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会社員の国民年金+厚生年金+確定給付企業年金(DB)+企業型確定拠出年金(企業型DC)+iDeCo、老後資金はどう受け取る?

Finasee / 2024年9月30日 19時0分

会社員の国民年金+厚生年金+確定給付企業年金(DB)+企業型確定拠出年金(企業型DC)+iDeCo、老後資金はどう受け取る?

Finasee(フィナシー)

会社の制度には恵まれているものの…

建設会社に勤務する会社員の森田さん(仮名)は60歳。10年前、50歳のときに長年連れ添った妻と離婚し、現在はご自身の父親(86歳)と母親(85歳)とともに3人で暮らしています。

森田さん曰く「子どもが2人おりますがすでに成人しており、今後は養育費の支払いや援助する予定などはありません。私の現在の年収は約500万円ですが、今後の年金が気がかりです」とのこと。ご自身の年金はどのくらいか、またどのように受け取るべきかということが今の最大の悩みのようです。

「大学を卒業してから60歳まで今の会社で勤務しています。年金は国民年金と厚生年金、それに会社の方で確定給付企業年金(DB)と企業型確定拠出年金(企業型DC)があります。ほかに退職一時金の制度もあるのでかなり充実しているとは思うのですが、元来の心配性ゆえ、一人きりとなってしまうだろう老後が不安で、さらにiDeCoにも加入しました」

そのほかにも、今は元気に暮らしている両親の介護のことも心配のご様子。自宅はお父様所有のため将来的には相続することになっているそうですが、自身の現在の預貯金は約300万円とのこと。万一、ご両親のどちらかが要介護状態になってしまったら自宅のリフォームが必要になるかもしれない、もしくは施設に入所しなければならなくなったら…?などと不安は尽きないそうです。

ベースとなる公的年金の国民年金と厚生年金の受取額を確認

公的年金の受給額を確認する場合、もっとも手軽にできるのが「ねんきん定期便」です。手元に「ねんきん定期便」が届いていれば、確認してみましょう。

森田さんは大学を卒業してから、今勤務している建設会社で22歳から38年間働いています。ねんきん定期便によると、65歳から受け取れる公的年金見込額は国民年金と厚生年金を併せて年額180万円と分かりました。

月額に換算すると毎月15万円です。現在は親子3人で暮らしていて母親に家計を任せきりとのことで、毎月の生活費がいくらかかっているのかを把握するのは難しいかもしれません。一度、月額15万円で生活できるのか、どのような暮らしができるのか、現状を聞いてみて将来の自分の生活イメージにあてはめてみることをおすすめします。

確定給付企業年金(DB)と企業型DCとiDeCoはいくらになる?

森田さんの場合、勤務先は確定給付企業年金(DB)と企業型DCの両方を導入しています。iDeCoには7年前に加入し、月額1万2000円拠出しているそうです。iDeCoについては加入期間が短いため、わずかな金額にしかならないだろうとは思っているものの、将来のためにストックしておきたいと考えているそうです。

会社からの書面を見てみると、確定給付企業年金は一時金として受け取る場合は約1000万円ということが分かりました。

一方、年金として受け取る場合は、受取期間5年では年間約200万円、10年で約100万円です。いずれも年間の受取額となるため、ご両親の生活が心配なら、60歳の時点で一時金としてまとめて受け取ることを検討しても良いでしょう。

企業型DCの掛金は月額1万円で、現状の運用利回りは約2.0%。運用益は約60万円、積立元本は240万円、運用結果は約300万円ということでした。

一時金として受け取る場合は約300万円、年金として受け取る場合は現状の利回りで推移したとすると受取期間5年で年間約60万円、10年で約30万円、15年で約15万円です。

また、iDeCoは53歳から7年間、毎月1万2000円を拠出しており、運用利回りはおよそ3.0%とのこと。トータルで7年間積み立てた元本は約100万円。運用利回りの3.0%を踏まえると運用益は約10万円、運用結果は約110万円とのこと。

一時金として受け取る場合は約110万円。一方、年金として受け取る場合は、受取期間5年では年間約20万円、10年では約10万円、15年では約7万円となります。

確定給付企業年金、企業型DC、iDeCoの全て約1500万円を一括で受け取る方法もあります。どれかを年金で受け取るなら、金額が確定している確定給付企業年金が良いでしょう。

自分の受取方法とともに、両親の希望もヒアリングしよう

始めは浮かぬ表情で伏し目がちだった森田さんでしたが、「確かに全て一括で受け取るより、国民年金以外にも年金の形で受け取れるものを確保しておくのはよさそうですね」と、ほっとした表情に。少し肩の荷が下りた様子です。

森田さんのベースとなる公的年金は、65歳から月額15万円、年間180万円ですが、もうひとつ明確にしておくべきことは、ご両親の年金等の収入面です。

森田さんは自身の年金のことだけでなく、ご両親の介護についても心配していますので、ご両親が受け取っている年金額はいくらなのか、また将来どのような介護を希望するのかをきちんと確認しておくことが欠かせません。

森田さんの預貯金は約300万円ですが、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金とは別に退職金(一時金)として約1000万円が支給される見込みとのこと。さらにiDeCoとあれば、それぞれの金額にばらつきはあるものの、60歳で一時金として受け取る、年金として受け取る等、加入している制度ごとに受取方法を選ぶことはできます。

制度の手厚い会社に勤めていることに加え、将来に備えてご自身で選択して備えてきたこともあり、今の家族構成のまま大きな変化がなければ十分暮らしていけそうだと何となくイメージが湧いたようです。

今のうちにご自身が将来一人暮らしになった時の生活費のシミュレーションをしておくこと、さらにご両親に今後必要となるかもしれない介護費用を見積もっておきたいとのこと。課題解決の方向性が明確になったことで、老後についても前向きになれたようでした。

飯田 道子/ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト。金融機関勤務を経て1996年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住相談や金融・保険情報を得意としている。数秘&カラーの上級トレーナーとしての顔を持ち、セッション等も行っている。

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