函館に札幌、北海道の街に人が押し寄せるワケとは 「街のブランド力ランキング」から「高ブランド偏差値」の街の条件を探る!
Finasee / 2024年10月17日 19時0分
Finasee(フィナシー)
函館に金沢……トップ5は全て、有名な観光地!
ブランド力のある街といえば、皆さんはどこを想像するでしょうか。優美な王朝文化が息づく京都、伝統とモダンが融合した横浜などを挙げる人も多いのでは。
大東建託株式会社が、18万人以上を対象にアンケートを実施。全国の自治体の「認知度」「イメージ」「訪問経験」などを組み合わせ、「ブランド偏差値」として数値化したところ、次のような結果となりました。
出所:大東建託株式会社「自治体ブランドランキング2024<全国版>」まずはトップ5から。
1位「北海道函館市」、2位「石川県金沢市」、3位「北海道札幌市」、4位「神奈川県鎌倉市」、5位「兵庫県神戸市」。観光地として有名な自治体が、トップ5を占める結果となりました。
街のブランドイメージを構成する要素はたくさんあります。例えば歴史や文化、自然、特産品などが、その代表。観光地にはこうした要素が詰まっています。トップ5は特に、ほかにはない“らしさ”が凝縮しているのでしょう。
1位に輝いた函館市を例にとれば、函館山頂から眺める「100万ドルの夜景」、歴史の舞台となった「五稜郭」、イカをはじめとした海の幸……確かに、“わざわざ行く価値あり”の独自の魅力がたくさんありそうです。
根強い人気の「北海道」と「沖縄」、トップ30に市町村が多数ランクイントップ30を見ていて目立つのは、北海道と沖縄です。どちらも4自治体ずつランクイン。両者が30のうち8を占めており、およそ4割にも及ぶ計算です。
ちなみに北海道は、1位「函館市」、3位「札幌市」、10位「小樽市」、11位「富良野市」に登場。沖縄は、13位「石垣市」、15位「宮古島市」、21位「那覇市」、27位「沖縄市」で名前が挙がっています。
目を引くのが、15位の宮古島市。訪問した人はわずか7.5%と、トップ30の中で2番目に低い訪問率です。そうした中でも15位に名を連ねているのは、「いつかは行ってみたい」と憧れる人が多い証しといえそうです。
一方で、札幌市は約4割(36.8%)の人が訪問。その上で見事“三強”の一角を占めました。つまり、イメージと実力を兼ね備えているということ。3位に選ばれているのも納得です。
ほかにトップ30の中で際立つのが、海辺の街の多さ。ここまで挙げた自治体以外にも、6位「静岡県熱海市」をはじめとして、18位「静岡県伊豆市」、26位「広島県尾道市」、30位「神奈川県逗子市」などが挙げられます。
国土が海に囲まれているため、海に面した自治体が多いのは当然。とはいえランキングで多く登場するのは、海ならではの景色や波の音、海産物といった要素が、ブランドイメージにつながりやすいのかもしれません。
宇治茶や今治タオルなど、特産品もブランド力アップに!同調査では、トップ50も発表されています。見てみると“特産品”がカギを握っていると思われる自治体も。
出所:大東建託株式会社「自治体ブランドランキング2024<全国版>」その一例が、23位「新潟県魚沼市」です。
訪問したことがあるのはわずか6.8%と、トップ30のうち最も低い数字。そうした状況でランクインしているのは、ブランド米「魚沼産コシヒカリ」の影響も大きいと推測されます。
さらに25位「京都府宇治市」は高級茶で知られる「宇治茶」、34位「愛媛県今治市」は、吸水性の良さにも定評のある「今治タオル」がカギを握りそうです。
ちなみに意外なのが、東京都内の自治体が一つも入っていないこと。別記事『「街の住みここちランキング2024<都道府県版>」意外な街がランクイン! 20代以上の男女が憧れるのは?』にあるとおり、「住みたい街ランキング」では東京23区が上位を占めています。
ところが一転して、トップ30はおろか、トップ50にも登場しないのです。“住む街”となると利便性が問われますが、あくまで“イメージの良い街”という観点で考えると、違った結果になるということでしょう。
物件の資産価値は、何か一つの要素で決まるわけではありません。立地や周辺環境、そして今回注目したブランドイメージなど、さまざまな条件が関わってきます。広い視点をもって判断するためにも、こうしたアンケートをうまく活用したいものです。
《調査概要》 自治体ブランドランキング2024<全国版> 調査期間:2024年2月21日〜2024年3月14日 調査対象:全国47都道府県(対象自治体1,890)居住の20歳以上の男女 回答者数:183,727名
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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