20年前に「netWIN」に100万円投資していたら元本が9倍に!? 米ハイテク産業の力強さを反映したファンド
Finasee / 2024年10月31日 8時0分
Finasee(フィナシー)
20年前の今頃…
今から20年前の2004年10月、新潟県中越地方で震度7を記録する地震があり、死者68人、重軽傷者4700人以上 を出した。この年、米国株式市場は好調で、S&P500採用銘柄の2004年企業業績(1株当たり利益)は前年比プラス23.7%と大幅な増益を記録した。このような過熱気味の景気の熱を冷ますため、米FRBは2004年6月から利上げに転じ、2006年6月まで小刻みな利上げを2年間にわたって続けるものの、株価は緩やかに上昇を続けた。ところが、2008年に100年に一度といわれる大ショックに見舞われた。
2008年9月に米大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破たんし、負債総額6000億ドル超といわれた規模の大きさだけでなく、その破たんの要因であった「サブプライムローン」を組み込んだ投資商品が世界の金融機関で広く保有され、リーマン・ブラザーズ破たんの余波が、世界の主要な金融機関に伝播するリスクに市場はおびえた。2008年1月に1400ポイント台だった米S&P500指数は、2009年3月には700ポイントを割り込む。これは1996年9月の株価水準であり、2000年のITバブルで上昇した値上がり分を全て吐き出してしまったことになる。
2004年10月のS&P500は1130ポイント程度の水準にあった。この水準をS&P500が超えていくのは2010年8月のことだ。そして、2011年頃からは、緩やかな上昇相場を続けていくことになる。これは、後に「ゴルディロックス相場(適温相場)」といわれる大きな上昇相場になる。あらかじめ「リーマン・ショック」を予測できるものではなかったにしろ、株価が半値に沈み込むような下落相場は避けられるに越したことはない。そんな20年前に「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース」に投資した場合と、「リーマン・ショック」後の2014年10月(10年前)に投資を始めた場合、今頃はいくらになっているだろうか? どちらの方が投資効率が高いのだろう?
「netWIN」とは? 明確なビジネスモデルに基づく投資「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」は、「netWIN」の名前が表している通り、インターネットビジネスの勝ち組企業に投資するファンドだ。1999年11月の設定で、後に「ネットバブル」と言われるようになる、1995年~2000年のネット関連ビジネスの急拡大期に企画されたファンドといえる。このファンドの優れたところは、単なる「テクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業」という漠然としたイメージではなく、「テクノロジー・トールキーパー」という明確なビジネスモデルのイメージを明らかにしていることだ。
「テクノロジー・トールキーパー」とは、例えば高速道路の建設業者のように収益機会が建設時の一度だけのような企業ではなく、高速道路の料金所のように通行料という継続的な収入源があり、かつ、交通量が増えると収入増になるようなビジネスを展開している企業をいう。そのような企業には、確立されたブランドがあり、高水準の市場シェアを持ち、商品の価格支配力も強いなどの特長がある。そのように抜きんでた企業に対し、経営陣とのミーティングなどを含めて継続的にモニターし、業界や個別企業の徹底したファンダメンタル分析によって選り抜きの企業をピックアップしているのが「netWIN」だ。
過去10年間の年平均リターンは?2024年9月末時点の「netWIN」の10年間のトータルリターンは年18.37 %という非常に優れた成績(商品分類平均:9.01%)になっている。5年では年22.47%(13.93%)、3年で年13.84%(7.53%)という成績だった。いずれも、「追加型/内外/株式」という投資信託協会の商品分類の平均を大きく上回る運用成績になった。
20年間投資と10年間投資はどちらがおトク?2004年10月に100万円を投資して保有し続けた場合、2024年9月末には693万円になった。この間に受け取った分配金の総額は約217万円(税込み)になるため、合わせると元本100万円は9倍超になった計算だ。また、2004年10月から毎月1万円を積立投資した場合、20年間での積立元本は240万円だが、積み立て評価額は910万円。この間に受け取った分配金は合計で252万円になり、合わせると積立元本の4.84倍になった。毎月1万円の積み立てを20年間継続することによって約1162万円を作ることができたことになる。
(出所)投資信託協会のデータを使って筆者作成
一方、10年前の2014年10月に100万円を投資した場合は、2024年9月末には285万円になった。この間に、分配金を約89万円受け取っていることになるため、100万円は分配金と合わせて3.74倍になった計算だ。また、毎月1万円ずつ積立投資した場合は、積立元本120万円に対し、評価額は243万円になっている。この間に分配金を約43万円(税込み)受け取っているので、120万円の元本に対し2.38倍の286万円をつくることができた。
「10年で3.74倍」と「20年で9倍超」という一括投資での投資収益の比較を考えると、やはり、成長株式への投資は長期に行うことが重要だということを感じさせる。さらに、「10年積立で2.38倍」と「20年積立で4.84倍」という結果からは、積立投資では一括投資ほど、投資期間による収益力に差がつきにくいという実態も感じられる。
ただ、「netWIN」の場合は、設定から10年間ほどは「リーマン・ショック」を経験した関係もあって分配金がほとんど出ていない。過去10年では年2回の分配金を継続的に出してきている。今回の10年と20年比較では、「リーマン・ショック」という大きな下落相場が、運用成績に色濃く影響を与えたといえる。
結果:20年前に100万円を「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」
に投資していたら、約810万円の利益!
執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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