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20年前に「世界のベスト」に投資していたら今いくら? 「リーマン・ショック」の大暴落があっても長期では大幅プラス!

Finasee / 2024年10月23日 8時0分

20年前に「世界のベスト」に投資していたら今いくら? 「リーマン・ショック」の大暴落があっても長期では大幅プラス!<br />

Finasee(フィナシー)

20年前の今頃…

今から20年前の2004年10月、新潟県中越地方で震度7を記録する地震があり、死者68人、重軽傷者4700人余りを出した。この年、5月に小泉純一郎首相(当時)が2度目の北朝鮮訪問を行い、拉致被害者であった蓮池薫さん、地村保志さんらとともに帰国した。また、7月には三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスが合意し、2005年10月に経営統合して世界最大の金融グループが発足すると発表した。また、国内のプロ野球はオリックスと近鉄の合併に端を発した再編問題で大揺れし、楽天が新規参入した他、ダイエーがソフトバンクに代わった。

この頃、株式市場は企業業績の好調を受けて活況だった。特に米国株価は好調で、2000年のITバブル崩壊を受けて2001年に前年比マイナス13.4%()だった米国S&P500の1株当たり利益成長率が、2002年にプラス2.1%、2003年はプラス12.5%と徐々に加速し、2004年はプラス23.7%と大幅な増益を記録した。このような過熱気味の景気の熱を冷ますため、米FRBは2004年6月から利上げに転じ、2006年6月まで小刻みな利上げを2年間にわたって続ける。この間、株価は緩やかな上昇を続けることになった。ところが、2008年に100年に1度といわれる大ショックに見舞われた。

そんな20年前に「インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」に投資したとしたら、今頃はいくらになっているだろうか?

「世界のベスト」とは?

「世界のベスト」は、愛称の通りに、世界の上場企業(新興国市場を除く)から、「ベスト」と言える企業を厳選して投資するファンドだ。選定基準は、「成長」と「配当」と「割安」という3点。ビジネスに高い競争優位性を持ち財務内容も健全で景気に左右されることなく継続的に高い成長が期待できる企業を選び出し、同社が分析した本質的価値よりも株価が割安な水準にある企業に投資する。その際に、継続的に配当を実施する余力があり、増配等の可能性のある企業に着目するようにしている。

一般的に、企業の成長に着目すると、株価が割高な水準に買い上げられているケースが多いが、その中で長期的な目線で判断して割安にあると考えられる銘柄を厳選することによって、その時々の市場が「グロース株(成長株)相場」でも「バリュー株(割安株)相場」でも市場環境にかかわらず、全天候型で安定的に収益があげられる運用をめざしている。銘柄を絞り込む要素の1つとして「配当」に着目しているため、インカム収益の積み上げも期待され毎月決算で分配金を払い出す運用にも対応可能だったのだろう。

同ファンドは、1999年1月の設定だが、2016年12月までは年2回決算で分配金を出していた。それが、2017年1月以降に毎月決算型に変わった。そして、1万口当たり毎月150円の分配金を出し、その高い分配金が注目されて純資産残高が大きくなっていった。

過去10年間の年平均リターンは?

2024年9月末時点の「世界のベスト」の10年間のトータルリターンは年9.76%(商品分類平均:9.01%)になっている。5年では年17.52%(同:13.93%)、3年で年21.83%(同:7.53%)という成績だった。いずれも、「追加型/内外/株式」という投資信託協会の制定した商品分類の平均を大きく上回る運用成績になった。 

ただ、毎月決算型で分配金を受け取り続けていると、その運用成果は異なったものになる。たとえば、20年前に100万円を同ファンドに投資した場合、2024年9月末時点の評価額は95万1360円と投資元本を4万8600円下回っている。ただし、この間に166万7500円の分配金(税込み)を受け取っていて、基準価額のマイナス分を差し引いて約162万円の収益があった。投資元本は分配金込みで資産価値は2.67倍になった計算だ。

また、2004年10月から20年間、毎月月末に1万円ずつ積立投資をしてきた場合、2024年9月末までに240万円の投資元本になるが、評価額は216万8000円になる。23万2000円のマイナスだ。この間に受け取った分配金(税込み)は280万6000円になる。投資元本に対して分配金込みで資産価値は2.17倍相当になった。

「毎月決算型」はNISAの対象商品ではないので、分配金から20%の税金が源泉徴収されることになる。先ほどの資産価値も収益部分から20%減額する結果になる。資産を積み上げて増やすという考え方であれば、分配金を受け取らずに再投資するか、分配金の払出が少ない年1回決算型を選ぶ方が良い。年1回決算型であれば新NISA成長投資枠の対象商品だ。また、2023年9月に「奇数月決算型」が新設されている。こちらは新NISA成長投資枠の対象なので、分配金も20%の課税なく受け取ることができる。

 (出所)投資信託協会のデータを使って筆者作成 

リーマン・ショックで吐き出した利益を取り戻す

なお、この20年間は2008年の「リーマン・ショック(世界金融危機)」を含む期間になっているため、過去10年と過去20年の投資成果に大きな隔たりがある。2004年から2006年まで積み上げた収益を2008年の「リーマン・ショック」で全て吐き出した上で、さらにマイナスの収益となり、そのマイナス分を取り戻したのは2013年1月になってからだ。この9年あまりの期間は、投資している価値がなかった期間ということになる。

ただ、実際に投資することを考えると、2004年の時点で「リーマン・ショック」のような危機がやってくることを予測できるものではない。むしろ、「リーマン・ショック」のような100年に1度といわれるような株価の大暴落があったとしても、それから10年間、継続して投資を続けていれば、十分な投資収益をあげられたということが重要だろう。株式のようなリスク資産への投資は、少なくとも10年単位で長期投資することを前提に投資を考えたい。

結果:20年前に100万円を「世界のベスト(毎月決算型)」に投資していたら
約162万円の利益! 

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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