“飽き”はウェルビーイングの大敵…マンネリ化しがちな平日ランチで満足度を大幅アップさせる秘訣とは
Finasee / 2024年11月20日 11時0分
Finasee(フィナシー)
同じ予算で毎日過ごすのはつまらない!
会社員の人にとっては「食費(特にランチ)の予算」があると思います。お昼ご飯を食べるとき、「1週間あたり、いくらぐらいにしよう」というものです。
予算がいくらくらいかは、人それぞれです。年収が高い、あるいは職場近くのランチが高い店ばかり、という場合は1日あたり1000円以上で設定している人もいるでしょう。最近はランチ代も値上がり傾向があるので大変です。
社員食堂があったり、配食のお弁当屋さんがあったりする場合は1日あたり500円程度ということもあるかもしれません。お財布の大きな助けになります。
どちらの場合も「1週間あたり○○円」のようなイメージを持っているはずです。月曜~金曜までということでこれを5で割って、「1日あたりの予算」と考えるのは普通のことのようですが、実はこれ、あなたの幸福度を高めるランチ予算ではないかもしれません。
というのは、毎日ぴったり同じ金額で過ごすことは、あまりウェルビーイングを高めてくれない消費スタイルだからです。
同じ買い物の繰り返しではウェルビーイングがすり減る?以前、仕事上がりの1杯目のビールは一番満足度が高い、という話をしましたが(※)、同じことを繰り返していくと満足度はすり減っていきます。
※参考【なぜ、1杯目のビールは驚くほどうまいのか? “お金で幸せを買うこと”を考えて分かった「1つの答え」】
お金持ちのSNS投稿を見ていると、次々と高級料理店が登場します。毎日1000円どころか、5000円、あるいは10000円以上の食事をしていて、すごいなあと思います。こんな人たちは満足度の高い生活なのだろうと思いますが、実はその逆です。彼らはいつも飽きと戦って、予算を上げたり、初めてのお店をとにかく訪ねたりしているのです。
これはセレブの話だけではなく、私たちの日常生活も同じです。「ほぼ毎日同じ店で900円のランチ」とか「ほぼ毎日、550円の仕出し弁当」のように同じことを繰り返すと、どうしても飽きが来てしまいます。
飽きている、ということはコスパが落ちているということであり、お金をかけた満足度が落ちているといえます。「繰り返し」と「飽き」は日常生活のウェルビーイングにとって大敵なのです。
変化をつけると「安い」も「楽しい」になる!とある仕出し弁当の大手は、「2カ月は同じメニューを出さない!」と宣言し、お客さまの飽きがこない工夫をしています(すごい!)。会社の近くの食堂が、週替わりメニューを出す理由も同じです。
私たち自身、「昨日は焼き魚定食のお店に行ったから、今日はパスタのお店に行こう!」のように行き先を変えることがありますが、これも同様に同じ予算で飽きが来ないための工夫です。
ここでもう一工夫、「お値段の違い」も意識してみましょう。例えば週に1度は「おにぎり+お茶」にしたり、牛丼やハンバーガーなどを組み入れたりして、ぐっと予算を下げる日を組み入れてみます。
毎日牛丼だと苦痛かもしれませんが、週に1度の牛丼は楽しいごちそうになります。そして予算の落差をつけたら、週に1度は、平均予算より高めのランチを組み入れてみます。
そうすると「同じ予算で5日間ランチ」より、満足度は高まることになるはずです。面白いことに「1週間の金額は同じ」でも、変化をつけることでウェルビーイングの総量を増やせるのです。
「お昼、どうしようか」「あー、どうでもいいや」ではなく、ウェルビーイングを高める取り組みと考えてみると、いつもと同じランチもちょっと楽しいものに変わってくるはずです。
コンビニやスーパーでも「変化」や「メリハリ」を意識しようこうした工夫は、コンビニやスーパーでも試してみる余地がたくさんあります。
誰でもやっている「平日は発泡酒で週末はプレミアムビール」のような「メリハリ」は全体としての予算を抑えつつ、メリハリを作ることで週末の1杯をうれしいものとしてくれる仕掛けです。節約と満足度向上がセットになっています。
お金のやりくりが苦しいときほど、ときどきご褒美を設定してみてください。さっきのビールの話だったら、週1日休肝日を設ければ、週1日のプレミアムビールの予算が確保できることになります。毎日同じブランドで飲食するよりも、変化をつけることで1週間の満足度は増やせるはずです。
仕事で疲れたとき、ちょっとミスをしたとき、あるいはプロジェクトがうまくいって達成感があったとき、「自分にご褒美」をあげてみたくなることがあります。こういうときも、「ちょっといいスイーツ」のようなご褒美で自分をアゲてみるのもいいと思います。
いつもガマンしていたからこそ、ときどき予算をアップさせることで、金額以上の満足につながってくるのです。
意識的なメリハリで「予算は変えず幸福度アップ」を実現!家計管理、節約のコラムを読むとき「いくら減らせるか」だけに注目が集まりますが、これは出費額にだけ注目しており、満足度やウェルビーイングは置き去りになっていることがあります。
今回はあえて「メリハリつけて、幸福度や満足度を上げてみる」という話をしてみました。
節約と言うと1年365日、出費を削り続けるイメージがありますが、上手に節約をする人は逆に「メリハリ」をつけて、幸せもゲットしているというわけです。
金額だけ削るなら、とにかく何も買わなければ実現するでしょう。しかしそれではあなたの喜びはほとんどゼロになってしまいます。毎日仕事をがんばっているわけですから、それではがんばるモチベーションもなくなってしまいます。
「節約とウェルビーイング」のバランスを考えてみると、きっともっとうまいお金の使い方ができるようになり、仕事をがんばる元気もチャージできるはずです。
山崎 俊輔/ファイナンシャルプランナー
1972年生まれ。フィナンシャル・ウィズダム代表。1995年中央大学法学部法律学科卒業後、企業年金研究所、FP総研を経て独立。確定拠出年金を中心とした企業年金制度と投資教育が専門。著書『普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)、『ファイナンシャル・ウェルビーイング』(青春出版社)など多数。
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