【60代】年金がもらえるまでに準備しておく金額は「1700万円」、それとも？ 国のデータから分かった結果は意外と”堅実”？

Finasee（フィナシー）

「年金がもらえるまで」に“最低いくら”用意しておく？

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2023年」（金融広報中央委員会）から60代の回答を見ていきましょう。まずは「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」についてです。

※家計の金融行動に関する世論調査2023年（二人以上世帯、単身世帯、総世帯の各調査）

単身者と二人以上世帯の“差”は約250万円 
出所：金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」 

単身世帯　1707万円
二人以上世帯　1956万円

年金がもらえるまでにいくら準備しておくかについては、単身者は約1700万円、二人以上世帯は約1950万円という回答でした。両者の差は約250万円となり、一人暮らしか、二人以上かでそこまで大きな差は生じていないようです。

年金がもらえるまでに用意する金融資産残高という質問の条件から、老後はこの残高に年金を併せて生活していくことを想定していると解釈できます。ところでこの残高は、他の年代と比較してどの程度差があるのでしょうか。

60代単身者が用意しておく金額は他の年代より低め

まずは単身者からです。

出所：金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」 

20代　1764万円
30代　2231万円
40代　2430万円
50代　2166万円
60代　1707万円
70代　1611万円

60代単身者が年金支給時までに準備しておくと答えた金融資産残高1707万円は、他の年代よりも低いことが分かります。60代となると、もうすでに年金を受給している人もいることから、老後資金の見込みはついているという人も少なくないことでしょう。

一方で、将来の年金受給額が読めないその他の年代では、40代の2430万円をピークに山を描いています。最大額を見込んでいる40代と、60代とでは700万円以上もの差があります。

ただ、60代にとっては先達である70代と比較すると、70代の方が100万円ほど少ない結果となっています。すでに年金をもらっている70代がさらに少ない金額を挙げていることは、実際には年金で意外と足りているということなのかもしれません。

なお、平均は1925万円でした（全世代、全国）。二人以上世帯ではどうでしょうか。

老後資金の準備、二人以上世帯は単身より少ない

続いて二人以上世帯を見てみましょう。

出所：金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」 

20代　1763万円
30代　1964万円
40代　2068万円
50代　1992万円
60代　1956万円
70代　1685万円

60代が世帯主の二人以上世帯が年金支給時までに準備しておくと答えた金融資産残高は1956万円。30代～60代で比較するとあまり変わらないことが分かります。ある程度、ライフプランを立てているということでしょう。

なお単身者と比較すると、60代、70代では、二人以上世帯の方が単身者より多くの金額を準備する傾向にあり、逆に50代以下では、単身者の方が二人以上世帯よりも準備する金額が多くなっています。

また、二人以上世帯の平均は1920万円でした（全世代、全国）。こちらは単身者より5万円少ない結果です。

年金支給までに準備しておく金額は1700万～1900万円

60代が年金支給時までに準備しておくと答えた金融資産残高は単身者が約1700万円、二人以上世帯が約2000万円でした。この金額をベースに、公的年金をもらいながら老後を過ごすライフプランを見込んでいるということでしょう。

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Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40～50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。