新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠で同じ商品に投資できますか?両方の枠で投資するメリットはあるのでしょうか?
Finasee / 2024年8月30日 17時0分
Finasee(フィナシー)
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で同じ商品に投資できますが、全ての商品に投資できるわけではありません。2つの枠で同時に投資できるのは、双方の対象商品となっている銘柄に限られます。
どのような銘柄なら、つみたて投資枠と成長投資枠の双方で投資できるのでしょうか。また同じ商品に投資するとどんなメリットがあるのでしょうか。それぞれ簡単に紹介します。
両方の対象商品なら投資OK 「オルカン」や「楽天VTI」など新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠で対象商品が異なります。対象商品となる条件はつみたて投資枠の方が厳しく、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象です。
一方で成長投資枠対象の投資信託はつみたて投資枠よりも幅広いです。ただし、信託期間20年未満、毎月分配型、一定のデリバティブ取引を用いる銘柄は対象外です。
つみたて投資枠と成長投資枠の対象商品は、完全に分かれているわけではありません。双方に共通する商品もあります。
例えば、「オルカン」で知られる「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のほか、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・VTI)」は、つみたて投資枠と成長投資枠の双方で投資可能です。なお、2024年8月23日現在で、双方で投資できる銘柄は268本存在しています。
【新NISAの対象商品の数(投資信託)】
・成長投資枠の対象商品:1946本
・うち、つみたて投資枠の対象商品:268本
※2024年8月23日時点
※出所:投資信託協会 NISA成長投資枠の対象商品
これらの商品は、NISA口座を開設した金融機関で取り扱いがある場合、双方の投資枠で同時に投資できます。
次に、つみたて投資枠と成長投資枠で同じ商品に投資するメリットを押さえましょう。
2つの枠で買えば資金を早く投資できるつみたて投資枠と成長投資枠で同じ商品に投資する主なメリットは、資金を早く投下できることです。資金を早く投じることで、より大きなリターンにも期待できます。
新NISAでは累計で最大1800万円まで投資できます。1800万円はつみたて投資枠だけでも投資可能です。
ただし、つみたて投資枠のみで1800万円を投資する場合、最短でも15年かかります。つみたて投資枠は年間で120万円までしか投資できないからです。しかし、年間240万円まで投資できる成長投資枠も併用すれば、最短5年で1800万円を投資できます。
資金を早く投じると、より大きな利益に期待できる場合もあります。例えば利回り3%の商品に1800万円まで積み立てる場合、毎年120万円を投じると20年目の利益は787万円です。しかし毎年360万円ずつ積み立てるなら、20年目の利益は1178万円に増加します。
【新NISAの運用シミュレーション(利回り:3%)】
成長投資枠では個別の株式にも投資できる新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の対象商品に共通する銘柄なら、同じ商品を2つの枠で投資できます。2つの枠を併用することで、片方の枠のみを利用するよりも資金を早く投資できるメリットがあります。
資金を早く投じると、リターンの向上に期待できる場合があります。資金に余裕がある人は、いずれかの枠のみを利用するのではなく、2つの枠で同時に投資してみてはいかがでしょうか。
なお、つみたて投資枠は対象商品が投資信託に限られますが、成長投資枠は個別の株式にも投資できます。2024年5~7月期決算の売上高が四半期ベースで過去最高を更新したエヌビディアなど、特定の企業に投資したい人は成長投資枠を個別株式への投資のために活用することを検討しても良いでしょう。
若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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