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新NISAの成長投資枠で株式(個別株式)を購入しようか迷ってます。メリットはなんですか?デメリットはないんでしょうか?

Finasee / 2024年8月27日 12時0分

新NISAの成長投資枠で株式(個別株式)を購入しようか迷ってます。メリットはなんですか?デメリットはないんでしょうか?

Finasee(フィナシー)

新NISAでは意外に株式(個別株式)を買う人が多いようです。2024年1月~3月の成長投資枠の買付額の割合では、株式が5割を超えました。NISA全体でも4割を株式が占めています(ETFやREITを含む)。

【NISA買付額に占める株式と投資信託の割合(2024年1月~3月)】

出所:日本証券業協会 NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果について(2024年3月末)

では、新NISAで株式を買うメリットはなんでしょうか。またデメリットはないのでしょうか。投資信託と比較して紹介します。

【リスク・リターン】投資信託よりも期待リターンは高い傾向、一方…

まずはリスクとリターンにおけるメリット、デメリットを押さえましょう。個別の株式への投資において、メリットは期待リターンが高いこと、デメリットはリスクが高いことです。

一般的に、個別の株式は投資信託よりも高いリターンが期待できるといわれています。

というのも、投資信託は原則として複数の銘柄で運用されているからです。分散投資の効果からリスクは小さくなる傾向にありますが、その分期待リターンの低下も想定されます。

個別の株式なら、銘柄を絞れば分散投資に伴う期待リターンの低下を避けられます。もちろんすべての個別株式で投資信託よりも高いリターンを期待できるわけではありませんが、より積極的にリターンを追求したい人にはメリットといえるでしょう。

ただし分散投資の効果がない分、個別株式への投資は高いリスクが伴います。つまり、投資信託よりも高いリターンが期待できる傾向がある一方、その分リスクが高いことが個別株式を買うデメリットといえます。

【コスト】メリットは保有コストがないこと、デメリットは売買手数料がかかること

次にコスト面のメリット、デメリットを紹介します。個別の株式に投資するメリットは、保有コストがかからないことです。一方で売買手数料が生じる点はデメリットです。

株式は原則として保有中はコストがかかりません。対して投資信託は信託報酬といったコストが保有中に生じます。保有コストが生じない点は個別の株式を買うメリットです。

ただし、一部の証券会社は口座管理料を設定しています。口座管理料を徴収する証券会社の場合、個別の株式でも保有コストが生じるため注意しましょう。

一方、コスト面における個別の株式のデメリットは売買手数料がかかることです。

投資信託の多くは売却に手数料はかかりません。一方、個別の株式は原則として買うときも売るときも手数料がかかります。売買に手数料がかかる点は、個別の株式を買うデメリットといえるでしょう。

なお、証券会社の中には国内株式等の売買手数料を無料化しているところもあります(NISA限定で国内株式等の手数料を無料化している証券会社もある)。

【その他】株主優待はメリット、情報収集の手間はデメリット

個別の株式を買うそのほかのメリットとしては、株主優待を受けられることが挙げられます。

上場企業は株主優待を実施することがあります。その企業の株式を保有すれば、配当金とは別に株主優待を受けられます。

例えばカゴメは100株以上を半年以上継続して保有する株主に自社製品の詰め合わせを進呈しています。またイオンは100株以上を保有する人に、支払金額の3%以上を還元する「オーナーズカード」を発行しています。

なお、投資信託も株主優待を受け取ることがあります。ただし、投資信託が受け取った株主優待は、できるだけ換金し信託財産に組み込むことが多いようです。

個別の株式を買うそのほかのデメリットとして、情報収集の手間がかかることが挙げられます。

投資信託は、目論見書という説明書に相当する書面があります。目論見書を読めば、その投資信託がどのような商品か比較的容易に理解できるでしょう。

しかし株式の場合、公募を除き原則として目論見書はありません。その株式の商品性を理解するには、有価証券報告書などから情報を自ら集める必要があります。慣れないうちは読み解くのに時間がかかるかもしれません。

NISAの株式投資は「株式数比例配分方式」にすることを忘れずに

新NISAで株式を買うメリット、デメリットは以下の通りです。

【NISAで個別株式を買うメリット・デメリット】

最後になりますが、新NISAで個別の株式を買う場合、配当金の受け取り方は「株式数比例配分方式」を指定しましょう。そのほかの受け取り方では配当金が非課税にならないためです(出所:日本証券業協会 知っておきたいNISAのポイント)。

株式数比例配分方式は、配当金を証券会社の口座で受け取る方法です。同一銘柄を複数の証券会社で保有している場合、株式数に応じて各証券会社に振り込まれます。

例えば1株あたり100円の配当金を出す銘柄をA証券で300株、B証券で100株保有している場合、株式数比例配分方式で振り込まれる配当金はA証券が3万円、B証券が1万円です。

配当金の受け取り方はこのほかに、銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」と「個別銘柄指定方式」、配送される受領証を郵便局などで提示して受け取る「配当金受領証方式」があります。これらで受け取った配当金は課税されるため注意しましょう。

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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