「転職による離職」急増中!ミドル転職も11年前の1.5倍に
Finasee / 2024年9月24日 13時0分
Finasee(フィナシー)
「転職による離職率」は2012年以降で最高水準
そもそも転職自体は増えているのでしょうか。今回の調査は転職サービスを提供するIndeed Japan株式会社の調査機関であるIndeed Hiring Labが実施。厚生労働省の「雇用動向調査」を基に、2012年〜2023年上半期(1月~6月)の「転職を主目的とした離職率」を試算して分析しています。
結果、2023年上半期の離職率は4.30%と、2012年上半期と比べて17.6%上昇。直近のピークである2022年上半期の4.35%を下回るものの、2021年以前とは明らかに異なる高水準です。
もともと世界的に見て、雇用の流動性が低いと指摘されることもある日本。しかし、コロナ禍で停止した経済活動の再開による人手不足や円安による好調な企業業績を背景に、労働者がより良い仕事を求めて転職したことが、今回の結果につながっている可能性も。調査によれば、日本と同様の傾向は、米国など海外でも確認されているようです。
出所:Indeed Japan株式会社(Indeed Hiring Lab) 「転職を主目的とした離職動向」2022年に「40歳~44歳」の転職が急増最近はミドル世代にフォーカスした転職サービスも登場。20代の若手だけではなく、ミドル世代でも転職は広がっているのでしょうか。調査では、先ほどの「転職を主目的とした離職率」を年代ごとに算出。
若手で特に離職率が高まっているのが、「25歳~29歳」です。もともと30歳以上の年代に比べて離職率は高い水準でしたが、グラフを見ればわかる通り、右肩上がりで離職率が高くなっているのです。グラフの開始地点である2012年上半期の離職率(5.71%)と、最新の値である2023年上半期の離職率(8.01%)を比較すると、離職率が実に2.30ポイント上昇していることがわかります。
もともと「若手人材の不足」により企業の採用意欲は旺盛。さらに入社して数年が経過し、ある程度の経験を積んだ若手がより良いキャリアを求めて転職に積極的になっている可能性も。
ミドル世代では、特に「40歳~44歳」の場合、2016年からコロナ禍までは離職率が足踏み状態に。しかし、その後は大幅な上昇に転じ、2023年上半期には3.80%でピークを形成。2012年上半期の離職率2.46%から、実に1.34ポイント上昇しています。
若手だけではなくミドル世代でも離職率が増えているのが最近のトレンドのようです。背景にあると考えられるのが、好調な業績を受け、事業拡大を狙う企業での管理職や専門職を担う人材の不足です。
不足する管理職や専門職の候補として、経験豊富なミドル世代に注目する企業も増え、ミドル世代の獲得競争が活発化。その結果、転職したいミドル世代とミドル世代を求める企業とのマッチングが急増したのかもしれません。
調査によれば、2024年も若手世代、ミドル世代を問わず依然として企業の採用意欲は旺盛で、2021年以前に比べて高い離職率は今後も続きそうです。
出所:Indeed Japan株式会社 (Indeed Hiring Lab)「転職を主目的とした離職動向」調査概要
調査名:転職を主目的とした離職動向
調査主体:Indeed Japan株式会社(Indeed Hiring Lab)
対象期間:2012年(1月〜6月)〜2023年(1月〜6月)
調査対象:厚生労働省「雇用動向調査」
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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