1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

手当の返還を求められるケースも! 「税金」と「社会保障」の異なる扶養の判断方法に注意

Finasee / 2024年10月16日 13時0分

手当の返還を求められるケースも! 「税金」と「社会保障」の異なる扶養の判断方法に注意

Finasee(フィナシー)

2024年10月からパートやアルバイトで働く人たちへ社会保険の適用が従業員数51人以上の企業に拡大されます。扶養はとても複雑な制度のため、年収と保障のバランスに悩まれている方も多いでしょう。

この機会に「扶養の壁」の理解を深めるのはいかがでしょうか。ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子氏に年収が上がるごとに、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説してもらいます。(全3回の3回目)

●第2回:負担だけ増えて働き損⁉ 「106万円の扶養の壁」を超えたらどうなるの?

※本稿は、塚越菜々子著『「扶養の壁」に悩む人が働き損にならないための38のヒント』(東京ニュース通信社)の一部を抜粋・再編集したものです。

「130万円の壁」を越えたらどうなる?

収入が「130万円の壁」を越えた場合、夫の社会保険の扶養ではいられなくなります。

勤務先に「106万円の壁」が適用されていない場合、年収が130万円を超えただけでは社会保険には加入はできません。

妻自身で国民健康保険・国民年金に加入する必要が生じます。自分で保険料を負担するわりには、「健康保険・厚生年金」に比べて、保障が薄い状況になります。

このケースで社会保険への加入を望む場合は、「1週間の所定労働時間および1カ月間の所定労働日数が、正社員の4分の3以上であること」が、必要条件とされています。

「103万円の壁」に代表される「税金の扶養」は、同じ年の1~12月までの給与収入の「結果」で判断されます。

それに対して、「社会保険の扶養」の「106万円の壁」は会社との賃金などの「契約」で判断され、さらに、「130万円の壁」は扶養の申請から将来に向けた収入の「見込み」で判断されるのです。

このように、判断基準に違いがあることを念頭に入れておきましょう。

夫の会社から「手当の返還」を求められるケースに注意!

扶養手当は、実施の有無や金額、支給の条件などが会社によって異なります。

妻の所得制限は夫の勤め先の年末調整時に判断されることが多いです。その際、注意したいことがあります。所得制限の額をオーバーし、手当の「対象外」と判明した場合、時間を遡って手当金の返還を命ずる旨を就業規則に規定している会社があるからです。

仮にオーバー期間が1年、扶養手当が1万円だとしたら、12万円を会社に返還しなければならないのです(130万円などその他の収入制限の規定でも同様)。

扶養手当の対象外となったら、夫の勤務先に届け出る必要があります。
 

「扶養の壁」に悩む人が働き損にならないための38のヒント
 

著者名 塚越 菜々子

発行 東京ニュース通信社、発売 講談社

価格 1,650円(税込)

 

塚越 菜々子/ファイナンシャルプランナー

株式会社KANATTA代表。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公的保険アドバイザー。税理士事務所で10年超勤務。延べ500社以上の決算業務や確定申告に携わる。会社の労務・税務にかかわる中で、一般生活者のマネーリテラシーの底上げの必要性を実感し、2016年にFPとして独立。保険や金融商品を取り扱わない独立系FPとして、主に共働き世帯の女性を中心に年間200件の家計相談を行う傍ら、運用経験の全くない女性向けの確定拠出年金・つみたてNISAセミナーや、公的年金セミナーなど多数開催。YouTubeやSNS等でもわかりやすい情報を積極的に発信している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください