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SMBCの投信販売では「世界のベスト」が復活する一方、世界の4資産に分散投資するファンドが売れ筋で台頭した理由は?

Finasee / 2024年11月29日 6時0分

SMBCの投信販売では「世界のベスト」が復活する一方、世界の4資産に分散投資するファンドが売れ筋で台頭した理由は?

Finasee(フィナシー)

三井住友銀行の投信売れ筋ランキングの2024年10月のトップは4カ月連続で「三井住友・225オープン」になった。第2位には前月に第4位まで後退していた「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」が浮上した。そして、第4位には「SMBC円資産ファンド」が前月の第6位からランクアップし、第7位にはベスト10圏外から「三井住友・ワールド・パッケージ・オープン」が急浮上している。この2ファンドは、国内資産とグローバル資産の違いこそあるものの、ともに株式と債券を組み入れたバランスファンドだ。中長期にわたって安定的に資産の拡大をめざす「コア資産」に位置付けられるファンドといえ、じっくりと腰を据えて資産形成に取り組もうという資金が動き出しているようにみえる。

 ◆「世界のベスト」と「円資産ファンド」のランクアップ

「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」は、日本を含む世界の株式市場(新興国は除く)の中から、「成長」「配当」「割安」という3つの観点で銘柄を厳選し、「世界のベスト」といえるポートフォリオを作るアクティブファンドだ。投資対象に「株式」を選んだ時に最適解といえるような銘柄を厳選するという点で、運用資産の中核を担う役割が期待されるファンドといえる。1999年1月の設定で25年以上の運用実績があり、純資産総額も1兆6500億円を超える巨大ファンドだ。三井住友銀行の擦れ筋ラインナップでは、トップ3に入る人気を継続していたが、前月に第4位まで後退していまっていた。

「SMBC円資産ファンド」は国内資産で安定的に成長するポートフォリオをめざすファンドだ。組み入れている国内資産の内訳は、基本配分比率として日本国債に50%、絶対収益型日本株ファンドに30%、国内高配当株ファンドに20%だが、2024年10月末時点では日本国債に46.9%、絶対収益型に30.5%、国内高配当株に12.4%として現金等を10.2%保有している。現金等のポジションも使って株価が下落する見通しにある場合には予防策をとっているところにも、同ファンドの慎重な運用姿勢がうかがえる。過去1年間のトータルリターンは3.3%、2015年11月設定から約9年間の設定来トータルリターンは12.0%だ。着実な運用成績を重ねている。三井住友銀行の売れ筋ではトップ10の常連ながら第5位以下に位置してきた。それが上位にランクアップしてきたことは、「預金から投資へ」の第一歩を踏み出す投資家に動きだ出ているように感じられる。

◆「三井住友・ワールド・パッケージ・オープン」が急浮上

「三井住友・ワールド・パッケージ・オープン」は、「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」という4つの資産に均等に投資することを基本姿勢とした、文字通り「全世界に投資する」パッケージになった運用商品だ。この基本配分比率の考え方は、「公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオ(2020年4月から5年間)と同じ比率になっている。2001年6月の設定で、2024年10月末時点の過去1年間のトータルリターンは13.9%、設定来では139.9%になる。長期に安定的な運用成績を残している。

三井住友銀行の売れ筋ランキングには、投資初心者向けのわかりやすい商品として「三井住友・225オープン」があり、これが一番人気になっている。将来を見据えて「投資を始めてみよう」と考えた時に、長期の資産形成手段として有力な「株式」に投資する場合、新聞やテレビニュースなどでしょっちゅう見聞きする「日経平均株価」に連動する運用成果をめざすというわかりやすい商品だ。しかも、単なる「日経平均株価」ではなく、配当込みの「日経平均トータルリターン・インデックス」への連動をめざしている。運用コストである信託報酬率も年0.66%と抑えた水準にある。わかりやすい低コストの株式ファンドとして「三井住友・225オープン」は多くの投資家に支持されているのだろう。

ただ、銀行預金から株式への投資に抵抗がある人も少なくない。その場合は、円建て資産で着実な運用成績が期待される「SMBC円資産ファンド」があり、そのリターンの水準が物足りないという人には、グローバルで株式や債券に投資する「三井住友・ワールド・パッケージ・オープン」がある。そして、初心者から一歩先に踏み出そうという人には、世界の株式に投資する「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)<世界のベスト>」が投資先になる。

10月のランキングで「三井住友・ワールド・パッケージ・オープン」という投資の基本ともいえる4資産分散投信がトップ10に食い込んできたという動きに注目したい。そこには、新NISAのスタートから約1年を経過しようとして、いよいよ「預金から投資へ」という「資産運用ことはじめ」の動きが腰の入ったものになってきたのではないかという手応えのようなものが感じられる。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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