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ゆうちょ銀行・郵便局では「S&P500」が継続してトップ! 株価下落警戒でバランスファンドは「均等型」が優位に

Finasee / 2024年10月30日 8時0分

ゆうちょ銀行・郵便局では「S&P500」が継続してトップ!  株価下落警戒でバランスファンドは「均等型」が優位に

Finasee(フィナシー)

ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋の2024年9月のトップは引き続き「iFree S&P500インデックス」だった。第2位に「つみたて先進国株式」が浮上し、「大和ストックインデックス225ファンド」は第3位に後退した。また、バランス型では「JP4資産均等バランス」や「野村6資産均等バランス」など均等バランス型のファンドがランキングを上昇し、「野村世界6資産分散投信(成長コース)」や「JP4資産バランスファンド 成長コース」など株式への組み入れ比率を高めた「成長コース」のランキングがダウンした。

 ◆S&Pは史上最高値を記録、TOPIXは一進一退

ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋ファンドは、代表的な株式インデックスファンドと、バランス型ファンドに二分されている。トップ10の上位には、株式インデックスファンドがならび、トップの「iFree S&P500インデックス」、第2位の「つみたて先進国株式」、第3位の「大和ストックインデックス225ファンド」、そして、第4位の「つみたて日本株式(TOPIX)」の4銘柄は、顔ぶれが変わらず、その順位は米国株式が優位、国内株式優位と、時々の市場環境によって強弱感がある。

9月のランキングの特徴は、トップの「iFree S&P500インデックス」に続いて第2位に「つみたて先進国株式」が浮上し、米国株式優位が強いことだ。「つみたて先進国株式」は、MSCI コクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)という日本を除く先進国株式インデックスに連動する投資成果をめざすファンドで、9月末現在の米国株式の組み入れ比率は74.2%になっている。組み入れ上位銘柄も、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、メタ、アルファベットと米国株式が上位10銘柄を独占している。これは、米国株式だけで構成された「iFree S&P500インデックス」のトップ10銘柄とも概ね重なる。

9月18日に米FOMCで政策金利(FFレート)を0.5%引き下げる決定があったことが追い風となり、19日にS&P500指数が史上最高値を更新して以降、月末まで株高局面が継続した。これに対して国内株価は、日経平均株価もTOPIXも一進一退の動きで横ばいだった。この株価の動きがインデックスファンドの人気に直結したようだ。

◆「均等投資」と「成長コース」の人気を分けた明らかな差

ゆうちょ銀行・郵便局の売れ筋トップ10の5位以下を占めるグローバル・バランス型ファンドでは「JP4資産均等バランス」と「野村6資産均等バランス」それぞれの均等投資ファンドのランキングが上がった。「4資産均等」は国内外の株式と債券に4等分で投資する。「6資産均等」は、国内外の株式と債券とREIT(不動産投信)に6等分で投資するファンドだ。分散して投資する資産が多いほどリスクも分散されて運用成績が安定すると期待される。

実際のトータルリターンは、「4資産均等」が1年で12.94%、3年(年率)で8.39%、5年(年率)で9.18%となっており、これは、「6資産均等」の12.06%、7.01%、7.69%よりも高い水準にある。これに対してリスク(標準偏差)は、「4資産均等」が8.12%、8.2%、7.89%であり、これは、「6資産均等」の7.47%、9.2%、10.41%よりも抑えられている。「4資産均等」の方が相対的に優れた成績になった。「6資産均等」が投資するREITの成績が過去3年、過去5年で悪かったため、REITを持っていない分、「4資産均等」の方が、リスクは低いもののリターンは高いというパフォーマンスになっている。ただ、過去1年間はREITに復調の兆しがあり、「6資産均等」のリスク(標準偏差)が小さくなって、パフォーマンスの格差も「4資産均等」に近づいている。

一方、ランクを落とした「成長」コースは、株式への投資比率が70%程度と高く、その分、高いリターンが狙える半面、価格下落のリスクも高まる。たとえば、「野村世界6資産分散投信(成長コース)」の場合、トータルリターンの1年は16.06%と均等型よりも大きなリターンが獲得できている。3年(年率)10.61%、5年(年率)も11.79%という水準だ。ただ一方で、リスク(標準偏差)は9.89%、10.74%、11.77%と3年以降でやや高くなる。

トータルリターンの水準が優れている「成長コース」だが、売れ筋のランクを落としたのは、やはり8月の市場急落時の落ち込みの大きさがネガティブな印象を残していると考えられる。「野村世界6資産分散投信(成長コース)」は、7月高値から8月安値の下落率がマイナス14.25%だった。これに対し、「4資産均等型」はマイナス11.32%、「6資産均等型」はマイナス9.32%だった。この下落率の大きさが人気を左右しているようだ。ゆうちょ銀行・郵便局で投信を購入している投資家は、株価の下落リスクに警戒感が強くなっているといえるのかもしれない。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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