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電話もとらないし、帰省もしない…パワーカップルが夫の実家と距離をとることで“得たもの”

Finasee / 2024年11月5日 11時0分

電話もとらないし、帰省もしない…パワーカップルが夫の実家と距離をとることで“得たもの”

Finasee(フィナシー)

飯田優菜さんは都内の大手企業で働く31歳、年収800万円の女性です。子供を持たずに、仕事に生きる人生のほうが自分には合っているのでは……だったら、結婚も難しいと考えていた彼女でしたが、2歳年上で年収900万円の彼氏、桜井雄二さんの「DINKsでやっていこう」の一言が決め手となり、結婚しました。

そうして2人だけなら順調な結婚生活を送れていました。しかし、彼の実家へ帰省した際、義両親にDINKsの意向を伝えたところ義両親が困惑してしまいます。

以後、義両親からの説得のような電話が増え、彼女はノイローゼ気味になるまで追い詰められてしまいました……。

●前編:義実家からの電話が怖い…! 孫の顔が見たい義実家 vs DINKsパワーカップルのバトルが起きたワケ

彼が一大決心! 夫婦の信頼関係はより強固に

「今までゴメン。自分が甘かったよ。もっと早く決断すべきだった」

帰省からざっと1年後、雄二さんがこのように話しかけてきました。そうして、「いつかは両親も分かってくれる」と考えていたのは甘かったとして、彼は義両親と距離をとる決断をしたというのです。

2人そろって当面、義実家からの電話はとらないようにし、帰省もナシ、仮に来訪するようなら引っ越しもしようと言ってきたといいます。

これを受けて、優菜さんは心底ホッとできたとのことでした。

実のところ、彼女はもう少しで本気で離婚を切り出すつもりだったそうです。それほどまでに、彼女は追い詰められていたといいます。ところが一転して彼がこのような決断をしてくれ、親との距離をつくらせた負い目も少しはあったものの、いっぽうで頼もしく、うれしかったとのことでした。同時に、彼が両親より自分を選んでくれたことで、彼への疑心も一気に吹き飛び、自分への強い愛情も再確認できたといいます。

雨降って地固まるでしょうか……。その後の2人は以前よりも信頼関係が強くなったといいます。同時に、決断の重さを払しょくする意味を込めて、期待できなくなった義実家の相続分を補てんするために、2人で資産運用も始めたそうです。さらに、帰省のトラウマを払しょくする意味も込めて、お盆や正月といった帰省シーズンのたびに2人で旅行に行くようにもなったとのことでした。

「彼にあのような決断をさせたことが本当に良かったのか、今でもたまに考え込むこともあります。でも不思議と、そういう時に限って必ず彼がフォローしてくれるんです。だから、彼にとってもあの決断が間違ってなかったと思ってもらえるよう、私もずっと精いっぱい彼を愛し、フォローし続けたいと思います」

ぜひ、末長くお幸せに。

結婚=子供は昭和の話。趣味や生きがいを探しておくのが「令和の老後生活」

今回はまず、とにかく義両親が残念でしたね。その立場にいる方は要注意です。

確かに昭和の頃なら、「3年子無きは去れ(結婚して3年たっても子供ができなければ離婚)」という言葉もあったように(令和の今、耳を疑いそうな言葉ですが……)、結婚したら子供はほぼ“当たり前”の価値観もありました。なので、ついそのように考えてしまう気持ちは分かります。ですが、今や時代が違うのです。

実際、国立社会保障・人口問題研究所の2021年「第16回 出生動向基本調査」によると、子供のいない既婚夫婦は、50年近く前の1977年には3.0%だったのが2021年には7.7%と、倍以上に増加しています。これは長年の不況や教育費の高騰、女性の社会進出などさまざまなことが理由ですが、ともかくまずは子供世代の事情や“多様性の時代”への理解が大事だと心得ましょう。

他方、孫をかわいがりたい気持ちも一般的に考えて自然なものですが、それに固執するのは問題であり、固執するのは「他がないから」ということかもしれません。特に本編の義両親のように、なまじ相応のお金があって働く必要がなく、金とヒマを持て余す方に多いかもしれません。

定年までに経済的に十分な老後準備をしてきた方でも、ぜひ再就職を検討するか、または別の趣味や生きがいを探しておき、家の外、つまり社会との接点を持ち続けましょう。

孫を望む親は珍しくない現実も…相続&介護について考えつつ距離を保とう

一方の優菜さんにとっては……災難でしたね。雄二さんもでしょうか。

災難ではありますが、ある意味で仕方ないともいえます。簡単な話、これがDINKsの一つのリスクです。どんなに配偶者が受け入れても、結婚は2人だけでは完結しません。そして地方によっては昭和的価値観が根強く残っているところもありますから、結果論ですが、できれば事前に根回しというか、説得できていれば良かったかと思います。

事後の対策としては、本編のように「距離を置く」、つまり「あえて疎遠にする」が基本です。最近ならオンライン帰省というのも、面と向かって会うよりは軽いので良いと思います。

ただ、親と疎遠になった際に困るのが相続です。たいていの夫婦の場合、相続財産の有無は死活問題になるほどです。本編の2人はいわゆる“パワーカップル”と呼べるほど、十分な経済力があるので、資産運用を始めたのも空気の払しょくが主目的でしたが、その他の夫婦は、まさに老後対策として資産運用に取り組むことをおすすめします。

また「介護」も課題になりがちです。いくら「距離をとる」としていても、金銭支援が必要になることもあります。そのような先々を見据えて、やはり資産運用には積極的に取り組んでおきましょう。

婚活FP山本(山本 昌義)/ファイナンシャルプランナー

商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て、2008年に「山本FPオフィス」を東京・赤坂にて開業し、独立。2020年にオフィスを滋賀県栗東市に移転。現在は日本初の「婚活FP®(商標番号:6652878号)」として、婚活パーティ開催や結婚相談所との提携を元に、主に婚活中の方や新婚夫婦などから相談を受けている。「マネー現代」にて不定期連載中、レインボータウンFMにて「子育てとお金」をテーマに不定期出演中、結婚相談所や行政での婚活セミナーも随時活動中。マイアドバイザー®、CFP®、一級FP技能士。

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