もう2人は終わり…婚活カップルのそんな運命を変えたのは、エリート男性の10年来の「ある行動」だった!?
Finasee / 2024年9月25日 16時0分
Finasee(フィナシー)
<前編のあらすじ>
結婚相手は誰でもよいと考えていた落合直樹(35歳)だったが、婚活イベントで知り合った前畑優子(31歳)と付き合ううちに、優子に強く惹かれていく。結婚するなら優子しかいないと思うようになっていった。
そんな時、思いがけず優子から別離を告げられパニックになる直樹。もう一度チャンスがほしいと頼みこんで別離を思いとどまってもらった。
●前編: 「私たち、別れましょう」。婚活アプリで出会った“理想の男性”との結婚を踏みとどまらせた「モヤモヤ」の正体とは!?
初めて感じた真剣な心の動き優子は、直樹から別れたくないと言われた時に、少し驚いた。直樹は典型的なエリートで、何もかも自分の思い通りに生きてきた人という印象が強く、感情を表にあらわさない人だと優子は思っていた。それなのに、「別れないで、もう少しチャンスがほしい」という直樹は涙目になっていた。そもそも優子が直樹と別れようと考えたのは、優子には直樹の真剣な心が感じられなかったからで、「別れたくない」と泣きそうになりながら切々と訴える直樹に優子の心は動いた。
それから直樹は、優子を積極的に誘うようになった。優子の好きな食べ物や買い物の場所へ優先的に一緒に行くようになり、週末に優子の好きなテーマパークにも行くようになった。優子は直樹の変わりように「無理しなくていいよ」と言ったのだが、直樹は「優子が一番大事だから。全然無理してないよ」と言って笑っていた。
新鮮だった“資産で資産が増える”話ある日、直樹は、自身が行ってきた投資信託の積立投資の現状を説明した。直樹は投資信託を使った積立投資を10年近く続けていた。積立投資を始めるきっかけは、初めて「チーム長」という役職に就いたことだったという。9年前の10月にチーム長に昇格し、手当がつくことになったので、その手当てを貯蓄することにしたらしい。「昇格するたびに手当を貯蓄に回せば、将来は比較的大きな資産がつくれる」と考えたのだ。
そこで、ちょうどその年の12月末に運用を開始する新ファンドがあったので、それも何かの縁と感じて、毎月2万円を貯蓄ではなく、「キャピタル世界株式ファンド」の積み立てに回し始めた。
出所:投信協会のデータを使用して筆者作成。(2015年12月末~2024年8月末)
直樹が「キャピタル」を選んだのには、理由があった。将来を考えて何か積立投資をする必要があると、様々な投資情報を探すうちに、積立投資の大きな成功事例として米国の個人年金制度、401kプランについて知った。その401kプランで活用されているファンドとしてキャピタル社が紹介されていた。
キャピタル社は米国で歴史のある運用会社であり、同社が運用する「アメリカン・ファンズ」は米国の401k運用のスタンダードになっていて、多くの「401kミリオネア(百万長者)」を生み出す原動力になったと評価されていた。この制度を活用して豊かな老後を過ごしているシニアが多いこともわかった。
また、長期運用に耐えられる運用体制とするために、ファンドの運用を1人のファンドマネジャーに任せきりにするのではなく、チームとして永続的な運用ができる仕組み「キャピタル・システム」を作っていることも評価のポイントだった。直樹は、積立投資を定年まで続ける考えだったので、運用成績が良いことはもちろんのこと、その成績のクオリティを長期に維持できる仕組みをもっていることに強く惹かれたのだった。
収入だけでなく資産について語ったことで……優子は、直樹の話を聞きながら、収入のことだけではなく、将来の資産についてしっかりとした展望を持っていることに感心した。しかも、「キャピタル世界株式ファンド」での積立は、積み立てた投資元本が210万円に対し、評価額は446万円になっていた。10年足らずで元本が2倍以上という成績だった。直樹は、これとは別に会社の確定拠出年金もあるということを優子に話した。
優子は、郵便局で定額貯金をして貯金を積み立て、ボーナスが出て余裕のある時に銀行に定期預金をしていた。預貯金はコツコツ積み立てて増やすものという意識はあったが、金利はつかないのが当たり前だったので、お金が運用で増えるというのは、まるで新しい話だった。
資産運用の話を聞いたことで、優子の直樹に対する評価は大きく変わった。これまで意識したことがなかった資産をつくるというポイントが加わったからだ。そして、資産のことを話したことがきっかけになって自然と2人の将来の住まい、2人の子供のことも意識するようになった。直樹の部屋に泊まった朝、優子は直樹が朝食の準備をすると言ってキッチンに立つ背中を見ながら、「結婚って、こういうことなんだ」と実感していた。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
風間 浩/ライター/記者
かつて、兜倶楽部等の金融記者クラブに所属し、日本のバブルとバブルの崩壊、銀行窓販の開始(日本版金融ビッグバン)など金融市場と金融機関を取材してきた一介の記者。1980年代から現在に至るまで約40年にわたって金融市場の変化とともに国内金融機関や金融サービスの変化を取材し続けている。
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