「長い時間軸で見れば株価の急落はノイズに過ぎない」と新NISAデビュー組にFP深野康彦さんが伝えたい理由
Finasee / 2024年9月27日 7時0分
Finasee(フィナシー)
新NISAは中・長期で資産を築いていく制度
そもそも新NISAは中・長期で資産を築いていく制度設計です。制度が始まってからわずか7~8カ月で結果を求める(白黒付ける)ことがナンセンスと考えるべきなのです。
相場が急変すると得てして不安をあおる報道が増えるもの。ましてSNS隆盛の時代では投稿の匿名性があだとなり、不安を助長しているように思えてなりません。相場が急変している状況では、時に情報を遮断してマーケットから離れることも一つの手です。
過去を振り返ると日本のバブル崩壊、米国のITバブル崩壊、リーマンショックなど多々株価が急落する局面がありましたが、いずれも時をおいて急落前の株価を超え史上最高値を更新しています。つまり、長い時間軸で見れば株価の急落はノイズに過ぎないとも言えるのです。
株価の急変を事前に予測することは不可能です。反面、世界経済が成長を続けていけば株価は元に戻り、また高値を更新していくことは過去からの株価の動きが証明しています。「泰然自若(たいぜんじじゃく)」でいるのは難しいかもしれませんが、「習うより慣れろ」の気持ちで初志貫徹!落ち着いて行動しましょう。
自分自身が納得した投資スタイルで投資を行うことが大事人と同じことをやっていると「安心」は得られるでしょうが、安心が必ずしも自分自身に合った投資スタイルとは限りません。中・長期の資産形成では株価の急変を避けることはできませんが、急変に伴うストレスを軽減できることはできるはずです。それは人に合わせるのではなく、自分自身が納得した投資スタイルで投資を行うことです。
例えば、つみたて投資に一発逆転はありません。ブレずに地道にコツコツと続けて行くことが最も大切になるのです。その際、無理な金額でつみたてを行っていないかも重要な要素。無理な金額で始めてしまうと途中で挫折するケースが多々あるため、最初は少額で!慣れたら徐々に投資資金を増やして行くようにしましょう。
新NISAの非課税投資枠は「生涯投資枠」で管理されていることから、早めに非課税投資枠を使い切ろう!などと慌てる必要はないのです。徐々に積立額を増やして行くステップアップ方式で継続するのが良いはずです。
ある程度まとまった資金で投資を行うなら、ただ単に時間分散を行うのではなく「一定以上下落したら買い付けを行う」など一定のルールに基づいて徐々に買い付けを進めていくのです。かつての日本銀行、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などは下落局面で一定のルールに基づいて買い付けを行った(行っている)から多額の含み益を得られている(=投資で成功している)のです。
「継続は力なり」、慌てず騒がず腰を据えて投資を継続しよう投資(資産形成)は中・長期で資産の山を築いていくもの。長い投資期間中には株価の急落などはつきものと認識すべきです。世界経済の成長が続く限り株価は上昇していくと考えられるため、「継続は力なり」と肝に銘じて大きな果実を得られるように腰を据え、慌てず騒がず投資を継続していきましょう!
ファイナンシャルプランナー 深野 康彦 氏
1962年生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。FP業界歴36年(2024年4月現在)。1996年に独立、2006年に有限会社ファイナンシャルリサーチ設立。メディアやセミナーを通じて資産運用ほか住宅ローンや生命保険、税金や年金などの相談業務や啓蒙を幅広く行っている。新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融商品などのデータ提供を行いながらテレビ、ラジオにも多数出演。著書:『1万円から始めるETF投資』(日本経済新聞出版社)、『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』(ダイヤモンド社)など多数。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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