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2025年、日本経済の見通しと魅力度の高いアセット、セクターは?

Finasee / 2024年12月13日 12時0分

2025年、日本経済の見通しと魅力度の高いアセット、セクターは?

Finasee(フィナシー)

2025年、日本経済の見通しは?

金融政策において他の先進国と反対の動きをしているのが日本だ。今後の成長に関して、特にインフレの動向に注目する必要がある。賃金上昇がインフレにつながり、さらに消費に回るという好循環が継続するかにかかっており、実現できれば長らく続いたディスインフレからの脱却がようやく可能になる。

日本が経済回復を継続するには低金利の金融緩和策を続ける必要があるが、一方で地政学的な状況や米国の経済成長の底堅さといった外部要因も考慮すべきだ。米国経済の堅調さに起因する為替市場のドル高・円安、米国の新政権誕生による貿易摩擦の懸念も生まれるだろう。

25年はこれら様々な要素を考え、今後の金利動向も含め、日銀の金融政策を見ながら慎重に判断する必要がある。さらにグローバルな市場環境を見ると、これまでは各国の中央銀行が利上げという同じ方向を向いていたが、25年は経済成長あるいはインフレの動向により各国の政策は異なってくる。

アクサ・インベストメント・マネージャーズ コア・インベストメント最高投資責任者(CIO)アジア担当 エカテリーナ・ビゴス氏
 2025年、割安感のある投資対象資産は?

それら要因を考慮してどの投資対象資産に割安感があるかと考えると、やはりクレジット、債券ということになると考える。特に米国のクレジットは堅調な状況が続くだろう。リセッションリスクが遠のき、新政権によって成長を促進する政策が取られると考えると、やはり25年もクレジット投資が主体となるだろう。

債券投資の魅力とリスク

歴史的に見ても債券、クレジットの利回りは非常に高い水準となっている。米国株式の配当利回りと比較しても、債券利回りの方が非常に有利な状況となっている。一方でリスクとしては、インフレの再燃に対してFRB(米連邦準備理事会)がよりタカ派的に引き締めの政策をとると、債券投資にとってはマイナスの影響が出てくるので注意が必要だ。

債券投資では利上げリスクには慎重にならざるを得ない。そのような状況下では投資適格債のようにクッション※が少ないものよりも、利上げによってある程度のマイナスの影響があったとしても十分利回りを享受できるハイイールド債といった利回りの高い債券が選択肢となるだろう。

リセッションリスク、デフォルトリスクともに低い現状を鑑みると、デフォルトにならないという前提のもと、投資適格債よりもハイイールド債のようなより高利回りのクレジット投資の方が、利上げ、あるいはFRBの金融政策による衝撃を吸収する幅があるということになるだろう。

※価格が下がっても、利回り収益のプラス分でそのマイナス分をカバーすること

日本の投資家にとって為替ヘッジコストは米国よりユーロが有利

日本の投資家にとっては、米国との短期金利差によって為替のヘッジコストが非常に高い状況が続いていた。一方で、欧州を見るとインフレも落ち着いてきており、成長も米国ほど芳しくはなく、米欧で経済成長の非対称性が見られる。

ECB(欧州中央銀行)は今後も金利正常化に向かって金融政策を緩和していくとみられる。その利下げスピードは米国より早いと見込まれるため、日欧の金利差は縮まり、日本にとっては米ドルより対ユーロでのヘッジコストの方が安くなると期待される。

ただ欧州の債券、クレジットとなると成長が若干弱含んでいることがリスクではある。したがって米国債券には金融政策の再引き締めのリスク、欧州債券にはクレジットスプレッドがワイド化するリスク…と、米国と欧州で若干異なる側面でのリスクに注目する必要がある。

債券投資か、株式投資か?

25年、リセッションに突入するシナリオが限定的であると考えると、ハイイールド債の利回り水準は魅力的だろう。また、ボラティリティ(変動)も株式よりはハイイールド債の方が小さい。同時にインカム収入の再投資による複利の恩恵も得られることになる。したがってハイイールド債のリターンはボラティティを勘案しても、現在の想定される景気環境においてはかなり魅力度が高いだろう。

過去の水準から考えても債券は株式よりも投資妙味がある。とはいえ、スプレッドがかなりタイトにはなっている。今後の金融政策の動向にもよるが、マクロ環境的にはリセッションは遠のいている、ファンダメンタルズも堅調、企業の財務状況もさらに改善強化されてくることを考えると債券投資が望ましいとは思える。

旺盛な需要に対し供給は通常通りであるため、需給関係からも下支えされるというのが債券の状況だ。スプレッドはかなりタイトだが、これらの要因から債券は妥当な水準ではないかと思われる。

株式で狙い目のセクターは? 注目のAIは継続か?

株式市場は23年、24年と、米国のみならず欧州でもかなり上昇した。ただ、非常に限定的な数銘柄が牽引したという市場展開であった。そうした一部の銘柄は、半導体あるいはAIブームでかなり割高な水準となっている。25年、投資家にとってはこの株高が続くのか、あるいは調整が早いのかが気になるところだ。

答えとしては、収益基盤の確保、AI開発、財務体質がきちんとしている銘柄群は、調整が入らないかぎり投資は継続できる。AIは今後さらに普及が進むと、今までの開発の中核からアプリ開発などまで裾野が広がっていく。するとどこが“勝ち組”となってくるのかもまた違った展開となるだろう。

したがって株式は全般的にプラス成長、また規制緩和等も想定されるため、ブレイクスルーとなるテーマ、成長、応用分野を洗い出していくことが重要となる。

例えばロボティクス、自動化、エネルギートランジション、AIについては開発そのものよりも活用による収益拡大につなげていく銘柄の洗い出しが重要となる。それこそがまさにアクティブ運用が強みを発揮する局面で、そういった銘柄を選択して選んでいくことに妙味があるのではないか。

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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