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衆院選後の株価は上がる、下がる? 過去10回の選挙結果から今後の見通しを予測

Finasee / 2024年10月28日 13時0分

衆院選後の株価は上がる、下がる? 過去10回の選挙結果から今後の見通しを予測

Finasee(フィナシー)

今回は選挙の話です。過去10回の選挙で現実に起こったことについてお話ししたいと思います。まずは次の画像を見てください。

 

93年の宮沢改造内閣から、岸田政権までの過去10回の衆院選挙のときの日経平均株価をまとめたものです。下に「Tー〇」と記載されています。

T-1とは、選挙前の金曜日の終値です。T-10は10営業日前、つまり2週間前になります。要するに、この画像は選挙2週間前を起点に、株価がどう動いてきたのかをまとめたものなのです。

前回の記事はこちら、実は富裕層が増えている!? 日銀、総務省アンケートから見る、日本の家計と経済の在り方とは

「悪いパターン」と言える動きを見せているのが、2000年、森喜朗総理のときの衆議院選挙です。T-8あたりから落ち込み、T-6 から盛り返すような動きになっています。

さて今回はどうかでしょう。2024年のデータを加えたのが次の画像です。

 

T-5 あたりから、株価が下がり始め、金曜日の段階ではまだ切り返しが始まっていません。つまり、今回は残念ながら選挙期間中に株価が低迷したパターンと言えそうです。

今回の一つ目の結論をお話ししましょう。選挙期間中に株価が低迷していたケースだけをまとめてみました。

 

2024年を含め4回あります。始まりは2000年の森政権時の選挙です。意外だと感じたのは2014年安倍さんの最初の選挙ですね。最初の選挙ということもあり、安倍政権を不安視していたのか、いったん調子は良かったものの、最後は尻すぼみで落ちていくようなパターンになりました。

21年、岸田さんのときの選挙もあまり悪くなかった。株式市場的には元気がなかったようです。

さて、ここまでは選挙前を見てきました。選挙が終わったあと株式市場はどうなるのか。まとめたのがこのグラフです。

 

プラスマイナス3%くらいでしょうか。過去の選挙で、選挙前の10営業日、株価が低迷していたケースというのは、その後も1か月くらいは株価は大したことはない。あまり期待できないと言えそうです。

今回もこのアノマリーに当てはめると選挙後の株価にはあまり期待できなさそうですね。大きくリバウンドはなさそうな形になる。

今度は、衆議院選挙後の日経平均株価の動きを1993年から2021年までまとめてみました。

 

選挙後にすごく株が上がったのは2012年、自民党が政権を取り返したときです。逆にダメだったケースもあります。不良債権処理問題があった2003年の11月小泉さんの1回目の選挙では、選挙後に下がっている。

今日の二つ目のテーマです。過去10年間の総選挙に関連した日経平均の動きを見る中で、一つ「使えるな」と思うパターン認識が見つかりました。

これです。

 

選挙後の初日の日経平均株価が強かったケースが、これまでに4回ありました。具体的には、2005年郵政解散、2012年の自民党政権奪還、17年、安倍さんの2回目の選挙、21年岸田さんのときです。

選挙後の月曜日が強いと、その後も比較的強い流れにある。逆に選挙後初日の取引が下落したパターンは過去6回ありました。

 

その後の動きは、悪くはないケースもあるがダメなケースもあり、いまいち見通せない。いずれにしても、選挙後初日の月曜日が重要だと言えそうですね。

改めて、これまでのパターンをまとめなおしてみましょう。

 

選挙に自民党と野党、どちら勝ったか負けたかで見ると、ここ10回の衆議院選挙では2009年に野党が一度勝利しましたが、それ以外はずっと自民党が勝っています。

自民党が勝利したときの獲得議席率を見てみましょう。93年から2003年までの選挙では自民党は過半数の議席を取れていません。その後、2005年小泉さんの時代になってから以降は自民党は過半数の獲得議席率を取っている。

自民党が単独過半数の議席を取っているとき、選挙後の日経平均株価の動きはどうなるのか。調べてみると、次のような形になりました。

 

どう判断するかは皆さんにお任せしますが、悪くはないと思います。2014年の安倍さんのときを見てみましょう。何回か落ち込むところはありますが、切り返してもいる。

2014年まではアベノミクスが活躍した時代です。2014年12月の選挙前、10月には「黒田バズーカ2」とも言われる2度目の金融緩和が決まり、株価がすごく上がった後なので、少し相場もつかれていたのでしょう。

話を戻すと、やはり全体で見ると、自民が単独過半数を獲得したときは強い。そう言えると私は思います。

逆に自民が単独過半数を取れなかった4回を見ていきましょう

 

2000年の森さんのときは、単独過半数は取れませんでしたが、選挙前金曜日の終値はなんとか維持して推移しているようです。

最後に今回最大のマーケットの関心事、政権が交代したケースを見ていきましょう。先ほどの10個のケースで言えば、93年の選挙で宮沢政権から細川護熙さんをトップとした連立型の日本新党に変わった時代。2009年民主党が取った時代2つあります。そのときの株価はどう動いたか。

 

選挙前金曜日の終値から少し下がっています。それでもせいぜい3%程度です。とはいえ、今は1%が380円の時代ですから、3%になると1000円以上下がるかもしれない。ただ、これまで政権交代があったケースでは10%以上下がることはありませんでした。これが現実です。

政治はときにマーケットを動かしますが、マーケットは賢い。ある程度は織り込み済みで動いていきます。今回の選挙に関して言えば、すでに総裁選の段階から株価は5%ほど下がっている。ある程度は織り込んで今回の選挙に向かうことになりました。

こうした中で短期的なマーケットの勝敗の分かれ道は、選挙後初日月曜日の展開次第となるでしょう。月曜日が強い日になるか弱い日になるか、注目しておいてもらいたいと思います。

 

「マーケット・アナライズ」はYouTubeからもご覧いただけます。

公式チャンネルと10月26日 放送分はこちらから

岡崎良介氏 金融ストラテジスト

1983年慶応義塾大学経済学部卒、伊藤忠商事に入社後、米国勤務を経て87年野村投信(現・野村アセットマネジメント)入社、ファンドマネジャーとなる。93年バンカーストラスト信託銀行(現・ドイチェ・アセット・マネジメント)入社、運用担当常務として年金・投信・ヘッジファンドなどの運用に長く携わる。2004年フィスコ・アセットマネジメント(現・PayPayアセットマネジメント)の設立に運用担当最高責任者(CIO)として参画。2012年、独立。2013年IFA法人GAIAの投資政策委員会メンバー就任、2021年ピクテ投信投資顧問(現・ピクテ・ジャパン)客員フェロー就任

マーケット・アナライズ編集部

全国無料放送の放送局「BS12( トゥエルビ)」にて隔週土曜あさ6時~放送中の「マーケット・アナライズ CONNECT」が運営する公式Youtubeチャンネルから、金融ストラテジストの岡崎良介氏の解説を中心に注目のコンテンツを「フィナシー」読者の皆さまにお届けしています。新NISAのスタートを機に投資デビューした方やこれから始めようと考えている方、さらに、投資の世界を通じて経済や企業の知識を深めたいと考えている方に、ぜひご覧いただきたい内容をお届けします!

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