ブラックマンデー超えの暴落も“意外と冷静”NISA民 9割超が「今後も新NISAを利用したい」

Finasee（フィナシー）

新NISAを始めた理由に「投資が好き」は意外と少ない？

新NISAは対象商品や投資額などの条件を満たした投資から得られる売却益や配当金が非課税になるお得な制度。とはいえ預金しか利用してこなかった人にとっては、いきなり株や投資信託に投資するのはハードルがあるのかも。やはり投資経験者が新NISAを利用するケースが多いのでしょうか。

調査はクラウドファンディング（※インターネットを通じて不特定多数の人から資金を調達する）のサービスを提供するWeCapital株式会社が新NISAを利用している20代〜40代の1004人に質問。結果、「新NISAを利用する前から投資をしている」と回答した人が75.6%と多数。逆に新NISAをきっかけに投資を始めた人も4分の1弱と一定数いるようです。

みなさんが新NISAの利用を始めた目的は何でしょうか。結果、「老後資金のため」と回答した人が64.2%と断トツで最多。「生活費を増やすため」「子どもの教育資金・マイホーム購入など目標金額達成のため」が続きます。一方で「投資が好きだから」と回答した人は18.4%とトップスリーには入らず、意外と少ない印象。昨今の物価高騰に対して賃金上昇が追いつかず、老後資金や生活費に不安を感じる人が必要に迫られて新NISAを開始した可能性もあります。

出所：WeCapital株式会社（https://www.we-capital.co.jp/）「新NISAの満足度に関する調査」節税だけじゃない 新NISAの投資額は二極化

新NISAには２つの非課税投資枠があり、成長投資枠は年間240万円を上限に積立でも一括でも投資可能。つみたて投資枠は年間120万円を上限に積立投資のみ可能です。

年間で240万円や120万円といったら結構な金額ですが、みなさん新NISAでいくら投資しているのでしょうか。結果、「10万円以上」が34.8%と断トツで最多。やはり節税効果をできるだけ多く享受したいと考える人が多いのかもしれません。

一方で「1～2万円未満」「2～3万円未満」と回答した人がそれぞれ12.9%、12.1%と第二のピークを形成。節税効果の最大化だけではなく、毎月の収入や生活費、あるいは投資経験なども考慮して、無理のない範囲で投資額を決めている人もいるようです。

出所：WeCapital株式会社（https://www.we-capital.co.jp/）「新NISAの満足度に関する調査」現時点では運用成績がマイナスの人も2割以上

8月の暴落もありましたが、みなさん現時点では新NISAに満足しているのでしょうか。調査結果では、「とても満足している」「満足している」と回答した人は合わせて78.2%と多数に。

満足度が高いのは、やはり運用成績が好調だったからでしょうか。調査結果では、「運用成績がプラス」と回答した人が79.3%。なかには10%以上の運用成績をあげたという人も2割近く存在。2024年の中盤までは日経平均株価が右肩上がりだったことから、2024年の早い段階で投資した人は値上り益を享受できたのかもしれません。

一方で、運用成績がマイナスと回答した人も20.7%存在。日経平均株価が上がり切ったところで新NISAを始めてしまい、その後8月の暴落を迎えた可能性もあります。

出所：WeCapital株式会社（https://www.we-capital.co.jp/）「新NISAの満足度に関する調査」新NISAの節税効果は今年だけじゃない

新NISAの非課税投資枠を使えるのは2024年度だけではありません。新NISAの非課税投資枠は生涯で1800万円が上限となります。そのうち成長投資枠の利用可能額は最大で1200万円です※。仮に毎年上限まで非課税投資枠を使うとすると、成長投資枠のみの場合は使い切るまでに5年、つみたて投資枠のみの場合は15年かかる計算です。

新NISA利用者もその辺りは意識しているのか、調査結果でも「今後も新NISAの利用を続けたい」と回答した人は93%と多数を占めています。多くの方はNISAの今後をポジティブに見ているようです。

※新NISA非課税投資枠は全体で1800万円、うち1200万円は成長投資枠、つみたて投資枠のどちらでも利用可能（残り600万円はつみたて投資枠での積立利用のみ）

出所：WeCapital株式会社（https://www.we-capital.co.jp/）「新NISAの満足度に関する調査」

調査概要
調査名：新NISAの満足度に関する調査
調査期間：2024年8月14日～2024年8月15日
調査人数：1,004人
調査対象：調査回答時に新NISAを利用している20代〜40代と回答したモニター
調査元：WeCapital株式会社（https://we-capital.co.jp/）

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40～50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。