子会社の株式分割も話題のソフトバンクグループ!株式購入のほかに知っておきたい”もう一つの選択肢”とは?
Finasee / 2024年10月16日 16時0分
Finasee(フィナシー)
ソフトバンクグループは、スマートフォン向け半導体デバイスの設計で支配的なシェアを持つ英アームを傘下に持ちます。また国内で知名度の高いLINEヤフーやPayPayもグループ企業です。これらのことから、ソフトバンクグループへの投資を検討する人は多いでしょう。
しかしソフトバンクグループは株価水準が大きく、1単元(100株)の購入に約87万円が必要です(2024年10月1日終値:8682円)。資金的なハードルから、株式の購入は難しいという人も多いでしょう。
その点、投資信託なら少額から投資ができます。ソフトバンクグループへ集中投資する特化型ファンドもあります。では、どのような投資信託ならソフトバンクグループに投資できるのでしょうか?具体的な銘柄を紹介します。
投資会社のソフトバンクグループ 通信・メディア・決済のソフトバンクまずはソフトバンクグループの概要を押さえましょう。
ソフトバンクグループは東証の業種区分で情報・通信業に分類されています。しかし、実態は投資会社に近い性質を持ちます。
ソフトバンクグループは2017年にソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の運用を開始しました。SVFは主にハイテク株に投資し、その損益はソフトバンクグループに反映されます。
SVFの運用開始から、ソフトバンクグループは業績の変動が大きくなっています。2019年度は15年ぶりの最終赤字に転落。しかし翌期は一転して国内で歴代最大となる4.9兆円もの純利益を稼ぎました。以降は純損失が続いている状況です。
出所:ソフトバンクグループ 有価証券報告書より著者作成なお、ソフトバンクグループは子会社のソフトバンクも上場しています。ソフトバンクは通信事業の盤石な収益基盤が強みで、利益はソフトバンクグループより安定的です。またLINEヤフーやPayPayは、ソフトバンクに連結されています。
出所:ソフトバンク 有価証券報告書より著者作成ソフトバンクグループは、ソフトバンク株式の約40%を保有する親会社です。しかしソフトバンクグループの業績は、先述の通り投資損益の影響を強く受けます。
通信ブランドとしての「ソフトバンク」に魅力を感じるなら、子会社のソフトバンクへ投資するとよいでしょう。
ソフトバンクは株式分割で最低投資額10分の1に…株主優待も新設!総利回りは?子会社のソフトバンクは、2024年9月に実施した株式分割でも話題です。分割割合は1:10で行われ、1単元(100株)の最低購入額は、およそ20万円から2万円に低下しました。
ソフトバンクは、分割と同時に株主優待の新設も公表しました。優待は1,000円相当のポイントを進呈する内容です。1年以上かつ100株以上を保有する株主が対象となっています。配当金と株主優待を考慮した総利回りは、足元で9%台後半に達しています。
【ソフトバンク(子)の配当・優待利回り】
・株価:191円(2024年10月1日終値)
・予想配当金(分割考慮後):8.6円
・予想配当利回り:4.50%
・株主優待:1,000円相当のPayPayポイント
・優待利回り:5.23%
・配当+優待総利回り:9.73%
※株主優待は2025年3月末を起算日として1年以上かつ100株以上の保有が対象
※優待利回りおよび配当+優待総利回りは100株保有時
出所:ソフトバンク 株式分割および定款の一部変更、ならびに株主優待制度の新設に関するお知らせ
先述の通り、子会社のソフトバンクは株式分割で投資しやすくなりました。しかし親会社のソフトバンクグループは、投資に比較的まとまった金額が必要です。
国内株式は原則として100株単位で売買します。株価が8000円を超えるソフトバンクグループ株式は、売買に80万円超の資金が必要です(2024年10月1日終値:8682円)。
しかし投資信託なら、多くの場合100円~1万円で購入できます。以下のようにソフトバンクグループ株式を組み入れる銘柄を買えば、間接的な投資が可能です。ソフトバンクグループ株式は、日経平均株価を参照するインデックスファンドやITをテーマに持つ投資信託などで組み入れられる場合があります。
【ソフトバンクグループ株式を組み入れる投資信託の例】
出所:各銘柄の月次レポートなお、子会社のソフトバンクは以下のような投資信託で組み入れがあります。高配当株式へ投資するテーマ型ファンドで組み入れられる傾向にあります。
【ソフトバンク株式を組み入れる投資信託の例】
出所:各銘柄の月次レポート特化型ファンドも ソフトバンクのグループ企業に集中投資なお、ソフトバンクグループそのものをテーマに持つ投資信託もあります。「ソフトバンク&SBIグループ株式ファンド」は、ソフトバンクグループとSBIホールディングスのグループ企業に集中投資します。SBIホールディングスは、もともとソフトバンクの子会社でした(現在は資本関係なし)。
ソフトバンク&SBIグループ株式ファンドは、1銘柄への投資割合が10%を超える特化型の投資信託です(1銘柄の組入比率上限:33.3%。2024年4月時点)。ソフトバンクグループ株式とソフトバンク株式を合計した組み入れ比率は6割を超えています。
【ソフトバンク&SBIグループ株式ファンドの組入上位5銘柄】
・ソフトバンク:32.5%
・ソフトバンクグループ:31.4%
・LINEヤフー:15.2%
・ZOZO:7.0%
・SBIホールディングス:5.4%
※2024年8月末時点
出所:ソフトバンク&SBIグループ株式ファンド 月次レポート
投資信託を使った投資は、投資割合が薄まるデメリットがあります。ソフトバンクグループへ集中的に投資したいなら、個別の株式を購入しましょう。投資信託なら、特化型ファンドの「ソフトバンク&SBIグループ株式ファンド」も選択肢です。
ただし、投資信託では配当金や株主優待を直接受け取ることはできません。子会社のソフトバンクは配当利回りや優待利回りの高さが魅力です。これらを受け取りたいなら、やはり個別の株式を購入するのがよいでしょう。
若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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