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「子供のために夢をあきらめた」2児の母が、「米国成長株投信」を10年間積み立てた結果に衝撃!

Finasee / 2024年8月30日 16時0分

「子供のために夢をあきらめた」2児の母が、「米国成長株投信」を10年間積み立てた結果に衝撃!

Finasee(フィナシー)

<前編のあらすじ>
野村彩(33歳)は、大学在学中に妊娠し、卒業から間もなく結婚・出産したため、出産直後から子育てと生活に追われるように暮らしてきた。

成長が遅かった最初の子供が心配のあまり、子供中心の生活になり、2人目の子供を育て始めた頃には家計をぎりぎりに切り詰めるようになった。

その後、彩は子供たちを保育園に預けて働くようになるが、そんな生活の中でも、子供の将来のために積み立てをすることだけは実行していた。その結果が思わぬ人生の転機につながる。

●前編:「子育て罰」の“収入半減”に悩む33歳2児の母親。そのショックをやわらげた「あるもの」とは!?

母の残した「積み立て」で進学できた過去

彩が高校2年生の時に、母親が難病を患い入院した。その時に、学校をやめて働くという彩に対して、母親からは、「彩のために積立貯蓄をしているから学費のことは心配せずに、大学に行ってしっかり勉強しなさい」と諭された。病床で、母親から通帳を渡されて、大学に進学して保育士になる夢をかなえるという約束をさせられた。治療のかいなく母親は他界してしまったが、彩は「彩ちゃんの夢は、お母さんの夢なのよ」と励ましてくれた母親の言葉が忘れられなかった。

幸人が生まれた時、夫の由人と相談して毎月1万円を積み立てることにした。ちょうどその頃、由人の会社に確定拠出年金制度が導入されることになり、その説明会で由人が「積み立て投資」について感銘を受けたところだったので、1万円を定期預金で積み立てるのではなく、投資信託で積み立て投資することにした。ちょうど、その年(2014年)の1月に投資収益非課税のNISAが始まったところだったので、NISA口座で積立投資をすることにした。

投資対象に選んだのは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース」だった。長期に積み立て投資をするつもりだと窓口で相談した時に、米国で実績の高い運用商品だからと説明された。

その後、成長が遅い幸人を心配して彩が幸人につき切りとなり、生活は困窮することになったが、「もし幸人が他の子供たちに比べて発育が心配な子供だったら、なおのことお金のことで苦労させたくはない」と思い、毎月の積み立てだけは頑張って続けた。

2歳違いで長女の茉莉が生まれた時には、夫の由人が昇進したこともあって給与が想定以上に増えたため、少しゆとりが生まれた。そのゆとり分で、茉莉の将来のために積み立て投資をすることにした。

茉莉のための積み立て投資を開始した時には、幸人の口座では、積立元本は26万円になっていたはずなのに、評価額は24.6万円と元本を下回っていたため、彩は不安に思った。ただ、由人が聞いた積み立て投資の成功事例では、積み立て当初は評価額がマイナスくらいの方が、将来は大きな収益に結び付くという話だったので、茉莉のための口座も同じファンドを使って毎月1万円の積み立てを始めた。

元本割れを経験しても「投資」を続けた理由

幸人と茉莉を保育園に預けて彩が働き始めた後は、生活は急速に安定した。彩も保育士の道はあきらめたものの、フルタイムの仕事をするようになり、由人と2人分の収入を得ることができたからだ。しかし、子供たちが育つとともに、子供にかかる出費も増えていったので、生活が安定したとはいえ、決して楽になったということはなかった。子供たち2人分の積み立て投資は継続していたものの、夫婦としての貯蓄はほとんど殖やすことができなかった。ただ、小学校にあがる頃には、幸人は他の子供と変わらずに元気に遊ぶようになっていた。

子供が2人とも小学生となり、彩たちも30代になった。兄妹で近所のスイミングスクールに通った。どうしたわけか幸人は泳ぎが速かった。一つ得意なことができると、幸人の生きる力が変わってきたように感じられた。明らかに日々の表情は明るくなったし、生活態度に自信が持てるようになったのか、何事も力強くなった。

そんな時、彩はしばらく見ていなかった投信の積み立て結果を確認してびっくりした。幸人の積み立て投資は、そろそろ満10年になり、茉莉の積み立ても8年目になっていた。積み立ての開始当初は、評価額が元本を下回るようなことが続いたので心配だったが、その後、投資元本を評価額が安定的に上回るようになると、生活の忙しさもあり、残高を確認するのをやめてしまった。

ちょうど10年の節目だと思って確認することにしたのだが、10年で投資元本は120万円になるはずだが、評価額が300万円を超えていた。茉莉の分を合わせると評価額は500万円を超えていたのだ。投資元本は2人合わせて200万円程度だった。300万円も元本が増えていた。
 

 

手元に500万円があることが分かって、彩はストンと大地に降り立ったような気持ちがした。

取り戻した「保育士になる夢」

子供たちの学費にと考えていたけれど、投資で増えた分を頭金にして住宅を購入した方が、今の家賃よりも月々の出費は抑えられるかもしれない。子供たちの積み立ては、これからも続けるから今後も積立金が増え、学費に困ることはないだろう。家賃の負担が減るのなら、今の仕事よりも収入が少し減ってしまうからとあきらめていた保育士の仕事を始めてみようかと考えた。

「保育士の仕事」と考えただけで、彩の胸はときめいた。子供の頃からずっとなりたかった仕事だ。死んだ母親と約束した仕事でもある。彩は、子供たちのためにと懸命に頑張ってきた毎日が、今やっと、自分の人生として取り戻せたような気持ちになっていた。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

風間 浩/ライター/記者

かつて、兜倶楽部等の金融記者クラブに所属し、日本のバブルとバブルの崩壊、銀行窓販の開始(日本版金融ビッグバン)など金融市場と金融機関を取材してきた一介の記者。1980年代から現在に至るまで約40年にわたって金融市場の変化とともに国内金融機関や金融サービスの変化を取材し続けている。

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