【新NISA】複数口座の同時開設はできる?新NISAで口座開設をする前に知っておきたい「ルール」とは
Finasee / 2024年11月22日 8時0分
Finasee(フィナシー)
新NISAは基本的に1人1口座です。複数の口座を同時に開設することはできません。新NISAの2つの投資枠(成長投資枠・つみたて投資枠)を別々の金融機関に開設することもできません。
なお、年をまたいだ金融機関の変更は可能です。金融機関を変更しても、すでに投資した商品は非課税で保有を継続できます。この場合、結果的に複数の金融機関でNISA口座を保有することになります。
金融機関の変更ができるとはいえ、変更の手続きは手間がかかります。口座が分散すると管理も煩雑になります。あとで変更することがないよう、金融機関はしっかり選んでおきたいところです。
今回は新NISAの口座開設ルールと金融機関の選び方を解説します。
新NISAは複数の金融機関で口座開設することはできない冒頭でお伝えしたとおり、新NISAは1人1口座が原則です。同時に複数の金融機関で開設することはできません。また新NISAには成長投資枠とつみたて投資枠がありますが、これを分けて開設することも認められていません。
NISA口座の開設状況は税務署で管理されます。NISA口座の申し込みを受けた金融機関は、二重開設とならないよう税務署に照会します。他社で開設があった場合、NISA口座の開設は否認されることとなります。同時に2つ以上の開設を申し込んだ場合は、いずれか1つのみが開設され、その他の開設は無効となります。
金融機関のなかには、税務署の照会前に暫定的なNISA口座を開設する場合があります。暫定的な口座で投資したあと、二重開設が認められた場合、その商品は通常の課税口座へ払い出されます。
「金融機関の変更」はOK!ただし、条件があるNISA口座を複数の金融機関で開設することはできませんが、年をまたいだ金融機関の変更は可能です。例えば2024年は楽天証券、2025年はSBI証券、2026年はマネックス証券といったように、年ごとに金融機関を選択することができます。
金融機関の変更の条件は次のとおりです。
【NISA金融機関の変更の条件】
・変更したい年の前年10月1日~当年9月30日に手続きする
・変更したい年において、変更前の金融機関でNISA口座を使用していない
例えば2025年分の金融機関を変更したい場合、2024年10月~2025年9月までに手続きする必要があります。ただし、変更前の金融機関ですでに投資した場合は変更できません。2025年分のNISAで投資した場合、変更できるのは最短で2026年分からとなります。
金融機関を変更しても、すでに投資した商品は非課税のまま保有できます。各金融機関で投資を繰り返せば、結果的に複数のNISA口座を保有することとなります。
なお、新たに投資できる口座は1つです。新規投資は変更先の金融機関でのみ可能です。変更前の金融機関では、保有または売却ができます。
また金融機関を変更する場合も、累計の投資可能額(非課税保有限度額、総枠)は1800万円です。複数のNISA口座を保有しているからといって、投資可能額が増加するわけではありません。
NISA金融機関は「商品」と「手数料」で選ぶ先述のとおり、NISAの金融機関はあとから変更できます。しかし、金融機関の変更は手続きに時間を要します。また複数の口座を管理する手間も発生します。金融機関はできるだけ変更しない方が望ましいでしょう。
金融機関の変更が生じないようにするためには、当初から金融機関をしっかり選んでおくことが大切です。
NISAの金融機関の選別は、商品と手数料が主な基準となるでしょう。NISA制度そのものは金融機関で差はありませんが、取扱商品と手数料は金融機関によって異なるためです。
NISAで投資できる商品は、国内株式と外国株式、投資信託です。うち国内株式と外国株式は証券会社でのみ投資できます。投資信託は銀行などでも投資可能です。ただし、銘柄のラインナップは金融機関によって異なります。できるだけ取り扱いの多い金融機関や投資したい商品を取り扱っている金融機関を選びたいところです。
また、手数料のうち、売買にかかるものは金融機関によって異なります。株式の売買手数料や投資信託の販売手数料などです。できるだけコストの安い金融機関を選びましょう。金融機関のなかには、NISAに限り売買の手数料を無料としている場合もあります。なお、投資信託の信託報酬や信託財産留保額は金融機関で差はありません。
NISAは1人1口座 金融機関の変更はスケジュールに注意NISAは1人1口座です。同時に複数の金融機関で開設することはできません。商品や手数料などを確認し、自分に適した金融機関を1つ選んで申し込みましょう。
なお、年をまたいだ金融機関の変更は可能です。金融機関を変更しても、変更前に投資した商品は非課税で保有を継続できます。金融機関の変更は、変更したい年の10月までに行う必要があるため注意しましょう。
若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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