人生100年時代、何歳まで働くべき? “65歳定年”の会社も増え、約5割がシニア向け研修も実施
Finasee / 2024年10月11日 12時0分
Finasee(フィナシー)
“定年のスタンダード”はどうなっている?
昔は定年といえば「60歳」が一般的でした。現在では、何歳を定年とする企業が多いのでしょうか。一般社団法人プロティアン・キャリア協会が調査(対象74社)したところ、以下の結果となりました。
出所:一般社団法人プロティアン・キャリア協会「シニア社員のキャリア施策に関するアンケート調査」最も多かったのは「60歳」で、約7割(73%)を占めています。相変わらず主流は「60歳定年」のようです。
とはいえ「65歳」も約2割(22%)という結果に。少しずつ「65歳への延長」が進んでいる様子が見て取れます。
国も企業に対して、“65歳までの安定した雇用を確保すること”を求めています(高年齢者雇用安定法)。また2025年4月からは、「希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入」などが企業に求められます。近い将来「65歳定年」がスタンダードになるかもしれません。
なお、定年を「70歳」にしている企業は、わずか1%にとどまりました。ごく少数派という状況です。
ただし前述の「高年齢者雇用安定法」により、「70歳まで働けるようにすること」が、企業の努力義務になっています。実際に同調査では、約2割(24%)の企業が「70歳までの就業機会の確保を行っている」と答えました。
特に製造業は、約3割(29%)が、70歳までの就業機会確保に前向きなのだそう。いずれは、70歳まで働くことが当たり前の時代がくるかもしれません。
半数の企業が、シニアの“キャリア研修”に力を入れている!シニア人材が増える中、シニア社員向けのキャリア研修を行う企業も増加。同調査によれば、なんと約5割(52%)が実施しています。
出所:一般社団法人プロティアン・キャリア協会「シニア社員のキャリア施策に関するアンケート調査」シニア社員は、働く環境や立場、役割が変化することも。すると、働く意欲が下がってしまう可能性もゼロではありません。
活躍し続けるためには、強みやスキルを再確認し、キャリアを再設計することが大切でしょう。そうした場として、キャリア研修の活用がさらに増えそうです。
企業が注目しているのは、研修だけではありません。約6割(58%)の企業がキャリアコンサルタントを活用。キャリア研修を行っている企業に絞れば、約7割(72%)に上ります。
業種別に見ると、特に多いのが、「金融業」(67%)と「製造業」(63%)です。
出所:一般社団法人プロティアン・キャリア協会「シニア社員のキャリア施策に関するアンケート調査」変化が激しい世の中。特に金融業や製造業では、急速な技術革新に対応するため、常にスキルアップやキャリア転換が求められています。こうしたことを背景に、キャリアコンサルタントの活用が増えていると推測されます。
85%の企業が、定年後再雇用制度を用意「定年後も働きたい」と考える人に対して、企業側はどのように対応しているのでしょうか。
同調査では、定年後再雇用制度についてもアンケートを実施。すると約85%が「設けている」と回答しました。
出所:一般社団法人プロティアン・キャリア協会「シニア社員のキャリア施策に関するアンケート調査」定年を伸ばし、学びの機会を用意して、さらに定年後再雇用制度を用意する……こうした状況から見えてくるのが、企業の「もっとシニア世代に働いてもらいたい」という姿勢です。
労働人口の先細りが懸念される日本。シニア世代には、実務の中で培ってきた技術や知識があります。“即戦力”としての活躍が期待できるシニア世代を、企業側が重視している様子がうかがえます。
「老後、年金だけだと不安」と考える人も多いはず。ましてや物価高が続き、生活費は膨らむ一方。「働けるうちは働きたい」「長く働いて、不安なく暮らしたい」と考える人も増えることでしょう。
法改正により、長く働ける状況は整ってきています。自分は何歳まで働きたいのか、働くべきなのか。資産形成の計画とあわせて、早いうちから考えておくのが良さそうです。
《調査概要》 シニア社員のキャリア施策に関するアンケート調査 調査期間:2024年4月15日〜2024年5月31日 集計期間:2024年6月1日~2024年9月5日 対象者:人事部門担当者 有効回答:74社
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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