4年前に「未来の世界(ESG)」に100万円を投資していたら…約66万円の利益とともに環境貢献も!
Finasee / 2024年11月1日 6時0分
Finasee(フィナシー)
4年前の今頃…
今から4年前の2020年10月、コロナ・パンデミックの衝撃は収まらず、国民に対するコロナワクチンの無料接種が話題になり始めていた。当時の首相は菅義偉氏。コロナ禍で打撃を受けた飲食店を支援する「Go toイート」キャンペーンを企画するなど、窒息しそうだった国内景気を立て直すことを必死に考え、開催を1年延期した東京オリンピック・パラリンピックの2021年開催への断固たる決意を示していた。
2020年10月1日には東京証券取引所がシステム障害で終日停止するという異常事態が起きていた。東証が全面的にシステム化された1999年5月以来で初めての事態だった。日経平均株価は2万3184円93銭、TOPIX(東証株価指数)は1625.49ポイントで取引開始直後に停止し、終日動かなかった。翌2日に再開した。
そんな4年前に「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界(ESG))」に投資した場合、今頃はいくらになっているだろうか?
「未来の世界(ESG)」がもたらす地球規模の恩恵アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界(ESG))」は、新興国を含む全世界の株式の中から、持続可能な競争優位性を持ち、高い利益成長が期待でき、市場価格が理論価格※より割安、かつ、ESG評価の観点から企業価値の向上が期待できる銘柄を厳選してポートフォリオを構築する。純資産額のうち、ESGを主要な要素として選定する銘柄への投資額(時価ベース)の比率について90%以上を目標にしている。マザーファンドの運用は、実質的にモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが行っている。
※財務情報などを元にした企業価値から算出される理論上の株価
ESG評価については、まず、環境や社会に望ましくないと考えられる業種や、企業統治の面で評価の劣る企業を除外する。たとえば、酒、たばこ、ギャンブル、化石燃料の生産、武器の製造などを主な事業とする企業は除外対象となり、国による株式保有比率が20%を超える企業も企業統治の面で問題があると考えて除外の対象となる。さらに、ESGの観点で積極的に評価できる企業については、運用チーム独自のメダルレーティング(「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」「メダルなし」の4段階で評価し、「ゴールド」は組み入れ比率増加、「メダルなし」は組み入れ除外)によって組み入れ比率を調整している。ESG評価は「HELP&ACT(健康・環境・自由・生産性・マネジメント責任・文化・信頼の7つの軸)」の観点で行っている。
「未来の世界(ESG)」は、ESG評価の高い企業を選んで投資しているため、たとえば、地球の温暖化の要因とされる温室効果ガスの排出量について2023年12月末時点の推計値で、時価総額ベースの全世界株式インデックス「MSCIオール・カントリー」採用企業の排出量がScope1(自社所有の設備などからの直接的な排出量)とScope2(他社から供給されたエネルギー使用に伴う間接的な排出量)を合わせて637であるのに対して、同ファンドの組み入れ銘柄は30しか排出していない。また、Scope1と2以外の間接排出を示すScope3では「MSCIオール・カントリー」採用企業の3907に対して、同ファンドでは250と大幅な削減を実現している。同ファンドに投資することによって、温室効果ガスの削減にも貢献することができる。これは、ファンドのパフォーマンスによる経済的な利益に上乗せして得られる満足感になるだろう。
過去3年間のトータルリターンは?2024年9月末時点の「未来の世界(ESG)」の3年間のトータルリターンは38.18 %(商品分類平均:24.35%)、1年では33.19%(同:20.92%)と、いずれも商品分類平均(追加型/内外/株式)を上回る成績になっている(商品分類は、投資信託協会による分類)。
4年前の2020年10月に同ファンドに100万円を投資していたとしたら、2024年9月末時点の評価額は166万円になった。約66万円の利益だ。同ファンドの基準価額は2021年末くらいまで堅調に推移していたものの、2022年から2023年半ばまでの期間に低迷している。この期間には、世界的なインフレ(物価上昇)の高進によって各国中央銀行が利上げに動き、世界の株式市場も頭を押さえられたような展開になった。
加えて、この時期は同ファンドが着目する「ESG」については、いわゆるグリーンウォッシュと呼ばれる「見せかけの環境保護対策」が問題視されるようになっていた。2020年以降に世界の規制当局が企業の環境保全アピールに対して、調査を行い、グリーンウォッシュに該当する判断が出た場合は罰金などを科すようになっていた。欧州では2023年3月に「グリーンクレーム(環境主張)指令」案を発表し、2024年2月にEU理事会が正式に採択した。企業が「環境に配慮している」とアピールする際には科学的な裏付けを示すよう求めている。ESGに対する正しい評価が定着するようになれば、同ファンドの投資先にもポジティブな影響が出てくると考えられる。
一方、2020年10月から毎月1万円を同ファンドで積立投資をしていた場合、2024年9月までに積立投資元本は48万円になったことに対し、積立評価額は約67.8万円になった。
(出所)投資信託協会のデータを使って筆者作成
いわゆるESGファンドの場合、社会貢献度は高いものの、残高の少なさや、リターンが低いことが、懸念材料として挙げられることが多い。同ファンドに関しては、純資産総額も順調に積みあがっており、投資家への還元もしっかり行われていることから、評価できるファンドの一つといえるだろう。
結果:4年前に100万円を「未来の世界(ESG)」に投資していたら、
約66万円の利益!
執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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