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国民年金+厚生年金+企業型確定拠出年金(企業型DC)+iDeCo、老後資金はどう受け取る?

Finasee / 2024年10月7日 19時0分

国民年金+厚生年金+企業型確定拠出年金(企業型DC)+iDeCo、老後資金はどう受け取る?<br /><br />

Finasee(フィナシー)

一人娘に負担をかけたくない…、老後は大丈夫?

メーカーに勤務する会社員の溝渕さん(仮名)は60歳。今年30歳になる一人娘がいるものの、独立して他県で生活しているといいます。ご自身は1年前に夫と死別、現在は1人暮らし。溝渕さんいわく、「娘はいますが、いつかは嫁いでいくと思います。そんなとき、自分のことが負担となって娘の結婚の選択肢を狭めたくはありません。経済的に自立しているとは思っているのですが、現状の蓄えや年金だけで今後生活できるのか心配です」とのこと。

溝渕さんは、大学を卒業して新卒で働き始めた会社に勤め続けており、産休等も最低限の日数で働いてきたとのこと。「22歳から38年間、国民年金と厚生年金に加入しています。途中から、会社で始まった企業型確定拠出年金(企業型DC)と、そのほかに自分でiDeCoにも加入しています」と溝渕さん。住まいのマンションのローンは夫が亡くなった際に死亡保険金等で完済し、現在の預貯金額は2000万円。年収は450万円とのことです。

今の溝渕さんの悩みは、現状の年金のみでセカンドライフを送るのに問題はないか、どのように受け取ればよさそうかということ。具体的に受け取ることができる金額はいくらになりそうかを踏まえながら、セカンドライフの生活費についても考えてみましょう。

国民年金と厚生年金でベースとなる公的年金額を算出する

溝渕さんは大学を卒業した22歳から38年間、同じ会社で働いています。溝渕さんが65歳から受け取れる公的年金見込額は、厚生労働省の公的年金シミュレーターによれば国民年金と厚生年金を併せて年額169万円。月額に換算すると約14万円です。毎月の生活費として使える金額が14万円となると、決して多くはないかもしれません。まずは日々の生活費はどれくらいかかるのかを確認し、セカンドライフではいくら必要になるのかを計算しておくことが大切です。

ただし、溝渕さんのケースでは産休を挟んでいるため実際に受け取れる年金額はシミュレーション結果よりも少なくなってしまう可能性があり、あくまでも参考金額にすぎません。実際にいくら受け取れるのかは、「ねんきん定期便」等で確認することが大切です。

企業型DCとiDeCoがいくらになるのか確認しよう

溝渕さんの会社では企業型DCを導入しています。一方、iDeCoにも加入できる会社だったため、ご自身の判断で5年前から加入しているとのこと。以来、月額2万円を拠出しているそうです。

「自営業の友人から節税にもなると聞いて、iDeCoに興味を持ったのがきっかけです。私の場合、拠出限度額は2万円まで可能だったので、毎月その額を支払っています。将来の年金収入は一人分ですので、少しでもセカンドライフに余裕が出ればと考えて積み立てています」と溝渕さん。

企業型DCには20年間加入しており、現状の運用金額は約880万円となっています。ただしDCですので今後の運用次第で金額の増減があります。

仮にこの額を年金として受け取る場合、受取期間5年では年間約175万円、10年では約88万円、15年では約60万円です。一時金として受け取って早いうちに手元資金としてストックしておくのか、年金として定期的に受け取るべきか、ほかの年金と併せて考えることが大切です。

iDeCoは55歳から5年間、毎月2万円を拠出しており、運用利回りはおよそ2.5%とのこと。トータルで5年間積み立てた元本は120万円。運用利回りの2.5%を踏まえると運用益は約8万円、運用結果は約128万円と計算されます。  

この場合、一時金として受け取る際には約128万円となります。一方、年金として受け取る場合は、受取期間5年では年間約25万円、10年では約13万円、15年では約8.5万円となります。

企業型DC、iDeCoの全て約1000万円を一括で受け取る方法もありますし、年金として受け取ることも可能です。とはいえ、今の60歳はまだまだ若く十分に働くことも可能ですので、65歳まで働くという選択を加えても良いかもしれません。

大まかですが、受け取れる金額がいくらになりそうかがイメージできたと溝渕さん。今後、自身がどのような生活を送りたいのか、どのようなことを楽しみたいのかを考えて、あらためて必要になりそうな資金額を算出してみたいとのこと。

娘さんの手を煩わせたくないと考えている溝渕さんですから、ご自身が望むセカンドライフのためにももう少し働き続けることを視野に入れてみるのは前向きな判断といえましょう。

飯田 道子/ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト。金融機関勤務を経て1996年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住相談や金融・保険情報を得意としている。数秘&カラーの上級トレーナーとしての顔を持ち、セッション等も行っている。

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