フリーランスの老後資金に関するアンケート」保険料納付期間“延長”問題 否定派は「延長されたところで戻ってくる金額は低い!」国民年金の保険料は20歳から60歳未満まで40年間支払いが続きますが、45年間に延長して、代わりにもらえる年金額も底上げするという議論が実際に国によってなされています。現在の年金額では生活できないという先述の話からすれば、フリーランスのみなさんは歓迎しそうな気もしますが、実際はどうでしょうか。調査結果では、肯定派(=「適切と思う」と回答した人)は25.8%と約4分の1。調査に寄せられた肯定派の声を拾ってみると、「受給額が増えるから、働けるうちは働く方がいい」(30代その他)と予想通りの意見。
また、「平均寿命が伸び、最近の高齢者も若々しいから」(30代デザイナー)など、年金制度の前提となる平均寿命が昔と違うため、年金制度を維持するには変えざるを得ないという意見も。
一方で否定派(=「適切と思わない」と回答した人)は74.2%と多数。声を拾ってみると、「延長されたところで、返ってくる金額は低いと感じる」(50代エンジニア)など、年金額は増えても、その裏で保険料も増えるので割に合うかは別の話という意見が。また、現役世代に比べて雇用が不安定な60歳以降も保険料の支払いが続くことから、保険料が支払えなくなる事態を懸念して、「現状でも払う期間が長いと感じる。さらに長くなったら年金を受け取りづらくなるだけ」(30代ライター)という意見もありました。
出所:「FREENANCE byGMO」 「フリーランスの老後資金に関するアンケート」調査概要
調査主体:GMOクリエイターズネットワーク株式会社
調査名:フリーランスの老後資金に関するアンケート
調査対象:「FREENANCE byGMO」に登録しているユーザー
有効回答数:563人
調査方法:インターネット
調査期間:2024年6月27日~7月7日
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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