三菱UFJ銀行では「S&P500」や「オルカン」人気再燃、一方でバリュー株ファンドの台頭も
Finasee / 2024年11月28日 7時0分
Finasee(フィナシー)
三菱UFJ銀行の投信売れ筋ランキングの2024年10月は、トップこそ4カ月連続で「eMAXIS 日経225インデックス」になったものの、第4位に浮上した「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や第7位になった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」といった年初から大きな資金流入があった2ファンドへの人気が戻ったような動きになった。それ以外で目立って順位を上げたのは第6位になった「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」と第10位の「同Bコース」だ。
◆史上最高値を記録し続ける「S&P500」は、まだ買い?前月は第6位に後退した「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と第9位にまで下がった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がそれぞれ2ランクアップをした動きを、どのように評価すればよいのだろうか? 米国「S&P500」は10月18日まで史上最高値を更新し、10月後半にはやや失速した。もはや割高になった「S&P500」の上昇は限界かとさえ思わせるような値動きともいえた。それでも、11月に入ると再び史上最高値を取り返したように、なかなか株高の終わりが見えてこないのが「S&P500」だ。「オルカン」は「S&P500」の上昇を素直に反映した動きを続けている。
「S&P500」がたびたび失速しては復活を繰り返しているのは、米国企業の企業業績が堅調な状態を維持していることが背景にある。その企業業績の見通しを強気にさせているのがインフレの落ち着きと強い雇用だ。インフレが落ち着いている中で国民の賃金が上昇すれば強い個人消費が維持されるという見通しになる。米国はリセッション(景気後退)の危機を言われながら、減速はしてもマイナス成長には落ち込まず、結果的に株価は堅調だ。
ただ、10月のランクアップは、国内株式インデックスファンドの失速に助けられた側面もいなめない。「三菱UFJ インデックス225オープン」や「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」がランクダウンする中で、外国株式ファンドに資金が向かったようだ。国内株式については相変わらず頭が重く、7月の高値である「日経225」の4万2000円台には遠く及ばず、4万円にすら届かない価格水準でもみ合っている。こういった国内株価の動きと比較すると米国株価の値動きの良さは魅力的だ。このまま「S&P500」のランキングがトップ10の上位を維持できるのか注目したい。
◆成長投資枠でも買える「バリュー株(割安株)」ファンドの台頭売れ筋の新しい動きとして注目されるのは、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」のランクアップだ。このファンドは、フィデリティのボトムアップの調査で魅力的だと判断される「割安株(バリュー株)」に投資するファンドだ。毎月決算型の「Cコース(為替ヘッジあり)」と「Dコース(為替ヘッジなし)」、そして、年1回決算の「Aコース(為替ヘッジあり)」と「Bコース(為替ヘッジなし)」がある。「Aコース」と「Bコース」はNISA成長投資枠の対象ファンドになっている。2023年3月の設定で毎月決算型の「Cコース」は9月までに1万口当たりで設定来累計3100円の分配金を出し、「Dコース」は5100円の分配金を出している。
「S&P500」の動きは「マグニフィセント・セブン」と言われる大型ハイテク・グロース株(成長株)の影響を強く受けている。割高が指摘されながらも高値が継続している銘柄群だ。これに対し、「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド」は株価が依然として割安にある銘柄を選んで投資する。バリュー・ファンドが「S&P500」などのインデックスファンドの人気にどこまで迫れるのだろうか。今後を見守りたい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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