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衝撃データ デジタル金融資産保有者の約7割「相続対策全くせず」 1億円以上保有者の4割「家族は資産を引き出せない」

Finasee / 2024年9月11日 12時0分

衝撃データ デジタル金融資産保有者の約7割「相続対策全くせず」 1億円以上保有者の4割「家族は資産を引き出せない」

Finasee(フィナシー)

デジタル金融資産「1億円以上保有」が7%

みなさんはデジタル金融資産をどの程度保有しているのでしょうか。調査はデジタル遺品整理や暗号資産の復元などを専門に行う株式会社GOODREIが金融資産保有額1000万円以上かつ40歳以上の480人に質問。結果、過半数を超える61%がデジタル金融資産を保有していると回答、その中でもデジタル金融資産の保有額が「1000万円未満」と回答した人が26%と最多。僅差で「1000万円以上5000万円未満」が24%でした。その他を合計すると、保有するデジタル金融資産の額が「1000万円以上」の人は36%も存在、「1億円以上」を保有している人はうち7%に上りました。

そして気になるのが、どういった種別のデジタル金融資産を保有しているのか。調査結果では、「国内ネット銀行口座」と回答した人が52%と最多。次いで「国内ネット証券口座」が43%と2つの資産で9割を占める結果に。投資対象として最近よく話題に上がるFXや暗号資産、あるいは海外の銀行口座・証券口座の保有者はいずれも10%未満と現時点では少数でした。

 出所:株式会社GOODREI 「相続実態調査(2024年)」デジタル金融資産保有者の半数「家族は資産を引き出せない」 1億円以上の保有者でも4割に上る

デジタル金融資産を保有している人が亡くなり、相続手続きが必要となる場合もあるでしょう。手続きを進めるためには、残された家族がデジタル金融資産を自力で引き出せなくてはなりません。しかし調査結果では、デジタル金融資産について「遺族があなたのデジタル金融資産を引きだせると思いますか?」と質問したところ「家族が引き出せない」と回答した人が約半数に上りました。保有している資産額が上がってもその傾向は大きくは変わらず、デジタル金融資産を1億円以上保有している人でも、41%が「家族が引き出せない」と回答しています。

なぜ家族がデジタル金融資産を引き出せないという回答が多くを占めるのでしょうか。調査では家族がデジタル金融資産を引き出す際に最も困ることを質問。結果、「ID、パスワードが分からない」と回答した人が49%と最多。次いで「デジタル金融資産があることを知らない」が22%でした。

IDが分からない場合、ネット銀行やネット証券のように実店舗がなくてもコールセンターに問い合わせて相続人であることを証明すれば、手間はかかるものの相続手続きを進めることは可能。しかしデジタル金融資産の存在自体が分からなければ、故人のメール履歴をたどって会社を特定するなど作業は困難を極めます。

また、相続は時間との戦いです。故人が亡くなった日から時間のカウントが始まります。例えば、相続放棄は3カ月以内に家庭裁判所に申し立てなければなりません。相続税が発生する場合は10カ月以内に申告・納付が必要で、間に合わないと延滞税が発生します。他にも相続税の申告期限を過ぎれば、税の軽減制度が使えないことも。仮に間に合ったとしても財産を正確に把握できなければ、申告漏れなどリスクを抱えることになります。

 出所:株式会社GOODREI 「相続実態調査(2024年)」暗号資産(仮想通貨)は「家族が引き出すのが難しい」

デジタル金融資産の中には、「海外証券口座」のように語学力が求められるものや「仮想通貨」のようにITリテラシーが求められるものも。故人が保有している産を引き出す方法を調べるだけでも一苦労になるかもしれません。

調査結果でも、家族が引き出すことが難しい資産として「仮想通貨」「海外証券口座」「海外銀行口座」の順に回答した人が多く、仮想通貨に至ってはなんと保有者全員が「難しい」と回答しています。

出所:株式会社GOODREI 「相続実態調査(2024年)」デジタル金融資産を持つ人の過半数以上が「相続の準備は何もしていない」

ここまでの調査結果を見ると、デジタル金融資産を保有する人の多くが、その存在や口座からの引き出し方を家族に伝えていない傾向にあることが分かります。

とはいえ、いずれ相続が発生する可能性は避けられません。相続に向け、事前に準備をすることが望ましいはず。

しかし調査結果では、資産額に関わらず、「(相続の準備は)特に何もしていない」と回答した人が6割以上存在。また、「家族に引き出し方を説明している」と回答した人は2割程度にとどまりました。

相続の準備をしている人がこれほど少ないのには何か理由がありそうです。調査結果では、相続の準備をしない理由として「まだ若く健康だから」と回答した人が最多。昨今は60代以上でもアクティブに活動する人が増え、定年退職後の人生が「セカンドライフ」とも呼ばれます。将来を楽観的に考え、万が一の備えを後回しにしてしまう人が多いのかも。

また年代別では、特に60代で「準備が面倒くさいから」と回答した人が最多となりました。最近は自分の終末に向けて、財産情報や残りの人生でやりたいことなどを自由に記す「エンディングノート」も登場。法的な強制力はないものの、遺言状より気軽に自分の思いを家族や友人に伝えられるとして話題に。ただ、こうした習慣が広く根付くにはある程度時間がかかると思われるので、現状は相続の準備にハードルを感じる人も少なくないようです。

 出所:株式会社GOODREI 「相続実態調査(2024年)」IDは「紙で管理」が意外と多数派

「家族がデジタル資産の引き出しで困る情報」1位だったID・パスワードですが、本人はどのように管理しているのでしょうか。調査結果では、「紙(例:ふせん、メモ帳、ノート、日記)」と回答した人が最多。テキストファイルやExcelなどデータによる管理を大きく上回りました。この調査では回答者の平均年齢が61歳ということもあってか、紙による管理に安心感を覚える人が多いようです。煩雑な面もありますが、昨今のネットによる情報漏洩の多さを考えると紙による管理は意外とセキュリティ上有効かもしれません。

出所:株式会社GOODREI 「相続実態調査(2024年)」

ここまで見てきたように、デジタル金融資産の相続ではさまざまな困難が予想されます。誰か相談する人がいれば心強いかもしれません。調査では、デジタル資産の相続で困った際に相談する相手は誰かを質問。結果、「親族」と回答した人が27%と最多。次いで「金融機関」が24%と、2つの回答で半数を占める結果に。いずれもデジタル金融資産ならではの相談先というわけではないので、単にデジタル資産の相続というよりは、相続全体について相談したい相手としてイメージされていると思われます。

出所:株式会社GOODREI 「相続実態調査(2024年)」

調査概要
調査名:相続実態調査(2024年)
調査目的:デジタル金融資産の保有状況と、万一の場合の遺産相続に対する備えの状況の把握
調査年月:2024年7月
調査方法:Webアンケート調査
対象者:金融資産保有額1,000万円以上かつ40歳以上の人
回答者数:480人
回答者平均年齢:61歳
回答者男女比:男性7:女性3
調査企画・実施:株式会社GOODREI

 

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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